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音の受け取り方の文化差の要因について
- 音の受け取り方には文化や地域による違いがあります。犬の鳴き声やカラスの鳴き声など、言語や方言、時代の差によって聞こえ方や表現が異なります。
- 例えば、日本語では犬の鳴き声を「ワンワン」と表現しますが、英語では「bowwow」となります。同様に、方言でもカラスの鳴き声は地域によって異なります。
- また、時代の差も影響しており、奈良時代ではカラスの鳴き声を「コロ(ク)」と表現していました。同じ国でも時代によって音の受け取り方は変化するのです。
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ご指摘の「音の受け取り方の違い」は日本国内だけでも地域的・あるいは歴史的に大きな差があります。野鳥の鳴き声について、柳田國男は「野鳥雑記」(初出1928年~)の中で全国各地の実例を紹介したうえで、雀について以下のように述べています。(以下引用は青空文庫・ふり仮名など一部表記を改変) http://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/52946_50716.html 鳥の声などはいかようにも聴かれる上に、人が一たび名を付け聴きようを定めてしまうと、後にはかえってその方に引付けられることは、梟の方言の諸国それぞれに異なるのを見てもわかる。近代の都会の子供は、「雀はちゅうちゅう忠三郎」 などと唱えて、大抵チュウと啼くことにしているが、自分の生れた播磨ではチュンチュン、福島県以北ではチンチンと聴くのが普通で、その形容がやがては小児の間に、雀の名詞として通用することにもなったので、ジヤッチクラはまたその一つの例というまでであった。現に同じ香取郡の一部から、隣の匝瑳郡にかけて別にまたジチリュウ、もしくはジチリという名もあったことが、鳥学会の方言集には見えている。 なお地方のこれに似た例を挙げるならば、 チンチラ 羽後田沢湖付近 チンチ 信州佐久及諏訪 チュウスケ 讃岐仲多度郡 チンチン 肥前北松浦郡 ツンツン 同 大島 シュウメ 同 五島三井楽 シュイメ 同 上岐宿 シーナギ 常陸稲敷郡 スズネメ 同 久慈・多賀 (引用終わり) また歴史的な変化については、「犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬音語・擬態語が面白い」 (山口仲美著 光文社新書 2002年)という新書に詳しく取り上げられています。この書籍名にもなっている犬の鳴き声の変化(ビヨ(ビョウビョウ)→ワンワン)については、「犬自体の吠え声の変化を写し出している」(犬の飼われ方の違いによって、江戸時代以降に野生に近い遠吠えの鳴き声から飼い犬特有の鳴き声に変わった)のではないかという興味深い指摘がなされていました。 また同書では雀の鳴き声について「室町時代までは「しうしう」と聞いていた」、とあり、柳田が紹介している「シュウメ」や「シュイメ」という雀の方言名はこの古形を残しているのでしょう。 日本では昔から雀は「チュンチュン」と鳴いていたわけではなく、全国各地で様々な鳴き声で鳴いている(と聞かれていた)ものが、たまたまある時代には「しうしう」がまた現在は「チュンチュン」または「チュウチュウ」が標準的な鳴き声(?)となっているということだと思います。柳田は次のように述べています。(以下引用) 最初はただ小児等の不完全なる形容の差異が、地方地方に偶然の変化を与えたので、その中の一つが夙(はや)く文献の支援を受けて、標準語の地位を占め他を改訂する力を具えるにいたって、ここに始めて永く活きる言葉と、次々に変って行く言葉との、二段の差別が生じたというのみで、それだけではまだ古さ新しさの標準とするに足らず、一つのある処には他の一つがなかったという証拠にもならぬかと思う。(引用終わり)
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- SPS700
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40年ほど前『日本人の脳』という本が出て、日本人と西洋人は千合という風潮に乗って、一頃はやりました。 でも、外国語圏に移住した日系人のことが抜けていて、立ち消えになりました。音の受け取り方の違いは、単なる地域と時の違いからくる習慣の差だと思います。
お礼
回答ありがとうございました。 ご紹介いただいた本も、調べてみたところなかなか面白そうだったので、ぜひ読んでみたいと思います。 ありがとうございました。
- g27xxxxx
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脳の中の言葉を理解する部分が、 耳から入って来た音を自分が理解できる言語の発音に置き換え、翻訳してると考えてみては? 犬の発声は唇を使いません、というか使えません。 実は口の開け閉めに伴って「ゥアゥアゥ」としか発声してません。 そして声帯のせいで、低い音や太い音を発する犬の声は、音が少し濁って聞こえます。 それで「ゥア」が欧米人には「「Ba」や「Wa」、 日本人には「ワ」と聞こえ、 「ゥ」が欧米人では「w」に聞こえ、 日本人には「ン」と聞こえるのでしょう。 耳から入って来る音自体は欧米だろうが日本だろうが、どこの地方だろうが同じと考えて良いです。 それを言葉にする時は、自分が理解しやすい使用言語に変えるるよう、 脳内の言語変換機能が最初からPCのように自動設定されてると、 そのように考えれば良いのではないでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。 聞こえた音を自分の言語で置き換えているから表現が変わってくるのですね。 時代的に言っても、昔の日本語は今とは大分音が違っていたようなので、同じなのですね。 ありがとうございました。
