1.きちんと壁と建具で仕切られた部屋も、お書きのような衝立だけのものもあったようです。
2.上級貴族の姫君ではなく、そこに仕える「女房」は暇を持てあますほどのことはなかったでしょう。彼女達にはちゃんと「仕事」がありましたから。教養が高ければ、家庭教師がわりに小さい姫には手習いも教えていましたし、長じた姫や奥方とは和歌を詠み合ったり、漢籍の享受もしていました。当時の女性の嗜みとされていた各種の楽器の演奏を聴かせたり教えたりしていた人もいます。そうではない女房達も、姫君の身の回りの世話をするのに忙しくしていたといいます。何しろ、現代のような便利な道具があるわけでもなく、例えば荻窪物語に登場する優秀な女房は姫の衣装の仕立てから、男性貴族との間の取り持ち、儀式の膳の用意の指揮など八面六臂の大活躍です。
暇なのは姫君や奥方ですね。楽器の演奏をしたり聴いたり、和歌を詠み合ったり、物語を聴いたりする他はあまりすることもなし。うんと上流の家だと、雑誌ならぬ「絵巻物」などを取り寄せて見る事ができたそうです。(紙は超高級品)女房と違って「仕事」がないので、残りの時間はただ座っているか、女房を相手に話しをするか。
ここで「気の利いた女房」のいる家とそうでない家の格差がつくので、上流貴族がそういう人を捜し回ったそうです。
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