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拡散方程式について
物理数学のある本で見たのですが、 「東京湾に砂糖を入れたら、瞬時にニューヨーク湾の海水が 少し甘くなる。」とありました。 間違っているかも知れませんが、「これは拡散方程式を解くと 砂糖が光速度を超えて瞬間に拡散し伝達する」ので、現実と矛盾することを ジョークにしている。と自分なりに解釈しました。 そこで、質問ですが、 波動方程式は、DIRACが時間・空間を1次にして、相対論化 してますが、拡散方程式は、同様に相対論化する必要はないのでしょうか? 全くピントが外れているかもしれませんが、自分なりに疑問を持ちました。 よろしくお願い致します。
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マクロの方程式を相対論化することと、マクロな方程式を微視的な理論から導くことは別のことです。例えばニュートン力学やクーロンの法則は量子力学や量子電気力学の古典的極限と考えられますが、これらを相対論化するのに量子論は必要ありません。相対論的力学や相対論的電磁気学は量子力学や量子電気力学よりも前に出来上がっていました。また拡散方程式の時間と空間の微分の階数が違うから相対論化できないということもないと思います。シュレーディンガー方程式だって時間と空間の微分の階数は違います。相対論的な拡散方程式はどうかと言えば私は 1.拡散方程式を相対論化することは必要であるが、 現在、得られていない。将来、得られる可能性 がある。 2.拡散方程式を相対論化することは必要である。 現在、既に得られている。 の中間ぐらいだと思います。拡散方程式と熱伝導方程式は同じ形をしていますが、下記URLで「相対論的熱伝導方程式」が提案されていますが、これが相対論的拡散方程式の候補になりえるのではないでしょうか。
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ランダウの流体力学2に 127. 散逸過程に対する相対論的方程式 という項目があります。 そこの、「特に純粋な熱伝導は・・・」以下の式は、 おそらく相対論的熱伝導方程式なのでは? ただし、式に使われている記号の意味がよく分からないので 私には説明できません。ですが、式の形から、 1階の(空間・時間)微分=揺動項 みたいな形のようです。 #3で、 >相対論的=共変的という条件は、時間変数も空間変数も >同じ階数で微分することを要請するので、 >これと拡散方程式を両立するのは不可能です。 と私は言ってますが、揺動項を手で与えてしまえば 相対論化も可能と思います。 ということで、私の意見は、 >2.拡散方程式を相対論化することは必要である。 > 現在、既に得られている。 になります。
- grothendieck
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oshiete-naが考えていられる波動方程式とはどのようなものでしょう。通常単に波動方程式というと、ダランベールの方程式のことを指すことが多いと思いますが、これは相対論的に共変な方程式です。波動方程式というのはシュレーディンガーの波動方程式のことでしょうか。そうだとすると相対論化したものがディラック方程式と考えてなぜいけないのか分かりません。ただしこれはスピンが1/2の場合です。それ以外の場合は、Klein-Gordon方程式, Majorana方程式, Rarita-Schwinger方程式などになります。
補足
お返事ありがとうございます。 すいません、前回の補足での質問は、取り消させて頂きます。 ご指摘されるまで気がつきませんでしたが、特殊相対論の式が 波動方程式と同じような形なのですね。失礼しました。
- shiara
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皆さん、各人の意見があって、結局何が正しいのか、誰も答えられないのかもしれません。その道の専門家の人に聞くしかないでしょうか。 とりあえず私の見解は、「5.拡散方程式を相対論化することは不必要である。」です。私がそのように考える根拠について述べます。原子炉内の中性子の挙動を求める方程式には、輸送方程式と拡散方程式の2種類があります。拡散方程式は、まさに、濃度差によって中性子が拡散していく現象から求められる方程式ですが、これは厳密に現象を模擬してはいません。厳密な現象を解くには、輸送方程式を解かなければなりません。実は、拡散方程式というのは、輸送方程式を球面調和関数で展開したときの近似に他ならないのです。このような近似による求め方をする方程式は、基本的な方程式とは言えませんので、相対論化する必要はないと考えます。相対論化するのであれば、より厳密な輸送方程式を相対論化するのではないかと思います。ただし、これ以上のことは私も専門外なのでわかりません。
補足
お返事ありがとうございます。 ん~。5ですか? 私は違うような気がします。但し、 根拠は無いです。 No.7 さんの回答を見て思いついたのですが、拡散方程式ではなく 波動方程式の場合は、どうなるのでしょうか?但し、量子化しない場合です。 波動方程式を相対論化する場合(量子化しない)、下記のどれになるのでしょうか? 1.波動方程式を相対論化することは必要であるが、 現在、得られていない。将来、得られる可能性 がある。 2.波動方程式を相対論化することは必要である。 現在、既に得られている。 3.波動方程式を相対論化することは必要であるが、 現在、得られていない。相対論化は不可能。 4.波動方程式を相対論化することは不必要である。 相対論化しても意味がない。しかし、相対論化は 可能である。 5.波動方程式を相対論化することは不必要である。 相対論化しても意味がない。また、相対論化は 不可能である。 6.その他 なお、DIRAC方程式は、1階の波動方程式ですが、量子化してますので除外とします。
