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X染色体とY染色体の起源は同じ?
前の質問と同じく性染色体についての質問です。 X染色体とY染色体の起源は同じと聞きましたが、そうなのでしょうか。 ここで説明して頂くにはきっと複雑すぎるでしょうから、参考になるようなホームページがあれば教えて下さい。
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呼ばれて出てきました(笑) suiranさんが紹介されてるとこのレビューを読んでみたりしたのですが、なかなか興味深い内容でした。レビューっていいですね。自分の勉強にもなりますし。本業がおろそかになってしまいますが・・・ さて。本題。 X染色体とY染色体は起源が同じらしいです。現在の爬虫類の生物でも見られるように、3~4億年前の哺乳類などの先祖は周囲の温度によって卵がオスとして発生するかメスとして発生するかが決まっていた可能性があります。ですが、鳥類や哺乳類のような恒温動物の出現によって、このメカニズムが不要になったのではないかと。 このころ、ある常染色体上にあった遺伝子に変異が生じて、オスを決定するような優勢の変異遺伝子(現在のものはSRYと名前がついている)になってしまいました。このとき以降、この変異遺伝子を持つ個体は必ずオスになります。つまり、この遺伝子が乗っている染色体は性染色体として働くようになりました。これが、性染色体の起源です。まだこの染色体のペアには顕著な形状や他の遺伝子の機能に差はありません。 おそらく上の変異の直後、染色体の再編成が起こったのでしょう。ゲノムの一部が180度向きが変わる逆位という変異が起こり、前駆X染色体と前駆Y染色体の一部の塩基配列が相同でなくなりました。相同でないと、生殖細胞を生じる減数分裂の過程で染色体の組換えがこの領域では起こらなくなります。この組み換えの起こらない領域に、いくつかの別の遺伝子とともに先のSRY遺伝子がありました。この染色体は、子孫の間でどんどん広まっていきました。 前駆Y染色体は、組み換えを起こさない領域にいろいろな遺伝子の変異を溜め込みます。組み換えを起こさないので、これらの新たな変異は前駆X染色体に移ることがありません。しかも、もともと前駆Xはこれらの正常なものを持っており機能を補っているので、オスの生存に問題はありません。こうして、前駆Yのこの領域の遺伝子はどんどん使い物にならなくなります。このような領域はあってもなくてもよい(生存にかかわらない)ので、前駆Yから少しずつ消えていきます。SRYは非常に重要なので、少しずつ変化することはあっても完全にはなくなりません。 前駆Yで、複数の遺伝子を含む染色体の逆位は何度か起こっているそうです。このことにより、組み換えの起こらない領域はどんどん大きくなり、また、染色体の消失も起こります。ヒトのY染色体はXに比べてすでにかなり小さいですが、モグラのように完全にY染色体を失ってしまった(メスはXX、オスはXOと表記します)生物もいます。ヒトでは、XとYの間の組み換えはほとんど起こりません。 XYの間で、もともとは同じものだったが別々の進化の過程をたどった遺伝子などはいくつか知られていて、発現の時期や場所が違ったりするそうです。一番最初にオス決定遺伝子SRYのもととなるような変異を起こした遺伝子も、X染色体のほうでは類似した別の遺伝子となってどっか別のところで働いてるそうです。 長くなりましたが、このような説があるということで(これでも)簡単にまとめてみました。至らない点もあるかと思いますが、参考になりますでしょうか。 ちなみにSRYは、Sex-determining Region of Y chromosomeの略です。
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- suiran2
- ベストアンサー率55% (1516/2748)
人類誕生の500万年以前に,つまりお猿さんの時代に,常染色体からY染色体は出来たようですね。 Natureで登録すればレビューをは見られます。私には複雑すぎてちっとも理解できませんが…。参考になりましたなら… 私としては,何方かNatureのレビューを読んで易しく解説して欲しいのですが,Freeuserさん時間がありましたらお願いします。
- japonicus
- ベストアンサー率37% (97/256)
性の起源という事でしょうか? まだ定説は無いようです。 少なくとも、太古の昔に無性的に分裂増殖を行う生物の中で、遺伝子の一部に欠損や変異を持つ個体が生じたことが起源ではないでしょうか。 XやYという呼び方は人間が便宜的に付けた名前なので、たまたまオスをオスとして決める遺伝子発現の始点となる遺伝子が乗っている染色体がY型をしているだけだと思います。
お礼
いつも詳しい解説をありがとうございます。お礼を申し上げます。疑問を持つと頭から離れなくなってしまうので、ご迷惑をおかけします。また、ご指導の程よろしくお願い申し上げます。