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なぜ25mm?95式自走対空機関砲(中国)
ゲパルトの対ヘリ戦果画像が出てきたのでwikipediaを見ていたら95式自走対空機関砲(中国)なるものを見かけました。 対空砲となると初速・射程がシビアでまた近接信管を使うため各国30mm以上の砲を使っています。 なぜ中国は25mmなのでしょうか?近接信管の必要はないとの判断でしょうか?十分な砲が手に入らなかったのでしょうか?
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>対空砲となると初速・射程がシビアでまた近接信管を使うため各国30mm以上の砲を使っています。 ゲパルトも87式も近接信管(エリコンKD 35 mm砲の初期型)を使って無いですよ。 ⇒上記の対空戦車が開発された時(1980年代)の技術水準だと効果的に爆発させられない。 ⇒そもそも、80年代以降の航空機やミサイルは、複数の機関砲弾をダイレクトヒットさせないと無力化出来ない。 ただ、最新のエリコンKD 35 mm砲(GDF-006以降)だとAHEAD(Advanced Hit Efficiency And Destruction)弾があり、近接信管を活用した、弾頭ですがこれは炸薬に指向性を持たせ弾芯であるタングステン・ペレットを衝突寸前に炸薬を爆発させることで再加速させて標的に命中させる兵器だったりします。 AHEAD弾は、発射の引き金を引いて砲口から弾が抜ける瞬間までの初速を測定し、その差を元に砲弾の起爆補正情報を砲弾と無接触状態で連携するという高度な技術が有っての効果的な誘導と成ります。 ですので、古いエリコンKD 35 mm砲に砲弾だけ新しいAHEAD弾を込めても砲弾に無接触補正情報連携が出来ないので有効に活用できません。 (米軍の測定では、補正無しだと35mm程度の小さな砲弾の炸薬では有効範囲内に標的を捉えられる可能性が激減(1/4)するとしています。) https://www.youtube.com/watch?v=bdwjcayPuag >なぜ中国は25mmなのでしょうか? 金が無かったからです。自衛隊の87式なんて14億円もする超高額兵器です。 (中国なら戦車何両買えるのでしょうか…。) 一応、95式自走対空機関砲を開発する前にイギリスが自国で導入を止めたマークスマンを売りに行ったのですが、あまりにも高すぎるとの事で拒否られています。 (この頃の、中国の自走対空機関砲開発の迷走っぷりは、他人事ながら、同情が沸くほどです。ソ連orロシアから売って貰えなかったのでしょうか…。) ただ、一応中国もこの時エリコンKD 35 mm砲の優秀さは実感したようで、ちゃんとライセンスを取って牽引砲として採用はしています。 ⇒ライセンス生産で実力を育むと共に、2000年代以降の経済成長で、中国も09式自走対空砲では35mm砲を採用した自走砲を採用出来ました。 >なぜ中国は25mmなのでしょうか? 一番の理由としては、No.1さんが仰るように元ネタのSIDAM 25が25mm機関砲だった事が理由だと思います。 ただ、これは考えなしに25mm機関砲をマルコピした訳では無く、広域索敵レーダと照準装置(光学装置)の情報をコンピュータで高速解析して極端に砲身長が長く且つ反動が大きい機関砲を分速数百発で発射してもブレない砲架装置の一式を中国が払える額で検討すると他に選択肢が無かったのだと思います。 (アメリカやイギリスの正式装備にこの種の兵器が無い事が開発の難易度とを示しているかと思います。) なお、当時のソ連が57mm自走対空砲(ZSU-57-2)で、こんな重たい火器では航空機の高速三次元飛行に追従できないと言う大失敗の反動で、23mm自走対空砲(ZSU-23-4)の発展に力を尽くしていた事を見ていた中国では、それより少し大きい25mmなら妥協できると思っていたかもしれません。 ⇒というか、中国はZSU-57-2もソ連から売って貰えていない…。 (直接買えずイラクから情報貰って80式対空戦車を開発)
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- pri_tama
