>S+V+O+CのCが、動詞の原型が来る場合、同じ使役の意味でも、getはtoが必要とか、helpはどちらでもOKと言うあたりの話は、言語学的に考えて一体どうしてそうなっているのでしょうか?
⇒なるほど、面白い問題ですね。よく分かりませんが、以下のとおりお答えします。
いわゆる「使役動詞」(Causative verbs) は、S+V+O+Cの形をしていて、Cが原形不定詞となるもの(have, let, make)、to不定詞となるもの(cause, get)、過去分詞となるもの(get, have)がありますが、ここではもっぱら前2者(特に、to不定詞)について考えます。
一つの見方として、次のことが言えると思います。
1.Cが原形不定詞の場合は、本動詞との結びつきが強く「一体的」で、to不定詞の場合は、本動詞との結びつきが相対的に弱く「独立的」な感じがあります。
2.S+V+O+CのOは本来直接目的語「~を(…させる)」ですが、構文によっては微妙なばらつきがあって、特にCがto不定詞となる表現では、このOの直接目的性は曖昧で、間接目的と解釈することも不可能ではありません。cause to不定詞「-に(…する気を起こさせる)」、get to不定詞「-に(…をしてもらう)」。
3.したがって、これらの表現はS+V+O+Cの「周辺的(または例外的)」用法で、むしろ、He taught me to tell the truth. のようなS+V+O+ O文型(授与動詞文)との「境目」にあるような例と言えるかも知れません。
4.S+V+O+C構文で、「使役を表すことや、OがCの意味上の主語であること」などは共通しているが、Cを(直訳してみて)「…することを」のように解釈できる場合に、このCに相当する部分にto不定詞を用いる、と言えそうです。
以上から、使役を表す表現に限り、have, let, make+原形不定詞は、cause, get+to不定詞に比べて「相対的により文法化(機能語化)の進んだ表現法である」と言えるような気がします。
文法的説明は、「人工的」な分析に基づくので、必ず「区分」せざるを得ませんが、自然言語は本来「連続体」で、区分しにくい、どちらとも考えられる、例外的存在・例外の例外的存在である…等々、「漠然としたあり方」をしているのは当然ですね。そしてここに、「文法的解釈の難しさ・曖昧さ」がある、ということですね。
以上、ご回答まで。
補足
再度のご回答、誠にありがとうございます。 なるほど、表現法の経済化・効率化と言うのがあるみたいに思えますね。 誰かに何かさせると言う強い意味表現がtoを無くさせたのかも。 このような質問に長くお付き合い頂いてうれしく思いました。 言葉って面白いですね。 この度はありがとうございました。