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書簡文学

書簡文学でお勧めのものがあったら教えて下さい。 ゴッホの書簡集の様に実在するものでも、 ドストエフスキーの「貧しき人々」の様な フィクションでも構いません。 よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.5

#4の方がおっしゃってらっしゃるのは 『宝石の声なる人に――プリヤンバダ・デーヴィーと岡倉覚三 愛の手紙――』(平凡社ライブラリー)ですね。 ほんと、これは読んでみてください。 なんというか、文章というものがここまでそのひとのてざわりというものを伝えるものなのか、という感じがします。 泣けます。タイトル書いただけで、目がうるうるしてしまった。 基本的に「書簡集」と「書簡文学」は分けて考えるべきだと考えるんですが(ごめんなさい、あんまりこむずかしいことは言いたくないんですが、もう職業病のようなもので…)、書簡文学というのは十八世紀に盛んだったもので、その元祖がサミュエル・リチャードソンの『パメラ』と『クラリッサ』、そして、これは山ほどの模倣を生みます。 そのひとつが#4の方も書いていらっしゃるラクロ『危険な関係』、あるいはルソー(そうです、あの社会契約論を書いたジャン・ジャック・ルソーです)の『新エロイーズ』(これは岩波から翻訳が出ているのですが、現在かなり入手がむずかしく、図書館じゃないと読めないかもしれません)であるわけです。 この形式は、さらにゲーテの『若きウェルテルの悩み』にも継承されていきますし、質問者さんがあげていらっしゃるドストエフスキーの『貧しき人々』も、こうした流れを受けたものなんです。 ジェイン・オースティンも『分別と多感』(『ある晴れた日に』というタイトルの邦訳もあります。映画にもなっている)も最初は書簡体小説として書かれた、という経緯があります(けれどオースティンはそれを途中でやめてしまいます)。まぁこむずかしい話はこれくらいにして。 さて、日本のものがあまり出ていないので思いつくままに。 太宰治『パンドラの匣』 http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1566_8578.html 同じく『風の便り』 http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/283_15064.html これを書簡体小説と呼んでよいのか疑問はありますが、手紙が決定的な役割を果たす作品として 葉山嘉樹 『セメント樽の中の手紙』 http://www.aozora.gr.jp/cards/000031/files/228.html あとは個人的な趣味ですが 横溝正史の短編、わたしは彼の最高傑作だと信じているのですが 『車井戸はなぜ軋る』、これは書簡ミステリの最高傑作でもあるはずです。 まだまだあるような気がするけれど、思いつかないのでこれくらいで。

kirinnremonn
質問者

お礼

ありがとうございます! 書簡文学と書簡集が違うというのを初めて知りました。 勉強になります。 お薦めの本、是非読んでみようと思います。

その他の回答 (6)

  • thing
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回答No.7

No6のものです。 文中、「小田信長」は「織田信長」の変換間違いです。 大変失礼致しました。 小田は私の知人の名字でした。(^_^;)

  • thing
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回答No.6

書簡体文学といえば、ずいぶん昔に読んだ「若きウェルテルの悩み」を思い出し この本の紹介でもと考えましたが、もうすでに、十分丁寧な回答が寄せられていましたので、 その他で思いついたものとして、こんな作品を挙げてみました。(帯タイトル風に)  ◆もう今では読まれることは少なくなった、作者の当時の心情を吐露した小説。   小林秀雄の「Xへの手紙」。三角関係とは、人間の永遠のテーマかも知れませんね。    ◆十六世紀、一航海者が、小田信長と接したときの書簡が発見され、それを翻訳した形式の  小説で、内なる小田信長を、作者独特の澄んだ文体で描いた歴史小説、辻邦生の「安土往還記」   ◆「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて 、ほんとうに想像すら出来ないことでした。」で始まる、男女の悔恨と思慕。そして再生への決意を描いた  宮本輝の「錦繍」。超オススメ本です。   あと孤児院で育った少女が大学に入れてもらう条件に月に一度手紙を書く約束をする、 ウェブスターの「あしながおじさん」も書簡体文学だったような・・・

kirinnremonn
質問者

お礼

ありがとうございます! どれも面白そうです。 あしながおじさんも書簡文学だったとは! 昔テレビで見た記憶があります。 NHKのアニメだったような。 ありがとうございました!

