保存していた回答の下書きを削除しようとして、ハタと気づきました。
「《なぜ》watchedではだめなのか」というお尋ねだったんですね。
改めて、以下にお答えします。
(書き換えによる確認)
まず、この文を、接続詞を使って分かりやすい構文にしてみます。
①等位接続詞and「そして」を用いて重文にする:
I was lying on the sofa and I was watching TV.
「私は、ソファーに横たわっていてテレビを見ていました。」
②従位接続詞while「~する間に」を用いて複文にする:
While I was lying on the sofa, I was watching TV.
「私は、ソファーに横たわっている間、テレビを見ていました。」
(進行形が必要なわけ)
was watchingは進行形ですね。つまり、watch「見る」は動作動詞ですので、進行形にしないと「継続」を表すことができないのです。ですから、①②ともに、was watching をwatchedにすると変な文(=非文)になります。
*I was lying on the sofa and I watched TV.
「私は、ソファーに横たわっていました。そして、テレビを見た。」
*While I was lying on the sofa, I watched TV.
「私は、ソファーに横たわっている間にテレビを見た。」
どちらの文も、ちょっとした違和感がありますね。それは、was lying on the sofa「ソファーに横たわっていた」が継続を表すのに対し、watched「テレビを見た」のが一瞬であることを表してしまうからです。このことが、「watched ではだめ」な理由です。
もしもカッコ内に2語以上補ってもよければ、and was watching とすることができますので、これも正解となります。しかし、「1語のみ」という条件つきなら、前文の触れたように分詞構文」を使わなければならなくなるわけです。そこで、分詞構文の用法を確認しておきましょう。
(分詞構文の用法)
現在分詞に導かれた句が、副詞節と同じ意味を表す場合、これを分詞構文といいます。主節との接続の仕方によって、次のような多様な意味を表します。
(1)「~なので」という「理由」を表す:Because/Since/As ...などで節に書換えられる。
Having no money, I had to come back home on foot. = As I had no money...
「お金がなかったので、歩いて帰宅しなければならなかった」。
(2)「~するならば」という「条件」を表す:If ...などで節に書き換えられる。
Going straight on this street, you will find the station. = If you go straight on this street...
「この通りをまっすぐ行けば、駅が見えてくるでしょう」。
(3)「~しても」という「譲歩」を表す:Even if/Though ...などで節に書き換えられる。
Respecting him very much, I cannot love him. = Though I respect him very much ...
「彼をとても尊敬しますが、愛することはできません」。
(4)「~しながら、~して、~する時」という「付帯状況」や「時」を表す:When/While ...などで節に書き換えられる。
They marched on, singing merrily. = ..., while they were singing merrily.
「彼らは、楽しく歌いながら、行進していった」。
(5)「そして~する」という「結果」を表す:and ...などで節に書き換えられる。
We started at seven, arriving there at noon. = ..., they arrived there at noon.
「我々は7時に出発して、正午にそこへ着いた」。
(まとめ)
ということで、お尋ねの文のwatchingも、(5)arrivingと同じ用法です。
I was lying on the sofa, (watching) TV.
「私は、ソファーに横たわって、テレビを見ていました。」
ここでのwatchingは、「そして私はテレビを見ていました」に相当します。
結局、本件は、《「分詞構文とその用法」が分かっているかどうかを見るための問題》であった、とも言えるでしょうね。