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建物の持ち主が夜逃げした場合
店を構えようと土地を物色していたら好条件の土地がありました。しかし、そこにはつぶれた店が建っております。地主Aさんは、つぶれた店のオーナーBさんに土地を貸しておりました。Bさんは自分で店を建て営業しておりましたが、5年前に店はつぶれ、その後Bさんは行方不明です。携帯で連絡はつくようです。Aさんに賃借してもらえるようお願いしておりますが、Bさんからこの5年間賃借料が入っていないことや建物に金融機関数社の抵当権が設定されているようで、大変そうです。どうすればうまく借りることができるでしょう?知恵を貸してください。
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借地上の建物にまつわる典型的な事件ですねぇ。 地代の不払いを理由とする借地契約の解除要件が成立します。 そして地主Aさんは、裁判所に「建物収去命令」を訴えます。 対する債権者は建物に付着する抵当権を守るため、借地人=債務者に代わり 地代を納めなければなりません。 でも、これって泥棒に追い銭ですから金融機関はできません。 残るは競売か任意売却しかない。 そこで、今後すべての命運を担うのは、地主さんか新しい建物の所有者です。 命運の行き着く先は建物の解体です。 ■1地主がとる順番から。 土地の占有移転禁止、建物処分禁止を求める仮処分の申立て ↓ 地代の滞納を理由とする「建物収去土地明渡の訴」を提起 ↓ 勝訴。仮執行宣言 ↓ 建物収去命令 ↓ 強制執行(解体) ↓ 廃材の競売 ↓ 終わり 弁護士費用、裁判費用、執行費用、解体費用が必要です。 ■2新しい建物の所有者(miles6pmさん)が取る順番。 地主Aさんに土地賃貸借契約の意思を確認。 ↓ 建物所有者Bさんに建物売買の意思を確認 ↓ 金融機関の担当者に任意売却の可否を確認 ↓ 現状では「建物収去土地明渡」が成立することを前提に、 Bさんと金融機関に売却と抵当権抹消の金額交渉 ↓ 成立 ↓ 建物の所有権移転、抵当権抹消の登記 ↓ Aさんと土地賃貸借契約 ↓ 建物解体 ↓ 建築 現在の建物を利用しない場合は、基本的に解体費用はどのやり方でもmiles6pmさんが 支出することになります。 裁判所で建物収去命令を取る方法と、売買で取得する=抵当権抹消費用を負担する方法と どちらが安いのか、また早いのかが焦点です。 建物売買ですと、路線価ベースで見たときの借地権割合が使えます。 借地面積が100m2、路線価が10万円/m2、借地権割合が60%の場合、 100m2×10万円×60%=600万円と言うことになります。 がしかし、これは通常の場合。所有者Bさんは「建物収去土地明渡」が成立する 債務者ですから、乱暴ですが理論的に建物の価値は0円です。 また、金融機関は競売をかけてくることも考えられます。 がしかし、地主Aさんが仮処分の申立だけでもしておけば、競落する意味合いは薄くなります。
お礼
詳しい説明ありがとうございました。なかなか簡単にはいきませんね。頑張ってみます。