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真核生物における遺伝子調節たんぱく質の働きについて。

今、大学1年の生物学(1)で遺伝子調節の事について、勉強しています。 遺伝子調節たんぱく質の働きについて、細菌については理解できたのですが、真核生物の方がよくわかりません。 組み合わせによる調節がおこなわれている、というのはわかります。 ですが、『その組み合わせによって多様な細胞が作られる』 とはどういうことでしょう? 教科書には例題として 『皮膚の組織由来の線維芽細胞がMyoDによって筋芽細胞ように融合を始め筋細胞に似た細胞を形成する』 というものが掲載されていました。 仕組みとしては理解できなくもないのですが そもそも、遺伝子調節たんぱく質は、RNAポリメラーゼの効率性や最適条件で転写できるか否かを左右するものではないのですか? また、細胞の性質は遺伝子の配列によってきまるのであってどうして、そこに遺伝子調節たんぱく質が関わってくるのでしょうか? もしかしたら、簡単な事なのかもしれませんが、 どうしても分からないので、教えていただけたらうれしいです。

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  • ベストアンサー
  • kokichi
  • ベストアンサー率43% (19/44)
回答No.1

transcription factorは、基本的にRNAポリメラーゼの効率性や最適条件で転写できるか否かを左右ものですが、実際にはある転写因子と相互作用してして転写因子の機能を間接的に調節するものもあります。 細胞の分化に関しては、遺伝子配列によってのみ決まるものではありません。基本的には同じ人の脳細胞と胃の細胞は同じ遺伝子のセットを持っています。しかし、脳細胞に分化するには山ほどある遺伝子のうちのある特定の遺伝子セットの発現が必要となります。したがって遺伝子発現の制御は細胞の分化にとって非常に重要なイベントであります。 原理的には、脳細胞は胃の細胞になるための遺伝子セットを発現すれば胃の細胞になることができます。しかし、残念ながら今のところ脳細胞を胃の細胞に変えることは成功していません。未分化の胚細胞(ES細胞)はうまくコントロールしてやるといろいろな細胞に分化できる性質を持っています。植物では、比較的簡単に葉の細胞を根の細胞にしたりすることができます。この場合も未分化の細胞の状態を経ることになりカルスと呼ばれています。

aitatata
質問者

お礼

転写因子と調節たんぱく質との関係性を考えていませんでした。 発展的な内容を含め詳しいご説明、ありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • Freeuser
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回答No.2

私たち人間は真核生物、特に多細胞生物です。約60兆個の細胞からできていますが、眼の細胞、脳の細胞、筋肉の細胞、毛根の細胞、血液の細胞(赤血球など)、どれをとっても形や性質が違いますね。この性質の違いを決めているのが、その細胞の中で作られているタンパク質です。 全ての細胞に含まれる遺伝情報は同じです。違うのは、どの組み合わせで遺伝子を発現しているか。 遺伝子調節タンパク質は、DNAに直接結合して転写を阻害したり促進したり、間接的にDNAやRNAポリメラーゼに作用して転写を阻害・促進するものなどがあります。 つまり、あるタンパク質を作るか作らないか、どれくらい作るか、などは調節タンパク質が制御しています。 例えば発生の途中、ある未分化の細胞があって、何らかの刺激によって転写調節因子Aが活性化したとしましょう。 Aは、さらに転写調節因子B、Cの発現を促進します。と同時に、自分自身(A)の発現も促進します。(これは正のフィードバックで、自分自身の発現促進は、細胞分化の過程で間違って後戻りしないようにするためです。) これらの調節因子は単独で、もしくは組み合わせで、神経細胞特有のタンパク質の発現を促進します。 と同時に、別の調節因子Dと共同で、神経細胞では発現してはいけないタンパク質の発現を抑えます。 ・・・ところで、筋肉の細胞では同じ調節因子Dが、他のEやFとの組み合わせで筋肉特有のタンパク質の発現を促進しているかもしれません。 このように、調節タンパク質の組み合わせにより、発現するタンパク質のパターンが決まり、細胞の運命が決まるのです

aitatata
質問者

お礼

調節たんぱく質の仕組みがよくわかりました。 調節因子が固まって発動するという意味自体をよくりかいできていなかったようです。 丁寧でわかりやすい解説をありがとうございました。

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