かつて関東軍は日本政府(国家)の「不拡大」の方針を無視して勝手に満州事変を起こしました。結果として当時の日本政府は、満州事変を起こした軍人たちを処分することができず(本来なら銃殺刑ものです)、満州事変で起きたことを追認する形になってしまったのです。
「上層部が小田原評定をくり返して何も決断できないので、現場が暴走して既成事実を作り上げて、上層部はその行動を追認してしまう」というのは日本史上では「よくあること」なんですよ。
例えば鳥羽伏見の戦いでは、薩長軍に「錦の御旗」が掲げられたことが直接的に徳川軍の敗北に繋がりました。このとき掲げられた「錦の御旗」は、岩倉具視や西郷隆盛らが勝手に「捏造」したものであっただろうということでほぼ確定しています。本来は天皇の許可なく勝手にそんなことをしてはいけないのですが、結局薩長軍が勝利したのでなし崩し的に認められてしまいました。
で、若田部昌澄氏のその発言の部分ですが、元記事が既に削除されているのでどのような文脈でそのような発言をしたのかはちょっと分からない部分もありますね。
その部分だけ読めば「日本銀行は政府に対して十分独立していない」とも読めますが、ちょっと違うのかなって感じもします。