確かあれはテレ朝の『朝まで生テレビ』(90年代中頃)の放送のことだったと思います。私は見ていましたけど、『それまで討論していたこと(慰安婦の連行と軍を直接関係ずける証拠)を裏付ける資料はあるのか?』と問われた吉見教授が『まだ無い。しかし、防衛庁の旧陸・海軍関係の資料を探せば、見つかると思う。』と、こんな会話だったと思います。
しかし、あれから10年も経ちますが見つかったという報道はありません。逆に『慰安婦を斡旋する朝鮮人業者が人さらいまがいの募集をやっているようだが、軍の威信に関わるから、厳しく取り締まれ』という史料、つまり、『強制連行が起こらないように軍が関与したという史料』が見つかる始末。
これさえも朝日新聞は、『慰安婦と軍を結び付ける史料が見つかった』とわざと軍が強制連行をしたと勘違いするような記事を発表しました。
最高権威ですが、世界学会で会長になられるような人、ノーベル賞を取られる人なら誰が見ても間違い無く最高権威(第一人者)でしょう。でも、それはあまり多くはいないでしょうから、数学・物理学の世界だったら新しい公式・理論を発見する。考古学・歴史学だったら新しい遺跡・史料を発見して、今まで埋もれていた事実を明かにした人。こうして、初めて、他の研究者の論文にも引用されるようになるのではないでしょうか?
歴史学の基本は『史料批判』、歴史資料の信憑性を、徹底的に検証することにあります。事件発生時、発生場所で、当事者が作成したもの、これを『第一次史料』といいます。事件から時間が経過した後に、当事者が作成した回想などが『第二次史料』、そして『第一次史料』『第二次史料』を基に作成したものが、『第三次史料』、史料価値があるのはここまでです。作者、作成年代、作成場所が判明しないものは『第四次史料』、何のために作成されたか分からないものは『第五次史料』とされ、史料価値はゼロと見なされます。
『従軍慰安婦問題』に関する限り価値ある史料は、アメリカの公文書館か日本の防衛庁にしか無いわけですから、そういう場所に自ら足を運んで、関係事実に一番精通している吉見教授が最高権威と言われたのでしょう。
『従軍慰安婦問題』に限らず東洋史で韓国の学者が権威と呼ばれることはないでしょう。韓国では、日本のみならず欧米とも異なる、韓国でしか通じない歴史を教えていますから(当たり前ですが、東洋史は東洋人だけでなく世界中の学者が研究してますから)。韓国の学生は、諸外国に留学して初めてこの事実を知ってビックリするようですね。
韓国の大学の教授が日本のジャーナリストとのインタビューで『もう、ウソを教えるのはイヤだ。でも今まで教えてきたことがウソだったとは口が裂けても言えない。言ったら、自分は社会的に抹殺される。今まで築いてきたものが無くなるので、それはできない。誰か別の学者が早く言い出してくれないかと思っている』と言っているのを読んだことがあります。