  • zephyrus
  • ベストアンサー率41% (181/433)
回答No.4

古めかしいものばかりになりますが。 書簡体小説ということで最初に思い浮かぶのは、18世紀末フランスの、 ・ラクロ「危険な関係」です。 人を堕落させることを唯一の生きがいとする悪魔のような女性が、 典型的ドン・ファンである男性をそそのかして、 生娘や難攻不落の法院長夫人を破滅に追いやるという悪徳に満ちた小説で、 しばしば発禁処分に遭ったそうですが、175通の書簡によって巧みに構成され、 当時の頽廃した社会を見事に捉えた作品として、 また、連綿と連なるフランス心理小説の輝かしい成果の一つとしてつとに知られています。 私は新潮文庫で読みましたが、角川文庫、岩波文庫にもあるようです。 また、岩波文庫に、 ・「アベラールとエロイーズ」という往復書簡集があります。 アベラールは中世スコラ哲学の一高峰と歴史の教科書で学んだことがあります。(^_^;) エロイーズは才色兼ね備えたその弟子。 それがいつしか恋愛関係へと変化してゆくのですが、 ある奇怪で不幸な事件によって二人は切り放されます。 収録されている書簡はその事件ののちに書かれたもので、 その第二から第五の四書簡(「愛の書簡【レットル・アムルーズ】」と通称されているらしいです)が、 私のような俗人にはやっぱり興味があります。 皇帝の妻たるよりはあなたの娼婦と呼ばれたい、と書ききったエロイーズは、 史上もっとも情熱的な女性の一人だったでしょう。 最後にもう一つ。同じ岩波文庫から、 ・「モーツァルトの手紙」上下二分冊。 モーツァルト大好き人間ならずとも、一家に一冊にふさわしいものだと思います。 この本の編訳者の方の言葉にあるように、 「深遠な芸術論や人生に関する哲学的な省察が展開されるわけではな」く、 「生活と心情の実態」が語られているに過ぎないともいえますが、「その手紙の魅力は別なところにある。」 パリに客死する母を孤独に看取るモーツァルト。 そのあと故郷ザルツブルグで心配する家族の下へ、この不幸を報せる思慮深い悲しみにあふれる手紙。 そうかと思うと、しばしば品位の欠けた駄洒落の数々。 才能への自負。相次ぐ借金の申し込み。病弱の妻への思いやりに満ちた手紙。 そこにはわずか35年の生涯を送った一人の人間の喜怒哀楽、魂が語られています。 う~ん、もう一つだけ、いま思い出しましたが、岡倉天心とインドの女流詩人とのあいだに取り交わされた書簡があるようです。 あるようだというのは、直接読んだわけではなく、大岡信氏の「永訣かくのごとくに候」という本の中で、かなり詳しく紹介されていたのを読んだきりだからです。 余命いくばくもない天心とこの女性との愛と死(そして詩に満ちた)書簡で、探せばきっと直接読めるかと思います。 思わず長文になりました。失礼しました。

kirinnremonn
質問者

お礼

大変詳しい説明、 ありがとうございます! もう、何から読んで良いか迷ってしまいます。 どれもこれも面白そうで。

  • sophia35
  • ベストアンサー率54% (637/1163)
回答No.3

おはようございます。 一貫性は無いのですが、今まで書簡集の中で心に残ったのは・・・ 「チェ・ゲバラAMERICA放浪書簡集―ふるさとへ」 記録魔であったゲバラの革命家への布石と、あまり知られることの無い人となりが分かる一冊です。 「父より慶喜殿へ―水戸斉昭一橋慶喜宛書簡集」 最後の将軍と言われた慶喜と父親との、愛情溢れる書簡集です。何故無血返還が行われたのか・・・その後の慶喜の生き方・・・その全てが、この父との心温まる関係に通じているのだと感じました。 「山田風太郎疾風迅雷書簡集―」 時代小説家の風太郎の青春時代の書簡集。その悪たれぶりに、ある意味清々しさを感じます。 「漱石・子規往復書簡集」 始めおかしく、やがて哀しい・・・ 寄席を通じて知り合った漱石と子規の、子規の死によって終わるまでの13年間の書簡集です。心許しあった親友同士の愛情の深さが滲み出る・・・ある意味一冊の小説と言ってもおかしくは無い書簡集です。 よろしければご一読いただければ幸いです。

kirinnremonn
質問者

お礼

ありがとうございます! どれもこれも面白そうですね。 ゲバラのものまであるとは知りませんでした。 読んでみようと思います。

  • komomomo
  • ベストアンサー率22% (25/113)
回答No.2

私の一番のお勧めはドストエフスキーの「貧しき人々」ですが、もうご存知のようなので別の角度から。 三島由紀夫の「三島由紀夫レター教室」はユーモアいっぱいで面白いのでお勧めです。彼の生き生きとした楽しそうな文体に私は惹かれました。是非読んでみて下さい。

kirinnremonn
質問者

お礼

ありがとうございます! 読んでみようと思います。

noname#11114
noname#11114
回答No.1

書簡文学にあてはまるのかどうか自信がないですが、 ギッシングの「ヘンリ・ライクロフトの私記」を 思いつきました。

kirinnremonn
質問者

お礼

ありがとうございます! 読んでみようと思います。

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