仏教の背景には「輪廻転生思想」が欠かせません。
ここから全てが始まり、ここから全てが狂ったといえると想います。
(あくまでも私見ですが)
元々インドの農耕民族の間に「再生観」というのがあったそうです。
死後、再生するという思想です。
で、ここにインドに侵入してきたアーリア人の「因果思想(業=行為による因果)」が加わって、繰り返すという死生観「輪廻思想」というのが体系化したのがBC7~8世紀頃ではないかということです。
で、インドの思想界というのはとても賑やかだったそうですが、修行(出家)の根幹は、やはりこの輪廻からの解脱を究極としていたようです。(善因楽果、悪因苦果、自業自得は業から発生しますので、業を作らないための出家であったそうです)
そんな思想世界の背景があって、お釈迦さま自身、幼い頃に実母を亡くしていますし、元々内省的な性格だったそうですから、自然と修行に惹かれて行ったのだと想います。
そして、自然の摂理(諸法無我、無常、縁起)と、それを応用した合理的な苦からの解脱法を悟って、独覚による正等覚者になったんです。
で、そんなお釈迦さまがあまりにも素晴らしいというので、お釈迦さまを神聖化、神格化する動きが出てきて、お釈迦さまの輪廻転生についても言及(創作)されるようになってしまったんです。
悟りを開く前の転生時代を「菩薩」呼ぼうとして、過去世物語の「ジャータカ」が創作されたり、お釈迦さまの前にも過去7人の仏が居たに違いない(過去七仏)、過去にいたのならば未来にも居るに違いない(弥勒菩薩≪現在、修行中≫)とか、お釈迦さまの舌は顔全体を覆い尽くすほど大きいとか、性器は体内に内臓されているとか。
・・と、言った具合に求心力もあったのでしょうが、人間としてのお釈迦さまは消え失せ、いつしか「ウルトラマン」のような話に出来上がってしまうんです。
で、これが大乗仏教になると、ウルトラマンの父や母も居たはずだし、弟もいたはずだということで、ウルトラの父、母、タロウにレオ・・・と、どんどん創作されて、それぞれに経典が書かれ、信者が増え、ストーリが進展していくんです。
そして、ウルトラ宇宙界にもそれぞれにブッダが居るに違い、あのブッダ(お釈迦さま)はウルトラ宇宙仏の仮の姿だったんだ・・となり、
・・・・もう、本来の仏教からまるで遠ざかっていくんです。
神秘化、救済主義、救世主信仰が加速されるんです。
で、これらがみんな「如是我聞(私はお釈迦さまからこのように聞いた・・」という手続きを踏んでいるので、みんなこれが仏教だと信じてしまうんです。
本来の仏教は神は立てません。
徹底的な実存主義で、どちらかというと『心理療法』だと想います。
「仏陀」というのも、仏教以前から聖人と見なされた人に与えられていた普通名詞であり、お釈迦さまを指す固有名詞ではなかったんです。
「業」は心から派生しますので、その心を安らかにする安らぎの実践(涅槃)が見事に説かれているものだと想います。
一切の妄想に対する執着を捨て、「今、ここの自分(心)」というものを大切にしますので、呪術や祈祷、占いの類はしませんでしたし、形而上的な話題もしませんし、本当に優れた実践心理療法であったと想います。
お礼
ありがとうございます!例えがおもしろく私にも理解する事ができました(^^; 参考にさせていただきます!