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運命、天命、宿命 という用語について
昔、新聞に占い師のインタビューが出ていて、 「運命にも、変えられない天命と、変えられる宿命がある」 てなことを言っていた記憶があります。 変えられない方は、~~家の長男として生まれた、というようなもの。 変えられる方は、あきらめずに努力を続けて何かの成果を成し遂げること。 みたいな。 そこで質問したいのは、この哲学自体ではなく、用語です。 上に紹介した「運命、天命、宿命」という用語は、この順で正しい納まりかどうか、です。運命=天命×宿命 ??? 3つの用語は、辞書ではほぼ同じ意味が書いてあり、私には区別がつきません。
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- eroero4649
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宿命は本来は「しゅくみょう」と読むようで、仏教用語ですね。「生まれる前から定まっている人間の運命」とあります。仏教用語としての宿命は「生前から決まっている運命」ということのようです。 天命は「天帝からの命令」というのが中国語における最初のニュアンスだったようです。神様からの命令という感じですね。他の方も例えに出していますが「政治家になるのが私の天命である」といえば、自分が政治家になるのは神からの命令だというようなことでしょう。 このどちらにも当てはまらない汎用性の高い言葉が「運命」ということでしょうね。 なので私は他の回答者さんと違って、その占い師の「変えられない天命」という使い方には少し違和感を感じます。天命というのは天から与えられた使命ですから、変えられるとか変えられないとかそういうものではないと思います。 そして「変えられる宿命」ですね。「宿痾(しゅくあ)」という言葉がありまして、これは治らない病気のことを指します。「同調圧力が強く、出る杭を打つのは日本人の宿痾である」というような使い方をします。「痾」が病気の意味なので「宿」には離れないという意味があるんですよね。「宿便」なんて言葉もありますしね・笑。なので私は、「宿命」に「変えられる」というニュアンスを持たせるのは誤用なのではないかなという気がします。 なのでより言葉に正確に使うなら「命運には、変えられない宿命と、変えられる運命がある」ではないかなと思います。 ただ、命運には変えられない宿命と変えられる運命があるでは「命運と運命は何が違うの?」と分かりやすさに欠けてしまいます。言葉のインパクトが弱いですよね。言葉はそれぞれに違っていて、しかもできれば「~命」と韻を踏みたい。韻を踏むと言葉にリズム感が生まれますからね。 なのでまあ、キャッチフレーズみたいなものではないかなと思います。ひらたくいうと「未来は変えられない部分と変えられる部分がある」ってことですが、ちょっと知的な言い回しをしたほうがなんか「おー。含蓄ある言葉だ」って感じます。「エッチ、スケッチ、ワンタッチ」っていわれたときに「触られたからエッチとワンタッチは分かるけど、スケッチってどういう意味やねん?」と聞いてもしょうがないみたいなもんです。
- g27anato
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一般的には「運命」と「宿命」との二つに、大きく分けて捉えられています。 そこに「天」という宗教的概念を持ち込んだのが「天命」と称されるものです。 「宿命」 生まれた時から自分の意思に関係なく定まっていて、変えることができないものを「宿命」と言います。 例えば生まれた時の「性別」や「親」、「場所」が、「宿命」に該当します。 「運命」 自分の意思や言動などが関係して現在に繋がっていると考えられる事柄を「運命」と言います。 例えば「職業」や「事故」「家庭」など、生活 に関連する殆んどの事柄が「運命」とされます。 「天命」 「運命」「宿命」とは別に、 「天」による何かが加わえられていると捉えた事柄を「天命」としています。 例えば、政治家などが「これは私に与えられた天命でございます。」などと選挙演説で叫んだりするように、 本人の意思とは関係なく天による定めなのだとする事柄を「天命」と表現してます。
お礼
私の思っていたのとは違う分類法ですね。 そのことが興味深いです。 ありがとうございます。
- ichikawa2017
- ベストアンサー率54% (452/836)
>「運命、天命、宿命」という用語は、この順で正しい納まりかどうか、です。運命=天命×宿命 ??? 運命、天命、宿命のいずれも極めて抽象的な言葉ですので絶対的に正しいということはありません。 質問者さんがこう考えると言えばそれはそれで正しいということになります。 同じように質問者さんが昔新聞でごらんになられた占い師にとってはそれなりに正しいということになります。 >3つの用語は、辞書ではほぼ同じ意味が書いてあり、私には区別がつきません 明治時代に欧米語の fate、destiny predestined を翻訳する際に運命、宿命という熟語を借用としました。 この結果欧米語の定義と中国語である熟語の意味が重なり広い範囲の概念を表す言葉として使われるようになりました。 天というのは古代中国特有の概念を表す言葉でした。 時代とともにその概念が変わりました。 一般の人向けの辞書などではこれ等の複数の意味を由来や時代を無視して掲載しますのでどれも同じような説明になってしまいます。 これが宗教、哲学など特定の専門分野の辞書であればそれぞれの思想に基づいて定義をして記載しますのでそれはそれで明確に区分されて説明されます。 ただし、専門用語としての説明になりますので日常的な感覚とは違ってきます。 あるいは、キリスト教での定義は仏教には通用しないということが起きてきます。 ということですので質問者さんが釈然としなかったのはやむを得ません。
お礼
回答をありがとうございます。おっしゃる通りですね。 天は中国の概念で、元々は空を表していたのでしょうが、やがて超越的絶対者の意に転じたのでしょう。とすれば、それが決めた人生の筋書きは変わらない、他の物は変えようがあるとなり、記憶通りでよいのかもしれません。ふつうまとめて一言「運命」と言っていますからね。 ただし、私は釈然としなかったのではなく、どの用語がどう並ぶのだったか想起したかったのです。が、これで少し確信が持てそうです。
お礼
命運という新しい用語が出てきました。 これも興味深いです。 ありがとうございました。