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連鎖群と染色体について
連鎖群は染色体数の半分になり、ショウジョウバエだと4である、と生物学事典に書いてありました。確かに同一染色体にある遺伝子は連鎖していますが、ショウジョウバエだと性染色体が2本、常染色体が6本なので常染色体の半数の3プラス性染色体(XとY)2で連鎖群は5となる気がするのですが、違うのでしょうか?どなたか、教えてください。
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性染色体が一つの連鎖群と見なされるわけを,知りたいんですよね。 性決定の様式がXO型とZO型の生物では,性染色体は一種類しかありませんから,連鎖群は一つと見なしていいと思います。また,XY型とZW型の生物では,Y染色体とW染色体は,X染色体やZ染色体と相同な部分もあり,全く異質な遺伝子をもつわけではありませんから,XY型やZW型のときも性染色体を一つの連鎖群と見なしていいと思います。 Y染色体やW染色体だけに含まれる遺伝子もあるわけですが,独立した連鎖群とするほどのこともないと思います。
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- geneticist12
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>連鎖群とは,密接に関連しながら遺伝する遺伝子のグループと解釈できます。 この解釈は、定義からずれていてコンセンサスではありませんね。連鎖とは、複数の遺伝子座の相同遺伝子が、独立の法則にしたがってランダムに生殖子に振り分けられると考えるより、高い頻度で同時に伝播するということです。 Aa Bbから生殖子ができるとき、2つの遺伝子座全く独立なら、生じる生殖子は A B:A b:a B: a b が1:1:1:1になりますが、たとえば、二者が同じ染色体上にあって、全く組み換えがおこらないとすると A B : A b :a B : a b が1:0:0:1になります。 このような場合を完全連鎖といいますが、実際には二者間の組み換え率に応じて、A b、a Bが出現してきます。それでも、どんなに組み替えが起こりやすいとしても、独立の法則で予想されるよりも低い出現率なので、連鎖があると判断されるのです。また、そのようにして判断されるものこそが連鎖であって、対合するとか、染色体組み替えが起こりうる組み合わせかどうかというのは関係ありません。 また、先の投稿で、連鎖群=染色体という理解でいいのではないかと書きましたが、厳密には違います。たとえば、二者の染色体間で相互転座が起こると、2つの染色体が常に同時に伝播しているように観察されるので、同一の連鎖群になります。 連鎖群は、たしかに遺伝学の基礎的知識ですの一つですが、どうせなら、 独立の法則の例外の発見 -> 連鎖群の発見 -> 連鎖群の変化と染色体異常の相関の発見 -> 遺伝子を運ぶ実体が染色体に相当し、遺伝子が染色体上に線形に並んでいるという概念の確立 という、先人たちの観察や洞察まで知らねば、試験勉強にしか役に立たない知識だと思うんですよ。
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お答えありがとうございます。 なるほど、遺伝は奥が深いですね。 私ももっと勉強しないと、だめだな~。
- wacky2
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連鎖群とは,密接に関連しながら遺伝する遺伝子のグループと解釈できます。当然,一つの染色体に連鎖する遺伝子群は密接に関連しながら遺伝します。さらに,相同染色体上の遺伝子は,染色体の対合や乗換えにより,密接に関連しながら遺伝します。したがって,相同染色体上の遺伝子群は一つの連鎖群を形成することになります。 次に,性染色体に限定して考えてみたいと思います。 性染色体をホモでもつ個体(ヒトの場合XXで女性)では,性染色体上の遺伝子は,染色体の対合や乗換えにより,密接に関連しながら遺伝します。常染色体の相同染色体と同様に,一つの連鎖群と見なしても良いと思います。 性染色体をヘテロでもつ個体(ヒトの場合XYで男性)では,性染色体は,相同部分で対合を行い乗換えも行います。大部分は相同ではないのですが,一つの連鎖群と見なしても全く問題ないと思います。性染色体は,どの常染色体とも対合も乗換えも行わず関連性はありませんが,性染色体どうしは対合も乗換えも行い,遺伝子には関連性があるのですから,一つの連鎖群と見なすべきなのではないでしょうか。なお,常染色体の相同染色体どうしと同様に,X染色体とY染色体はどちらか一方を受け継げば,他方を受け継ぎません。この排他的な染色体どうしの行動も,密接な関連と見なせます。 連鎖群という概念が,どれほどの意味を持つのかは各分野で異なるのでしょうが,遺伝学の基礎を学ぶ上では重要な概念だと思います。