- sutorama
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みなさんの答えと少し違いますが 引用ーーー 人間の脳は右脳と左脳とに分かれ、それぞれ得意分野がある。右脳は音楽脳とも呼ばれ、音楽や機械音、雑音を処理する。左脳は言語脳と呼ばれ、人間の話す声の理解など、論理的知的な処理を受け持つ。ここまでは日本人も西洋人も一緒である ーーーーー いろいろな音で、左脳と右脳の違いを調べると、音楽、機械音、雑音は右脳、言語音は左脳というのは、日本人も西洋人も共通であるが、違いが出るのは、母音、泣き・笑い・嘆き、虫や動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎ、邦楽器音などは、日本人は言語と同様の「左脳」で聴き、西洋人は楽器や雑音と同じく「右脳」で聴いている ーーーーー いろいろな音で、左脳と右脳の違いを調べると、音楽、機械音、雑音は右脳、言語音は左脳というのは、日本人も西洋人も共通であるが、違いが出るのは、母音、泣き・笑い・嘆き、虫や動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎ、邦楽器音などは、日本人は言語と同様の左脳で聴き、西洋人は楽器や雑音と同じく右脳で聴いていることが分かった ーーーーー 猫は「ニャーニャー」、牛は「モーモー」、豚は「ブウブウ」、小川は「サラサラ」、波は「ザブーン」、雨は「シトシト」、風は「ビュウビュウ」 ーーーーー つまり、日本人は自然界の「声」を左脳(言語脳)で聴き、言語として処理する 西洋人は自然界の「音」を右脳(音楽脳)で聴き、音として処理し、表現するそうです
お礼
回答ありがとうございます。 新しい視点をいただき参考になりました。脳の作りの面では日本の中の時代差はあったりするのか気になりました。 ありがとうございました。
補足。 >(ネコが)のどを「ゴロゴロ」・・・肋骨の近くで発生している低周波振動 ぼくらヒトでも,胸に手をあてて「咳払い」をすれば,この振動を感知することができます。しかし,このような発声方法や音域(周波数が低すぎてヒトには聞こえない)は,会話には使っていません。ヤクザがすごむときに使うと面白いのですがね 笑。だから,いかなるヒトの言語でも,ネコの喉鳴らしは表現できないのです。ヒトが発声できる「ゴロゴロ,purr」は,なんとか許容範囲なので公認されているのでしょう。 いっぽう,ネズミの「チュウチュウ,キイキイ」は,正確には100kHzもの超音波域に達しています。ヒトはソプラノ歌手でも,声域は基音でせいぜい1kHz,高調音を含めても10kHzくらいまでなので,絶対にネズミの鳴き声はだせないのです。キイキイは,ヒトどうしが会話するための便法にすぎません。
お礼
補足ありがとうございます。
言語は「約束事のある記号体系」なので,ちいさくは1つの家庭,おおきくは1つの国家の構成員が,「あるもの」をおなじコトバで表現しないとお互いに意志疎通できません。 たぶん,カラスが「カアカア」と鳴くということは,たまたまだれかが言い出して,周囲のみんなも「そりゃあいい」と使い出して約束事になった。じっさいには,鳴き声は個体によってもちがうでしょうし,繁殖期などには独特の鳴き声をだすでしょう。それでも「カアカア」という記号でひっくるめて表現しても通じる。べつの地域では,言い出しっぺが「カラスはクワクワと鳴く」と主張し,それが認知されただけの違いでしょう。 猫 (萩原朔太郎) まつくろけの猫が二疋、 なやましいよるの家根のうへで、 ぴんとたてた尻尾のさきから、 糸のやうなみかづきがかすんでゐる。 『おわあ、こんばんは』 『おわあ、こんばんは』 『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』 『おわああ、ここの家の主人は病気です』 青空文庫から引用 http://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/859_21656.html これは発情期の鳴き声です。詩人としては,「にゃ~お」という記号をあえて拒否し,聴いたままを記述したのでしょう。ネコを飼育してみるとわかりますが,気分によっていろいろな鳴き声をだします。のどを「ゴロゴロ」鳴らすというのも,ぼくはかなり間違った表現だと思っており,もっと下部の肋骨の近くで発生している低周波振動です。
お礼
回答ありがとうございました。 新しい例を教えていただき、参考になりました。ただ、一つの文化内で一つの表現が採用される過程ではなく、異なる文化間での聞こえ方・表現の違いの理由が知りたかったのです。 ありがとうございました。
- tzd78886
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日本語は基本50音で表現されますからね。この組み合わせに擬音を当てはめるわけです。同じように各国それぞれ自国語の音節に当てはめていきますから、同じ音でも様々な表現になっていきます。 日本語でも方言では様々な聞こえ方があります。必ずしも50音に当てはまるものばかりではないからです。
お礼
回答ありがとうございます。 時代や地域それぞれの言葉にそれぞれの音と、それをあらわす文字があって、そこの範囲の中で当てはめることになるから、表現が違ってくるということですね。 とても納得しました。ありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございます。 詳しい例を教えてくださりとても興味深く拝見しました。一つの鳴き声がその文化圏でどのように定着したのかも疑問だったので、分かりやすかったです。鳴き声そのものも暮らしによって変化したのではないかという点も、なるほどと思いました。 ありがとうございました。