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タンパク質分解酵素は自分自身を分解するのか
タイトルの通りです。よろしくお願いします。もし,分解されにくいしくみがあれば併せて回答をお願いします。
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基本的には相当のスピードで自己消化するものと思いますが… 酵素試薬は,グリセロールに酵素を入れ-20℃で保存します。グリセロールは凍結防止剤の作用もしますから,-20℃でも凍りません。 室温保存しますと,急速に酵素活性が落ちます。低温保存は熱による変性防止と自己消化防止のためであると思います。 試薬として販売されているプロテアーゼは化学修飾しまして自己消化を防いでいます。それでも自己消化は進むようですが…
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- nejineko
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nejinekoです。また言葉が足りなくてすみません。 まず、in vitroは試験管内でという意味で、人為的に環境を整えてやり、さらに作用因子を絞り反応を単純化している実験系です。 一方でin vitroの対義語として使われるのがin vivoです。 直訳すると生体内でと言う意味ですが、それは単純に反応の場が身体の外部であるか内部であるかの話ではなく、1つの個体においての反応を観察・実験した系と理解なされると良いかと思われます。この場合は生き物ですからin vitroとは違い非常に多様な環境で多くの物質と酵素が複雑に絡み合って反応が進みます。 例えば、タンパク質の消化を調べたいとします。 その時に生きている動物にタンパク質を食べさせて小腸を調べるのはin vivoの実験系、試験管内にタンパク質とタンパク質分解酵素を入れてその反応を観察するのをin vitroの実験系という感じ使用します。この時に試験管内で反応をより観察しやすくするために、酵素の純度と濃度を生体内のそれより上げて使います。その結果、suiran2さんの話になります。 そして、ご質問は活性のあるセリンプロテアーゼが他(の活性セリンプロテアーゼ)を分解することがあるかと理解してよろしいでしょうか? これはあるとは思われます。 ただ予想通り立体構造によってある程度まで守られているので一般のタンパク質に比べてはその分解は遅くなると考えられます。 ♯2の補足をすれば、最初に私が言いたかったのは酵素の自傷行為は考えにくいということです。そして酵素同士の殺し合いはあるということです。
お礼
ていねいな回答をいただきありがとうございました。
- nejineko
- ベストアンサー率50% (1/2)
♯2の者です。 suiran2さんがご指摘の通りに、確かにin vitro系だとin vivoとは比較にならない程に酵素濃度が高いので分解能は非常に高くなっており、結果プロテアーゼが他のプロテアーゼを消化する自己消化が早くなると考えられますね。 ちなみに、わたしの回答はin vivoでの話になっております。言葉が足りなくてすみません。
補足
はじめは,一般的なタンパク質分解酵素についての疑問だったのですが,ヒトの消化管内でのタンパク質分解酵素についての回答でかまいません。 ところで,消化管内はin vivoなんでしょうか。私の素人考えでは,in vitro的なんですが。
- nejineko
- ベストアンサー率50% (1/2)
タンパク質分解酵素は自分自身を分解するかと聞かれると、自分自身には反応できないと思われます。 例えるのであれば、自分の右手を自分の右手では掴めないのと同じです。酵素には反応部位があり、その反応部位に自分自身の分解部位が入る様に進化するのは非常に考えにくからです。 では、同種のタンパク質分解酵素同士がそれぞれを分解するかというのはあるかと言うと、あります。 有名な例はセリンプロテアーゼです。このタンパク質分解酵素は消化器官内に前駆体の形で分泌され同種のタンパク質分解酵素によって特定部分だけを切断(分解)されて活性化するとされてます。 ですがその分解も無秩序に起こるのではなく、タンパク質分解酵素が反応するのはアミノ酸配列特異的であるために、タンパク質分解酵素が自分自身の特定配列をtakakokoreoさんがおっしゃる様に立体構造で覆い隠してしまうことにより他のタンパク質分解酵素よる分解を必要以上に受けにくくなっていると習いました。 さらにタンパク質修飾のジスルフィド結合や糖鎖の付加などによっても立体構造が保護されることにより、分解は阻害されると言われています。 何かの参考になれば…。
お礼
ありがとうございました。セリンプロテアーゼの例は知りませんでした。ところで,活性のあるセリンプロテアーゼどうしが他を分解することはあるのでしょうか。 やはり,立体構造によって守られているのですか。
- takakokoreo
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全てのプロテアーゼが分解されるとは断言できませんが、基本的に分解されます。 ただ、立体構造をとっていますので、多少分解されにくいとは思います。
お礼
ポリペプチド鎖が立体構造をとると,プロテアーゼと接触できる面が減少して酵素基質複合体になりにくくなるということですね。なるほど。ありがとうございます。 じゃ,強酸性の胃液中で他のタンパク質が変性し立体構造が壊れることは,ペプシンとの接触面を増し,分解されやすくなることになるのでしょうか。そうだったら,すごいですね。
お礼
具体的な例を示していただき,ありがとうございました。とても参考になりました。