お礼
お答えありがとうございます。 つまり、X染色体とY染色体は相同な部分が多いので、一つの連鎖群とみなす、ということですね。 なるほどー。
- geneticist12
- ベストアンサー率67% (701/1045)
「連鎖群(linkage group)」は、遺伝学上の化石的な概念だといえます。現在の遺伝学、生物学の世界ではそれほど重要視されていないし、ほとんど使われていないわけでして。いまだに、高校生物の教科書などで多くを割いて論じられ、学生たちを無用に悩ませているのはかわいそうに思います。 遺伝学の歴史を振り返ると、いわゆる「メンデルの独立の法則」は(メンデル自身がそういうことを提唱したわけではなく、後の人が言い出したらしいですが)、個々の遺伝子は互いに独立して、ランダムな組み合わせで子に伝わるというものでした。つまり、個々の遺伝子はそれぞれが独立した粒子のようなものであると考えていたのです。しかしこれは、現代の目から見れば、メンデルが選んだえんどう豆の形質が、たまたま(それとも意図的か)別々の染色体上の遺伝子によるものだったからだということになります。その後、ショウジョウバエを用いた遺伝学の研究で、独立の法則に当てはまらない遺伝子の組み合わせがあることがわかってきました。それらの遺伝子たちは、予想されるより、高い頻度で同時に子に伝わるのです。それで、個々の遺伝子が独立した粒子と考えるより、いくつかの遺伝子がかたまりになっていると考えたほうが良いということになって、そのかたまりを「連鎖群」としたのです。まだ遺伝子の本体がDNAであるということはおろか、染色体が遺伝子の担い手であることも、染色体上に遺伝子が線上に並んでいるということもわかっていなかった時代です。今日では、同じ連鎖群か否かなんてことを論じることは必要なく、同じ染色体上にあるかどうかということを考え方の出発点にします。 さて、なぜY染色体をひとつの連鎖群としないのか。 連鎖群という概念で論じられていたのは、古典的な遺伝形質です。基本的には変異によって目に見える表現型を生じる遺伝子が対象です。Y染色体にはそのような遺伝子はほとんどありませんでした(そもそも、ショウジョウバエでもヒトでもY染色体は生存に必須ではないくらいですから)。また、確かにY染色体はX染色体と対合し組み換えもおこりますが、それはほとんど遺伝情報のないヘテロクロマチン領域が主ですから、染色体組み換えも検出できませんでした。今なら、目に見える表現型を持たない遺伝子や、遺伝子領域でない染色体DNAの変異でさえ検出して追跡できますが、当時はY染色体上を連鎖群として考えるだけの情報も必要性もなかったのではないでしょうか。 まあ、連鎖群として教科書で論じられているのは、ショウジョウバエの例だけだと思いますので、「遺伝学の歴史上、連鎖群という概念が生まれた。ショウジョウバエの場合、4つの連鎖群があると考えられていた。それはY染色体を除く、第1(X),第2、第3、第4の4つの染色体に相当する」とだけ捉えておけばよいのではよいのではないのでしょうか。
- 1fan9
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なぜか連鎖群4ですね…。 性染色体を連鎖群1とするのは例外ではないでしょうか。 ヒトでもショウジョウバエでも、X染色体とY染色体の遺伝子の数の差は相当あると思います。でも遺伝学で時々X染色体とY染色体を同じようなものとして扱う場面が多いですよね…(私もそこら変のことを詳しく存じてませんが、回答者がいつまでたっても0人なので推測した意見を以下書かせてもらいました^^;)。 遺伝子の数はY染色体で78種、X染色体で1098種だったと思います(ヒト)。 X染色体とY染色体の中身はおおよそ違いますが、それ同士対合もしますし、組換えも起こします(稀にです。短腕のみ?)。 また、X染色体の遺伝子とY染色体の遺伝子がかぶる部分もある(ヒトでは確か7つかぶる)らしいです。 ショウジョウバエの場合もかぶりますし、連鎖群が生化学辞典のように4になる要因になるのかもしれません… 連鎖群がオスとメスで違っても変な感じですし… Y染色体の遺伝子はあまり働かないから無視しているのかもしれないですね… 分裂期にはX染色体とY染色体でペアをつくりますし、似た部分も多いみたいですから、そのことが質問の要因かもしれません。 非常に苦しい回答ですみません。 専門家の方に回答していただけたら嬉しいですね!
お礼
明確なご回答ありがとうございます。 これで疑問がクリアになりました。