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歯たけ一定方式の転位歯車の干渉問題とは?
- 射出成形のプラスチック歯車において、歯たけ一定方式の転位歯車が干渉問題を引き起こす可能性があります。
- 歯たけ一定方式では、転位を行うと頂げきが小さくなり、歯元Rと相手歯先が干渉する可能性があります。
- 転位歯車の問題を解決するためには、頂げきの大きさと歯切の基準ラックの歯先Rを考慮する必要があります。
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上記の情報では干渉の可能性があるとしかいえないと思います。 仰られております歯車は平行軸の歯車対(インボリュート)で以下の条件と想像しております。 ・転位=負転位 ・歯切りの基準ラックの歯先R=ラック形工具の刃先R ・歯元R=歯元隅肉曲線 まず簡易的な確認として、?任意の中心間距離での基礎円筒間の接平面(作用平面)上の歯先円筒とインボリュート開始円筒との関係を確認してください。 その後、?運転時に相手歯車歯先の描くトロコイド曲線と歯元隅肉曲線とを比較し、干渉の有無を確認されるのがよいかと思います。 市販の歯車設計ソフトでもある程度その確認はできるのではないでしょうか。 射出成形での歯車製作とのことですので、歯元の隅肉曲線はいかようにでも形状の作りこみが可能でしょう。ここには各社のノウハウがあるかと思います。 もちろん上記は机上での幾何学的な検討のみのため、実製品には用途に合せて、歯車の形状誤差や、組立時の誤差、負荷時の変形等を考慮の上、干渉設計を行うことをお勧めします。 補足情報のご提供ありがとうございます。 さて、考え方としまして >例えばA対c組み合わせの場合、頂げきが0.2292なので、0.25-0.2292=0.0208の長さだけトロコイド曲線部がかみ合ってしまうと思います そういうわけではございません。 平行軸外歯車同士の動力伝達は2つの基礎円筒間でA基礎円筒に巻きつけられている糸を、Aの回転によりほどきながら、且つたるむことなくc基礎円筒が逆回転で巻き取るという運動でモデル化出来ます。(小原歯車のHP等をご参考にすると理解しやすいかと思います) 歯車対の噛合い部の軌跡は、その糸が描く直線に沿ってA歯車の歯元から歯先へと移ってゆきます。 つまり、その軌跡上でA歯車とc歯車のインボリュートが形成されていることが第一条件です(前述の?)。 また、上記の軌跡上以外の部分での隅肉と歯先との干渉もよく起こり得る問題です。噛合い終わった歯先がトロコイド軌跡を描き離れてゆく際に相手歯元隅肉に乗り上げるようなイメージ(前述の?)。当方ではこの隅肉とトロコイドの隙間について逐次計算によって検討しておりますが、ここで製造誤差等の影響によりどれだけのクリアランスが必要か?等が各社のノウハウと思います。 上記を確認すれば噛合い時の干渉有無を確認できるのではないかと思っております。拙い文章で申し訳ない、うまく伝わっていればよいのですが。。。 また、ここではバックラッシゼロとのことですので、動力伝達(ドライブ)側歯面とその逆(フォロワ)側歯面の両方についてのご検討をお勧めします。 以前(3~4年前?)当方もそういったツールがないか探したことがありますが、そのときは当方の要望に合うソフトを探し当てられませんでした。 ので、自前でソフトを作成してしまいました。中身は開示しかねますがそんなに難しい事は行っていません。相手歯車の歯先の描くトロコイド軌跡を計算、描画させ、最終的にはCAD上でクリアランス算出をしています。 もしかすると、ピニオンカッタ(相手歯車諸元を模した)での工具軌跡から割り出した歯形との比較で干渉有無を確認できるかもしれませんが。 さてソフトのご紹介ですが、アムテック殿のソフトですとGear Navigation Systemでご要望のようなことができるようです。1M¥となかなかなお値段ですが、一度ご相談されてはいかがでしょうか。
お礼
親身なご回答、感謝します。 ご指摘の通り、歯車のかみ合いは、かみ合い線上で始まりかみ合い線上で終わるべきです。強度上の理由から歯元に最大Rを付与することはプラスチック業界では頻繁に行われますが、このことがかみ合い線上で終わるべきかみ合いを、そうではないかみ合いにしてしまっていると懸念しています(かみ合い線上にインボリュートではない形状を無理矢理形成している)。さて、御指摘では"0.25-0.2292=0.0208"といった単純な計算ではなく、逐次計算が必要とのことですが、市販されているソフト(アムテック製、KHK製など)ではそのような計算機能は無かったかと思います。市販でそのような計算ができるソフトがあればご紹介いただけますでしょうか。重ね重ね恐縮ですがよろしくご教授お願いいたします。 大変ありがとうございます。ヒントを沢山いただきありがとうございました。どうするかじっくり検討してみます。Gear Navigation Systemもカタログを見てみました。アムテック様に詳細を問い合わせてみます。 ここまで導いていただき本当にありがとうございました。
補足
ありがとうございます。転位に関しては正転位であっても負転位であっても頂げき(クリアランスは)は無転位に比較して小さくなるのが一般的と思います。具体的な計算例を示します。 ・駆動側ギヤA諸元を以下とします A: z=40、m=1.0、転位係数=0、歯たけ=2.25 ・従動側ギヤとして以下3種類(a、b、c)を組み合わせたとします。 a: z=40、m=1.0、転位係数=-0.5 b: z=40、m=1.0、転位係数=0 (駆動側と同じ) c: z=40、m=1.0、転位係数=+0.5 バックラッシがゼロとなるように中心間距離を設定した場合、各組み合わせの頂げき(クリアランス)は以下のように計算されます。計算はアムテック製インボリュートΣを用いました。 A対a頂げき=0.2224 A対b頂げき=0.25 A対c頂げき=0.2292 特殊な例は分かりませんが、転位をすれば正であろうと負であろうと頂げきは無転位に比較して小さくなります。このとき、歯元隅肉曲線最大Rが付与されている(実際にはラック形工具の刃先Rが最大である0.375mである刃先によって描かれたトロコイド曲線です)場合、歯元で干渉が起きてしまうかどうかの、理論的な考え方が理解できていないということです。説明がへたくそですみません。2.25の全歯たけのうち、歯先から2.0はインボリュート曲線ですが、歯元の0.25はトロコイド曲線ですよね。こうした場合、例えばA対c組み合わせの場合、頂げきが0.2292なので、0.25-0.2292=0.0208の長さだけトロコイド曲線部がかみ合ってしまうと思います。(間違ってしまっているかもしれませんが。。。)0.0208の部分は干渉しながらかみ合っているのかどうかというのが私の疑問です。長文で申し訳ありません。