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比視感度曲線はインチキ?
済みません。注目していただく為、過激なタイトルにしました。 疑問に思っていたのですが、光をエネルギーで比較するのなら、純粋物理的な話で納得できますが、光を目で見てとなると、男女差・年齢差・人種差などによりより、違いが出てくると思います。この比視感度曲線は誰の比視感度なのでしょうか。
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ごきげんよう。 もうすでに他の回答者の皆さんが答を言ってしまっているのですが、まとめ回答を致したいなあと思い書き込みます。長文御容赦です。 「光度(単位:カンデラ cd)」「光束(単位:ルーメン lm)」「照度(単位:ルクス lx)」など、物理的に決まってくる光の強度や量の単位があるのですが、実際の人間の知覚の見え方というのは物理的な量とは異なる(光の量を2倍に増やしても知覚量は2倍にならない、など)は御存知のことと思います。 そこで、人間の知覚として、各波長の光に対してどれだけの光強度の場合に光が知覚できるかという光覚閾を求めて(視感度)、一番感度が良いところを1として各波長の相対値のグラフを書いたのが「比視感度曲線」です、というのが基本的情報でしょうか。 標準比視感度はNo.3さんなどがおっしゃっているように、いくつかの実験研究にもとづいてCIE(国際照明委員会)が明所視と暗所視のそれぞれについて検討し決めたものです。 つまり標準比視感度曲線にあるような値は多数の被験者の平均、もしくはいくつかの実験条件から導かれたデータの平均ということになります。こういう場合、標準観測者(standard observer)と呼ばれる、実在しない仮想の観測者による観察結果であるとも考えられています(仮想的な観察者ということなので、このような理想的なデータを出す観察者はまず存在しません。まあ60億人総当たり測定をすると存在するかもわかりませんが)。 標準比視感度決定のそのものの実験ではないかもですが、当時の一連の測光/測色の実験データをみてみますと、ひとつの実験で、だいたい数人~20人あたりで平均値を算出していますね。 もちろん人間の知覚量ですので、質問者さんのおっしゃるように、観察者の選択方法によって男女差・年齢差・人種差は当然存在します。また、測定時の実験条件によってもデータは変動する可能性があります。そこで、CIEでは決定の際に複数の実験データを考慮することで、信頼できる基準を作ったと考えられます。 (質問者さんのおっしゃるように、住んでいる場所によって目の感度が良い人種がいたりするかもしれませんが、一番感度が良いところを1として他の波長の感度を0~1で表示するという平滑化の手続きによって、人種間の絶対的な感度値の比較、というのはやらなくてもよく、比視感度はある程度一致するはず) ■裏話と推測■++++++++++ 元の論文でチェックしたわけではないのですが、観察者さんの視感度や色覚が「個人差」と呼ばれる範囲から大きく外れるようですと、正確な測定ができなくなるので、予備観察や色覚検査によって、ある程度妥当な観察者をしぼっていると思われます。だから観察者の選択については、完全な無作為抽出ではないのではないかと。 あと、普遍的なデータを得る為に全世界から観察者を何百人も集めようということは普通行なわないです。大学や研究所に観察者募集に応じて来てくれたアメリカ人十数人とか(笑) 重大な色覚異常などでないかぎり、個人差や人種差は平均をとって平滑化することで、ある程度普遍的なデータが得られるということを前提にしていると考えられます。あと、多少判断が難しい観察の場合、素人さん数十人よりも慣れてる観察者さん数人のほうがキレイなデータになるという裏話もきいたり? ++++++++++++++++++++++ やはりNo.3さんのおっしゃるように、人間に対する指標は難しい、また、そもそも人間の光や色の知覚メカニズムが完全にわかっているわけではないので、研究が進んで新たなことが判明するとともに、CIE基準作成の元となる数値が修正されたりします。ただし国際基準がコロコロ変化するのはよろしくないので、基礎研究データの妥当性がある程度評価されてから基準変更となるようです。測色基準ですと、1931年決定→1964年修正/追加、という感じですね。 CIE基準ほど大規模ではないのですが、近年の具体的な基準追加の例として、比較的重大な個人差である年齢差について(年を取ると眼球の水晶体やガラス体が濁る、黄斑色素と呼ばれるものが増えるなどにより光感度や色覚が変化)、青年と高齢者のデータを分けて高齢者用の基準を作ったり、明るい場所と暗い場所とその中間という、複数の観察条件での測光/測色データが作成されています。 間違った情報が含まれていましたら、訂正など改めて。
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>CIEさんはどのような多数の人を調べたのか CIEが調べたのではなく、その当時(これはかなり古く1930年代頃と思います)の研究報告などを元に委員会が検討し、採択したものです。 当たり前の話しですが個人差もあるし、もしかしたら人種による違いもあるかもしれません。でもそれは重大な問題ではありません。要するに一つの指標を設ければ良いだけですから。 それよりは色の定義の方が結構難しく"CIE standard colorimetric observers"なるものを定義したりなどなど、人間の目が感じる光、色については、必要に応じて今も尚標準の改定なり追加なりをしていっています。 要するに、問題があればそれに対しての標準化をまた進めればよいだけなのです。 特に人間を相手にする場合は万能の指標はありません。 たとえば最近LEDの信号機がかなり青いことに気が付くと思います。昔はCIEでは緑としていましたが色盲の人のために青い色の範囲を認めるなど、問題があれば修正するということも行われているわけです。
お礼
ど素人の質問に付き合って頂きありがとうございました。 今決めるとするなら、若干違ったものに成るのかもしれませんね。一旦決めた標準はよほどの事が無い限り、影響の大きさを考えそのまま使っていると考えれば良いのですね。
標準比視感度は、国際照明委員会(CIE,Commission Internationale de I'Eclairage)により決められているもので、統計的に平均的な感度曲線を多数の被験者を相手にした試験結果により求めたものです。 で、この標準比視感度とそれを用いた単位はすべて「人間の目で見たとき」にどう見えるかということが問題とされる場合に用いられます。人間の見え方を考えなくて良い場合には他の比視感度を用いない単位が使われます。 たとえば照度に対応するような単位であればW/cm^2がよく使われる単位です。 ただたとえば色覚異常のある方などではこの感度曲線を大きく外れるため、必要に応じてそのような人たちに対する配慮も必要にはなります。 では。
補足
重箱の隅を突つくような事で申し訳無いのですが、CIEさんはどのような多数の人を調べたのか気になったのです。 スモッグの中の目とアンデスの人の目は違うような気がします。
- First_Noel
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同じように,「正常な遺伝子」とは一体誰の?と私も思っていましたが, こういうのは,多くの「平均的な」被験者を抽出した統計結果だと思います. この抽出のとき,色覚異常の有無など,本人だけでなく両親親戚も含めて 考慮するのか,それとも本当に無作為抽出の方法で被験者を選ぶのかは分かりません.
お礼
回答ありがとうございます。 おっしゃる通りだと思いますが、これを基準にしてカンデラやルーメン、ルクスなどという単位が決められ、科学的な?計算の元になっているのではないかとおもっていましたので。
お礼
詳細な回答をありがとうございました。 単に自分だけの問題だと思っていたことに対し、いろいろな人の知見を聞くことか出来て、知的好奇心?を満足させることが出来て嬉しいです。 学校で質問しても、入試に出ないと無視されてしまいそうな気がします。それでもこういうことって、その先の勉学意欲に影響があるような気がします。