- grothendieck
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私もまだちゃんと勉強していないのですが、相対論を考慮することによって拡散の伝播の測度が有限になるというモデルもあるようです
補足
皆様、お返事ありがとうございます。 結局、結論はどうなのでしょうか? 下記のどれになるのか。ご教示頂きましたら幸いです。 1.拡散方程式を相対論化することは必要であるが、 現在、得られていない。将来、得られる可能性 がある。 2.拡散方程式を相対論化することは必要である。 現在、既に得られている。 3.拡散方程式を相対論化することは必要であるが、 現在、得られていない。時間と空間の階数が異なる 等の理由により、相対論化は不可能。 4.拡散方程式を相対論化することは不必要である。 相対論化しても意味がない。しかし、相対論化は 可能である。 5.拡散方程式を相対論化することは不必要である。 相対論化しても意味がない。また、相対論化は 不可能である。 6.その他 なお、相対論化とは「相対論的に共変な方程式」を作ることです。
- shiara
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拡散方程式は、「物質の移動量は濃度勾配に比例する」というフィックの法則に基づいています。これは経験則ですから、非相対論的レベルでのみ適用できるものと思われます。
>では、永遠に >「拡散方程式を解くと砂糖が光速度を超えて瞬時に拡散し伝達する」 >問題は解消できないのでしょうか? そんなことはないでしょう。 拡散方程式はそもそも連続極限で理想化したものです。 離散な変数のまま取り扱えば、数直線上で時刻t=4なら、 →→→→ と最大でも4しか動けません。 ただし、速度は1です。 しかし、連続・離散と相対論は本来無関係なはず。 いまいち関係がよく分からないですね。
なるほど、ではこんな理屈はどうですか? 物理的に拡散方程式とは何か、ということの答えを 私は知らないので、その本質は不可逆的な時間変化にあると捉えます。 言い換えると、不可逆な時間変化を与えない拡散方程式というのは無い、ということです。 相対論的=共変的という条件は、時間変数も空間変数も 同じ階数で微分することを要請するので、 これと拡散方程式を両立するのは不可能です。 ところで。 拡散方程式はそもそもボルツマンから導けるものではなく、 現象論的方程式のような気がしてきました。
補足
お返事ありがとうございます。 >相対論的=共変的という条件は、時間変数も空間変数も >同じ階数で微分することを要請するので、 >これと拡散方程式を両立するのは不可能です。 では、永遠に 「拡散方程式を解くと砂糖が光速度を超えて瞬時に拡散し伝達する」 問題は解消できないのでしょうか? それとも、「相対論的に共変な方程式」は、得られないので「相対論的効果を考慮した方程式」を使い、だましだまし 計算するしかないのでしょうか? もし、そうでしたら、中~途半端で、嫌ですね。 でも、現実には、拡散も光速度以下で伝達しているので、相対性理論の要請すなわち、「相対論的に共変な方程式」であるような気がしますね。
- grothendieck
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完全な回答でなくて申し訳ないのですが、「相対論的効果を考慮した方程式」と「相対論的に共変な方程式」は違うものではないでしょうか。例えばスピン軌道相互作用がなぜあるのかはディラック方程式に拠らなければ分かりません。しかしシュレーディンガー方程式にスピン軌道相互作用を付け加えると、スピン軌道相互作用によるスペクトルなどを現象論的に説明できます。つまり ディラック方程式=「相対論的に共変な方程式」 スピン軌道相互作用+シュレーディンガー方程式 =相対論的効果を考慮した方程式 ということです。ご質問は拡散方程式を相対論的に共変な形にする必要はないのかということではないでしょうか。
http://search.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c1%ea%c2%d0%cf%c0%b8%fa%b2%cc%a4%f2%b9%cd%ce%b8%a4%b7%a4%bf%b3%c8%bb%b6&hc=0&hs=0のpdfの下の方に出ています。 しかし、共鳴電子のピッチ角ってのはなんでしょうね? 独力で出そうともしましたが失敗しました。 せっかくなので書いときます。 相対論的ボルツマン方程式は次の(8.2.36) http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/lectures/cosmology/webfiles/cosmology-web/node137.html fをP_μで積分したものが拡散方程式になるはずです。 ・・・と思ったのですが、その前に、 非相対論でボルツマンを積分したら 拡散方程式が出てくるのか? 衝突断面積は定数(剛体球近似)するとして。 あと、速度vの等方性も仮定するかもしれません。 しかし、これも失敗。 この方針でいいかどうか御存じでしたら、教えて下さい。
お礼
お返事ありがとうございます。 現在、相対論的な拡散方程式は存在するようですね。 参考図書を見て、自分なりに考えてみます。 改めて、質問しますので、その際もよろしくお願い致します。