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>当時の中国は30mm台の砲を作れなかったのかと思いました 中国には、牽引砲ですがベトナム戦争で活躍した65式37mm連装機関砲やベトナム戦争の戦訓を反映した74式37mm連装機関砲があり、けして中国の火砲製造能力が世界基準と比較して極端に未熟だったわけではありません。 ⇒生産量も大変多く、第三国世界への輸出もヒットしました。 ただ、これらの火器は、あくまでベトナム戦争の主流と成った第二世代以前の航空機に対して有効だったという事です。 (ミサイルや爆弾を高度に誘導する能力が無い為、航空機が低空侵入する必要が有った。また、事前に設置した防空陣地を航空戦力で壊滅させる事も難しかった。) ベトナム戦争の最末期やその後の湾岸戦争等で上記の制約を覆す技術革新がされるのですが、中国はあまりにも先述の37mm機関砲がヒットし過ぎて切替のタイミングを逃します。 >エリコン高いんですねえ。 エリコン社は、1950年代に既に対空機関砲に求められる口径が35mmが最上と判断し、その後の数十年(70~80年代)で求められる技術の革新に全力を賭すことが可能と成りました。 以下に、中国の74式37mm連装機関砲とエリコンの35mm連装機関砲のライセンス生産品の性能比較を上げますが、隔世の感すらあります。(牽引砲でもこれだけ性能差が出ます。) 有効射程(3800m→4000m) 砲初速(866m/秒→1175m/秒) 発射速度(480発/分→1100発/分) 目標探知能力(無→有) 反応速度(15秒→6秒) 自動化(1個中隊の必要人員、70~80名→14名) 信頼性(無修理時間間隔、12時間→150時間) なお、弾薬にも改良が進みましたが、これは中国には提供されていません。 中国が遅れていたと言うよりも、エリコンが余りも正確に先を見出して改良に尽力していたのを褒めるべきだと思います。 なおロシアは機関砲の口径を大分絞ったにも拘らず(23mm)、砲身冷却に問題を抱えており、連射しすぎるとコックオフ(過度の射撃により加熱した銃身によって薬室内に装填された弾薬が発火、暴発を引き起こす現象)により、残弾が尽きるか砲身が焼損、最悪砲身が溶け落ちるか機関砲自体が破損するまで暴発を止められない事例も発生しています。 (後期型では改善されたようですが…。) 対空ミサイルの発展も有りますので、将来の戦場で求められる物をを正確に見出す事が難しことによる被害も有るかと思います。
お礼
再度の丁寧なご回答ありがとうございます。 確かに今回の戦争で37mm砲や57mm牽引砲をロシアが持ち出しますが、砲一つに運用7名とか聞くとぎょっとしますね。エリコンが先駆けとなった省力化なんですね。
- eroero4649
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ウィキペディアにも「イタリアのSIDAM 25を参考に開発された」とあるので、元ネタのSIDAM 25が25ミリ機関砲を装備していたからじゃないかと思います。 じゃあなんでSIDAM 25を参考にしたのかというと、コスト面か運用面かで、大型ではない対空機関砲を装備するという目的があったからでしょう。 ゲパルトやそのゲパルトコピーの自衛隊の87式、フィンランドのマークスマンは重量が38~47.5トンと大型です。一方の95式は22.5トン。元ネタのSIDAM 25に至っては12.5トンしかありません。 「小型軽量の自走対空機関砲を作れ」から始まったと思うので、30ミリ以上の大型機関砲は積めなかったのでしょう。大型の機関砲は、当たり前ですが弾丸も大きくてかさばります。小さな車体に押し込むと、その分積み込める弾数が少なくなります。 韓国のK30が25トンの車体に30ミリ機関砲を備えていますが、あの国はK-1を始めとして小さな車体に無理やり押し込んで失敗するのをよくやらかすので、あまり参考にはしないほうがいいと思います。 実際にK30を見ても、30ミリ機関砲にしては銃身が短すぎると思います。銃身が短いと、遠距離の命中精度は著しく落ちます。エアガンのサバゲーでさえ、銃身が短いMP5と銃身が長いAK47が撃ち合うと、距離が30メートル以上離れたら射手の腕に大きな差がない限りAKが勝つのです。だから可能な限り遠距離に正確に飛ばさないと対空機銃は当たらないでしょうね。 でもあの車体で長銃身の機関砲を積んだら、発射の際の反動が25トンの車体では持たなくて、これまた当たらなくなると思います。 華奢な女の子にAK47を持たせると、重くてデカくて使いこなせません。華奢な女の子にはMP5を渡すべきなんですよ。そういうことです。
お礼
ご回答ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 当時の中国は30mm台の砲を作れなかったのかと思いましたが一応ライセンス生産はしてたのですね。 >高すぎる 確かに各国で導入がポシャッたり数が少ないという事実はありますが、値段の大半はレーダーはじめ電子系かと思っていました。 エリコン高いんですねえ。