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インコネルの多層盛金で発生する液化割れの原因と対策
- インコネル718の多層盛金において、線材φ1.2?を利用したMIG溶接(パルスアーク)にて下層のインコネルに液化割れが発生している。入熱を少なくするために電流や電圧を下げ、溶接速度を早く設定しているが、それでも割れが発生している。
- ただし、入熱だけを下げるだけでは解決しないため、他の原因も考慮する必要がある。また、溶接速度を早くすることが必ずしも解決策ではないという説もあるが、その理由は不明。
- この問題について、解決策を教えていただきたい。
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Tensile Strengthが常温で1200MPaもありYield Stressも1000MPaありますのに Elongationが約20%位しかありません。これは高温の強度を高めるために母材をSolid Solution Treatment後に718℃位で、Precipitated Hardningしている 為と考えられます。時効処理することにより、Ni3Nb(δ相), Ni3(MoNb) (Laves相), Ni3(AlTi)(γ相), の析出硬化化合物の粒内、粒界などへの析出や Cr, Mo,Nb, Ti,などのCarbideの粒界析出がなされているためと思われます。 このため延性低下が著しく、多層盛溶接によりHAZ及びWeld Metalの析出硬化が 更に進むと考えられます。 肉盛量が多い場合は、 母材の延性確保が最優先されるべきで、As Receivedの侭ですと延性が不足して、割れが発生すると思われます。 1066℃での固溶化処理をお奨めします。 溶接は今までとおり低入熱溶接でよいと思います。低入熱溶接は当然前に置いたBeadのHAZへの熱影響は少なく結晶粒の粗大化を防ぐことが出来ます。 Grain Sizeが粗大化しますと、粒界の析出物の量が増加して、割れ易くなります。 従って、Stringer Beadが好ましく、Weavingは避けるべきかと思われます。 この場合Interpass TemperatureのControlが必要で、100℃以下が好ましく連続溶接は避ける必要があります。 あくまで母材やWeld Metalの延性確保が必要です。 溶接後強度が必要な場合はPH処理を施せば良いと思いますが、しなくても高温で使用中に析出効果は為されると思います。 以上
お礼
詳細なご説明有難うございます。 今までウィービングで盛金していましたが、ストリンガービードでパス数を増やしてやってみます。