- ベストアンサー
「記録として保存ため」は「行使の目的」ではないのか
- 捜査照会の回答書が変造された事件について、東京地検は行使の目的がないと説明した。
- 書類の変造が記録保存のためであるという主張に対し、法的な問題が生じる可能性もある。
- 刑法における文書変造罪の行使の目的に照らして、事件の評価がされるべきではないか。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
その市役所のケースなら、変造・偽造そのもので罪に問えるのではないでしょうか。 というか、質問文のケースでも変造そのものを問題にしようと思えばできる余地はあると思います。だから最初の回答で被害を受けた行政庁(地検)の判断しだい、と言ったのです。
その他の回答 (2)
- toka
- ベストアンサー率51% (1167/2281)
補足見ました。 本問は私文書ですが、公文書文書の行使の解釈について最高裁の判例があります。(最大判昭和44年6月18日) 少し長いですが引用します。 「偽造公文書行使罪は公文書の真正に対する公共の信用か具体的に侵害されることを防止しようとするものであるから、同罪にいう行使にあたるためには、文書を真正に成立したものとして他人に交付、提示等して、その閲覧に供し、その内容を認識させまたはこれを認識しうる状態におくことを要するのである。したがつて、たとい自動車を運転する際に運転免許証を携帯し、一定の場合にこれを提示すべき義務が法令上定められているとしても、自動車を運転する際に偽造にかかる運転免許証を携帯しているに止まる場合には、未だこれを他人の閲覧に供しその内容を認識しうる状態においたものというには足りず、偽造公文書行使罪にあたらないと解すべきである。」 つまり、偽造・変造された文書を出せる状態にしておくだけでは行使にあたらないというものです。 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50894
お礼
質問者です。 すみません。 さっきの補足質問の最後の部分、まちがってました。 変造文書行使罪に該当するのではないか? ではなく、 「行使の目的」に該当するのではないか? です。 行使罪が成立するためには実際に閲覧に供されたことが必要です。 これに対し、「行使の目的」に該当するためには、「実際に閲覧に供される前でも、それが予定されている」ならば、「行使の目的」といえるのではないでしょうか?
補足
最高裁判例までお教え頂きまして、ありがとうございました! 最後に一つだけ、お教え頂けませんか? 「同罪にいう行使にあたるためには、文書を真正に成立したものとして他人に交付、提示等して、その閲覧に供し、その内容を認識させまたはこれを認識しうる状態におくことを要する」というのが最判ですね。 検察庁では難しい(情報公開請求制度がない?)でしょうから、別の仮定の事例として・・・ 例えば、市役所が保管している都市計画・道路拡張計画に関する文書(又は裁判所書記官が保管している裁判記録の文書)などは、もともと多くの市民が閲覧請求することが予定されています。このように、多くの市民が閲覧請求することが予定されている文書(偽造・変造された文書)を保管することは、上記の最判の「文書を真正に成立したものとして他人に交付、提示等して、その閲覧に供し、その内容を認識させまたはこれを認識しうる状態におくこと」(特に最後の「これを認識しうる状態におくこと」)に該当するから変造文書行使罪に該当する、ということになりませんか?
- toka
- ベストアンサー率51% (1167/2281)
回答書を作成し回答したのは民間企業ですから、問題になるのは公文書偽造(155条)でなく有印私文書偽造・変造(159条)ですが、それはおいといて。 公訴に使わずに保存だけの場合、証拠品としての行使にはあたらない、他にこの書面の使い道はないというのが検察の言い分です。 あなたはここを疑問に思っていますが仮にこれを信じるとしましょう。 その場合、公訴に使うかを決めるのは、この事務官ではなく捜査する特捜部の検事です。したがってこれが罪になるか単なる仕事上の失態かは地検(被疑者の所属先)がどう判断するかだけで決まるということで・・・ まあなんというか「日本における捜査、立件のプロがこう言ってんだからこうなの!」ということですね。私はいい悪いはコメントしませんが。
補足
ありがとうございました。 証拠品として使うかどうか検討するために使用した、検討した結果として証拠品としては当面使わないが直ちに捨てないで保存・保管することにした、保存・保管するのは将来的に証拠として使用するか他の証拠を検討するときの参考になるかもしれないから、役所において「保存しておくという使用」を行ったといえませんか?
お礼
何回もご回答いただき、ありがとうございました!