暗号の歴史はとても古く、敵に解読されない暗号を開発することと敵の暗号を解読する努力は人類の歴史上ずっと繰り返されています。興味があればサイモン・シンの「暗号解読」と言う本は多少技術的なところはありますが、サスペンス仕立てで面白いので読んでみてください。
暗号解読は国家事業で、コンピュータの開発も世間一般で世界初とされるアメリカのEniacよりも早く、イギリスのMI6 (007で知られる)がドイツが誇るエニグマ暗号装置の暗号を解読するためのコンピュータを開発、使用していたことが近年わかっています。せっかく解読しても解読できたことが相手に知られてしまえばその暗号が使われなくなるので、仮に嘘の情報を流したとしてそれを信じたとしてもそれに直接反応するようなことはしないでしょう。
他の先端技術開発と違って、世界初の先端技術が実用になっていたとしても公表されることはないし、ましてや特許を取ることも無いので我々の知らないとんでもない技術がすでに開発されている可能性もあります。
ただ、歴史の中では嘘の情報を巧みに使った例があります。これは暗号とは直接関係なく、欺瞞作戦と呼ばれる二重スパイなどを使った偽装作戦。第二次世界大戦で大成功を収めたのが、ノルマンディー上陸作戦の上陸先に対してドイツが誤認するような偽情報を流し、偽装上陸先に向けてゴムで作った偽の戦車を集結させ、ドイツ軍の偵察機に航空写真を取らせ、偽の作戦本部を作ってそこに忍び込んだドイツのスパイ(実はイギリスの二重スパイ)に偽情報を流させ、結果的にドイツ軍のノルマンディーの守備が希薄になり海岸防衛部隊を別の地域に集結させて、ノルマンディを連合軍に突破されてしまったと言う事です。
無防備な海上を船で続々とやってきて海岸から銃弾と砲撃の中を上陸する作戦ですから、陸地に十分な兵力があればいくら上陸部隊の人数が多くても防衛はそんなに難しくないはずで、この一世一代の嘘が失敗していたらその後のヨーロッパはどうなっていたかわかりません。
こう言ったことは、時間がたって国家機密上価値がなくなってはじめて明るみにされるので、リアルタイムで知ることはできません。嘘が許されなかったなんてことは無く、情報戦は昔から相手をいかに騙すかと言うことも大事でした。
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