- ベストアンサー
忘れてまどろむ夜もなし
黒沢明『乱』の中で、 「(苦しみを)忘れてまどろむ夜もなし」というセリフが出てきます。 ここで言う「夜もなし」の「も」は、 「昼には勿論ないが、夜さえもまどろむことができない」の「も」と捉えてよいでしょうか?
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
専門家ではありませんが… 質問の解釈で概ね合ってると思います。 セリフでは比較対象であろうと推認される日中(昼あるいは朝、夕)は省略され、より微睡めると常識的に考えられる「夜」を主語としてます。 比較対象を省略したことで「日中と夜の比較説明」も当然ながら省略されてます。 一切の説明を省き、必要最低限の単語で構成された文章です。 『(日中よりは)微睡む(筈の)夜(さえ)も無い。』 …転じて、 『夜さえもまどろむことができない。』という苦痛を示し心情を吐露してるのは確かなので、 質問の解釈で良いだろうと思います。 以下に屁理屈を少々加えます。 …質問のセリフは「夜」が主語で、述語の「ない」を「も」で接続してますが、 比較結果を強調する「さえ」に並列を示す「も」を加え、その上で強調を示す「さえ」を省略したことにより、 「も」だけで強調も兼ね示す単語に入れ替わってます。 全ての事情を「も」という単語に集約したことで、 一切の説明抜きで、より端的に心情を訴えるセリフになったと考えてよいでしょう。
その他の回答 (3)
- double_triode
- ベストアンサー率26% (520/1996)
ご返事ありがとうございます。じつは私も,辞書の「動作性名詞」には引っかかっているのです(笑)。たんに「名詞」でいいのではないか。 ここでは,「夜」ではなく「まどろむこと」を強く否定したいので,動作性名詞といってもいいのかなあ? と思った次第。ここの意味は「夜にまどろみもせず」と同じです。これなら動詞についたことになります。 「深夜の路上には人影<も>ない」, 「深夜の路上を歩く人<も>いない」, 「深夜の路上を人が歩き<も>しない」。 これらは同じ文意であり,みな強い否定と結合する<も>でしょう。 あなたが書かれている「昼には・・・」という解釈,すなわち「昼も夜も」という並列の「も」という解釈は,私はとりません。「ふつう夜には眠たくなるものだが,それさえない」と強調する文意であり,昼のことには言及していないと思います。
お礼
なるほど、昼にはねないのが普通?ですかね。 近頃と昼寝がしたくなる私情に流れているかもですね(笑)
補足
まちがえました。 誤:近頃と昼寝が 正:近頃やたらと昼寝が
- double_triode
- ベストアンサー率26% (520/1996)
お礼
出典まで丁寧にありがとうございます。
- double_triode
- ベストアンサー率26% (520/1996)
国語辞典 で係助詞「も」をひくと, ーーーーーーーーーーーー部分引用 3 全面的であることを表す。 (イ)動詞の連用形や動作性名詞に付き、打消しの語と呼応して、強い否定の意を表す。「思いもよらぬ話」「返事もしない」 ーーーーーーーーーーーーー だろうと思います。動作性名詞「まどろむ夜」に「も」がついて強調しているのであって,「夜」についているのではないと,私は考えます。
お礼
回答をありがとうございます。 動詞の連用形=「思いもよらぬ話」 動作性名詞=「返事もしない」 ではありますが、 「まどろむ夜」がこれらに当たるかどうか、微妙ですね。 に付き、打消しの語と呼応して、強い否定の意を表す。
お礼
「夜さえもなし」の「さえ」を省略した形、と見るわけですね。 そう言われてみれば、そのようにも思えてきました・・・。