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TRNOEについて
NMRの勉強している学生ですが、詳しい方、教えて欲しいのですが、NOEとTRNOEというのは何が違うのでしょうか? 細かいことは省きますが、NOEは空間的な相関であってTRNOEは相互作用などしている分子間の空間的な相関と理解しました。 これは、現象的なもの(つまりサンプル次第)がちょっと違うだけで測定(パルスシーケンス)的にはまったく同じことをしているということですか?
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調べてみますと、TrNOEの測定はNOESYにT1ρフィルターを組み合わせた形のパルスシーケンスで行なわれるようです。 それゆえT1ρが短い高分子に由来するシグナルは励起されずスペクトル上に現れません。分子間のNOEも起こりません。 しかし、空間的にBに接近しているAのプロトンは緩和の効率が上がり、緩和時間が短くなるのでシグナルがブロードになりBに接近していることが分かります。
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- Longifolene
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>それともバイディング状態の単なるA分子に見られるNOEをTRNOEと >呼ぶのでしょうか?(分子内?) こちらのことです。 一例として参考URLに酵素存在下の糖のTrNOE測定の結果を挙げておきます。 TrNOEの測定結果から酵素にバインディングされた糖分子の配座を 推定しています。
- Longifolene
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TrNOEは他の分子との相互作用が存在しているときのその「分子内」での空間的な相関を見ています。 他の分子との相互作用があることによって、その分子の立体配座が通常時とは変わります。この通常とは違う立体配座をとっている状態で空間的に近いスピン間に観測されるNOEがTrNOEです。 パルスシーケンスなどは通常のNOEと同じですが、測定している分子は相互作用によって分子量が相互作用相手の分子量との和になった分子のような挙動を示します。それゆえ緩和時間(分子量の大きい分子では短い)やNOEの出方(分子量が大きい分子では負になる)が違うので測定条件やスペクトルの解釈の仕方には違いがあります。
補足
回答ありがとうございます。 「分子内」という定義が少し理解できないのですが・・・ もし、AとBというものが相互作用をしているとして、 NMRを観測した場合、 水素結合などで空間的に近くなったAとBのNOEが見られることを転移NOEというのではないのでしょうか?(分子間?) それともバイディング状態の単なるA分子に見られるNOEをTRNOEと呼ぶのでしょうか?(分子内?)
お礼
ありがとうございます。 追加で質問ですが 前者の方の「水素結合などで空間的に近くなったAとBのNOEが見られることを転移NOEというのではないのでしょうか?(分子間?)」 というのは一般的には見られないのでしょうか? NOEが見れるほど空間的には近くなれないって感じなのでしょうか?