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誰も答えられない線形代数
何回きいても誰れも答えられません 3×3行列の 222 022 002 の広義固有ベクトルを計算式ありで解説してください
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最初に行列が対角化可能で、固有値が3重根になる場合を考えてみます。典型的には添付図冒頭のような対角行列の場合です。これは単位行列Eの定数倍なので、固有空間は3次元の全空間です。任意のu=(x,y,z)が、固有値2に属する固有ベクトルになります。こういう場合でも、互いに独立な3つの固有空間で全空間を直和分解しておくと便利です。すぐに思いつくのは、互いに独立な固有ベクトルとして、e1=(1,0,0),e2=(0,1,0),e3=(0,0,1)を用いる事です。単位行列の定数倍の行列の場合、何でも固有ベクトルになるので、e1,e2,e3が固有ベクトルなのは明らかです。という事はしかし、任意の互いに独立なベクトルu1,u2,u3が張る固有空間でも、全空間を直和分解できる事になります。普通は便利になるようにu1,u2,u3を選びます。一般的にいってたいがい便利なのがe1,e2,e3であろうというわけです(^^;)。このように固有値が重根になる場合には、人間の方で固有ベクトルを選択する必要があります。 問題の行列はいわゆるジョルダンの標準形におけるジョルダン細胞の形をしているので、対角化可能ではありません。このとき固有ベクトルは1本しかなく、3本の固有ベクトルが張る固有空間で、全空間を直和分解できません。そこで根ベクトル空間を定義します(広義固有ベクトル空間)。 Aを行列として、行列多項式φ(A)=A^n+k1・A^(n-1)+k2・A^(n-1)+・・・+kn-1・A+kn・Eを考えた時、φ(A)u=0となるベクトルを、ベクトルuは行列多項式φ(A)で消去されると言います。k1,k2,・・・,knはスカラーです。この用語を使うと、(普通の)固有ベクトルは、 (A-λE)u=0 (1) となり、A-λE=(A-λE)^1で消去されるので、高さ1の根ベクトル(広義固有ベクトル)と言われます。λは固有値です。 (A-λE)^2 u=0 (2) なら、高さ2の根ベクトル、 (A-λE)^3 u=0 (3) なら、高さ3の根ベクトルです。根ベクトル空間の定義は、「(A-λE)^mで消去されるベクトルu全体」となり、(A-λE)の次数mを根ベクトル空間の高さと言います。根ベクトル空間の次元は、その高さに一致します。 いまλ=2の3重根なので、ケーリー・ハミルトンの定理から、 (A-λE)^3=0(零行列) が成り立ち、全空間は(A-λE)^3で消去されます。要するに全空間は高さ3の3次元の根ベクトル空間です。(1)(2)(3)を見れば明らかですが、高さ1の根ベクトルは高さ2,3でもあり、高さ2の根ベクトルは高さ3でもあります。よって3次元の全空間は、 [全空間]=[高さ1の根ベクトル]+[高さ2の根ベクトル]+[高さ3の根ベクトル] の形に分解できるはずです。ただし上記では(1)(2)(3)より、高さ1,2,3の根ベクトルに重複があって直和分解になりません。そこで、 [全空間]=[(A-λE)u=0となる、固有ベクトル] +[(A-λE)u≠0かつ(A-λE)^2 u=0となる、高さ2の根ベクトル] +[(A-λE)u≠0かつ(A-λE)^2 u≠0かつ(A-λE)^3 u=0となる、高さ3の根ベクトル] と「選択すれば」、高さ1,2,3の根ベクトル空間による直和分解になるはずだぁ~!、というわけです(^^;)。これがジョルダン基底の考えです。 具体的な計算手順は、添付図の1),2),3)になります。 1) 最初に全空間から固有ベクトルを選択します。 u=(x,y,z)として普通に固有方程式(A-λE)u=0を解けば、 u1=(1,0,0)で十分とわかります。 u1によって張られる固有空間をV1で表します(明らかにx軸)。 2) 次に高さ2の根ベクトルを選択します。 (A-λE)^2 u=0を解けば良いわけですが、(A-λE)u≠0でもあって欲しいので、 u=(x,y,z)からu1成分を抜いておきます。 それにはV1の直和補空間からuを選べばOKですが、 V1の直和補空間のとりかたは一意ではありません。 ここでは最も簡単にx軸であるV1に直交するyz平面からuを選び、u=(0,y,z)として、 (A-λE)^2 u=0を解きます。 結果は、u2=(0,1,0)で十分。対応する根空間をV2とすれば、これはy軸。 3) 最後に高さ3の根ベクトルを選択します。 (A-λE)^3 u=0を解けば良いわけですが、(A-λE)^3=0(零行列)でした。 よってV1とV2の直和補空間が、求める高さ3の根空間です。 V1とV2はx軸とy軸だったので、V3は簡単にz軸とするばOKです。 u3=(0,0,1)で十分。 計算の各ステップで直和補空間の取り方を単純にしておかないと、直和補空間の選択が次第に複雑化するだろうというのはわかると思います。ここでは最も単純なものを選びました。高さ1の固有空間を除き、広義固有空間は一意には定まりません。人間の選択になります。
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- ddtddtddt
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#1です。#2さんの系統的な選択方法が標準です。この方法は忘れていました(^^;)。
- f272
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A=与えられた3x3行列,λ=2とすれば (A-λE) u1=0 からu1=(1 0 0)^T (^Tは転置行列を表す) ここで (A-λE) u2=u1 とすればu2=(0 1/2 0)^Tであって (A-λE)^2 u2=(A-λE) u1 = 0 かつ(A-λE) u2 = u1 ≠ 0 さらに (A-λE) u3=u2 とすればu3=(0 -1/4 1/4)^Tであって (A-λE)^3 u3=(A-λE)^2 u2 = 0 かつ(A-λE)^2 u3=(A-λE) u2 = u1 ≠ 0 かつ(A-λE) u3= u2 ≠ 0 となる。これで直和分解ができたことになる。 u1が固有ベクトルで,u2,u3が広義固有ベクトルです。 もちろん,この分解は一意ではないことは#1さんの言う通りですが,このようなやり方で広義固有ベクトルを求めていけば J = [u1 u2 u3]^(-1) A [u1 u2 u3] となる。ここでJはジョルダン細胞(以下の形)です。 [2 1 0] [0 2 1] [0 0 2]
お礼
ありがとうございます
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