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Cauchyの積分公式の証明過程の謎!
- Cauchyの積分公式の証明過程において、変数変換を行った後にlim[r→0]をとする理由について疑問が生じます。
- このlim[r→0]によって証明が完了することはわかりますが、必要十分性を満たしていないのではないかと感じます。
- 結論としては、怪しげなr→0によって証明が完了し、Cauchyの積分公式が成立することが示されます。
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#3です。 >ただ、「十分性については、扱っているのが等式なので、必要性が成り立てば十分性は自動成立です。」のところの論理がイマイチよくわかりません。 ・・・についての話です。質問文に必要十分という言葉が載っていたので、いちおうコメントしただけで、あんまり気にしないで下さいね(^^)。 添付図のようにz=x+iyとし(xとyは実数,iは虚数単位)、複素関数w(z)を実2変数関数f(x,y)とg(x,y)とで、w(z)=f(x,y)+ig(x,y)と表す事にします。 dw/dzを計算するために、少々いい加減ですが、w(z)とzの全微分を取ります(添付図(1))。分母を実数化するために分子分母にx-iyをかけ((2))、枠内で囲った関係に注意すれば(3)が得られます。 予想通り複素微分は、とりあえず極限を取る方向θに方向依存です。しかし「複素微分は方向によらない」が定義なので、(3)はθ依存では駄目です。そこで「(3)をθで微分して0とおく」という手も考えられますが、面倒そうなのでz=x(θ=0)とz=iy(θ=π/2)という特殊な2ケースを考えます。それが添付図の(4)と(5)です。 (4)と(5)に、複素微分の定義から得られる条件(6)を連立させると、明らかに(7)が成り立つ必要があります。すなわちコーシー・リーマン条件は、複素微分が成立するための必要条件です。 ただこの場合(7)は、「z=x(θ=0)とz=iy(θ=π/2)という特殊な2ケース」を使ったから得られただけなのかも知れず、斜めから近づいたら別の結果が出たり、事によったら「任意のθに対して成立するような、複素微分なんか不可能だ!」という結果が出る可能性だって否定はできません。さらに「複素微分の結果は方向によらない値になる」と言いながら、その「具体的な値」も与えていません。 よって、「逆に(7)が成り立つなら、(7)を(3)に代入したら(8)になる」という十分性の計算が必須になる訳です。 Cauchyの積分公式の場合は、積分路を上手く変形してやる事で、 ・∲{f(ζ)/(ζ-z)}dζ=2πif(z) でなければならない. という必要条件が最初から得られてしまいます。∲{f(ζ)/(ζ-z)}dζの値は存在するし、しかもその値は一意に具体的に決まります。だったら、 ・逆に、∲{f(ζ)/(ζ-z)}dζ=2πif(z) ⇒ ∲{f(ζ)/(ζ-z)}dζ=2πif(z). とやるのは、アホらしいよね?という話でした。あんまり気にしないで下さい(^^)。 余談ですがGreenの定理をご存知なら、任意の複素線積分は(x,y)に関する面積分に直せる事はわかりますよね?。そうやって∲{1/(ζ-z)}dζを見直してみると、これがζ=zに特異点を持つデルタ関数δ(z)の積分になっているのわかります。ラプラス方程式の基本解あたりで検索すれば、すぐ納得できるはずです。そうすると、 ∲{f(ζ)/(ζ-z)}dζ=2πif(z) は、ある意味当然の結果という事になります(^^)。
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- jcpmutura
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lim[r→0]i∫[0~2π]f(z+rexp(iθ))dθ=i∫[0~2π]f(z)dθ は rを0に近づけたら左辺が右辺になったという直感的な(論理的に)曖昧なものではなく 任意のε>0に対して あるδがあって |r|<δ となる任意のrに対して |i∫[0~2π]f(z+rexp(iθ))dθ-i∫[0~2π]f(z)dθ|<ε となる時 lim[r→0]i∫[0~2π]f(z+rexp(iθ))dθ=i∫[0~2π]f(z)dθ と定義するのです だから lim[r→0]i∫[0~2π]f(z+rexp(iθ))dθ=i∫[0~2π]f(z)dθ を示すためには 任意のε>0に対して あるδがあって |r|<δ となる任意のrに対して |i∫[0~2π]f(z+rexp(iθ))dθ-i∫[0~2π]f(z)dθ|<ε を示さなければなりません
お礼
ありがとう
補足
ε-δ論法?
- ddtddtddt
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#1です。 特異点ζ=zを内点として含む、任意の閉曲線C0をとります(添付図)。C0に囲まれる領域をR0とします。 ζ=zを中心に半径rの円を描き、それをC1とします。C1を境界とする領域をR2とし、R0からR2を除いた領域をR1とします。もちろんR1の外境界はC0,内境界はC1です。 R1の境界C0とC1上の線積分を考えた場合、積分方向はC0上で左回り、C1上で右回りになるので、R1で積分を考えるときは、積分路の方向まで含めてC1をC11と書きます。同様にR2で積分を考えるときは(左回り)、C12と書いて区別します。 C11とC12は同一曲線で積分方向だけが違うので、線積分の一般的性質から足せば0です。従って、添付図の式の上段が成り立ちます。ところでC0とC11の積分結果を合わせたものは、R1での積分になっていますが、R1は特異点を含む領域R2をR0から除いたものなので、R1で被積分関数は正則。よってC0とC11の積分結果を合わせた結果は0で、下段1項目になります。 ここまで話には、どこにもC12の半径rに関する制限はありませんでした。という事は、C12がR0を飛び出さない限り、任意のrで成り立つ必要があります。だとしたら、 ・C0上の積分値は、C12がr→0の極限の時の値に「等しくなる必要がある」. が、証明の道筋です。十分性については、扱っているのが等式なので、必要性が成り立てば十分性は自動成立です。 憶測ですが、線積分の値は積分路の形状に依存するのが自然だから(一般的にはそうです)、「∲{f(ζ)/(ζ-z)}dζ=2πif(z)」と結果が積分路の形に無関係になるのは、r→0という特殊なケースの計算を持ち込んだからだ、と疑っているのかな?と思いました。 そこがコーシー・リーマン条件の強力さです(^^)。
お礼
はー! そういうことだったんですね!! ありがとうございます! 添付図の式の最後の「=」(2行目)の謎が氷解しました。 コーシー・リーマンの関係式の妙ですね。ちょっと感動しましたよ! 唐突に「r→0という特殊なケースの計算を持ち込」むことに困惑していたことに加え、ご指摘の通り、そのように疑っていました。 ただ、「十分性については、扱っているのが等式なので、必要性が成り立てば十分性は自動成立です。」のところの論理がイマイチよくわかりません。 例えば、コーシー・リーマンの関係式を導くときに、Δz→0を「Δx=0」と「Δy=0」で場合分けして導く場合には、必要十分性を具備しませんよね?(Δz=Δx+iΔyですから、斜め方向からの接近の場合は?)
- jcpmutura
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Cr:ζ=z+re^{iθ},(0≦θ≦2π) の時 ∫_{Cr}f(ζ)/(ζ-z)}dζ≠2πif(z) と仮定すると |∫_{Cr}f(ζ)/(ζ-z)}dζ-2πif(z)|>0 だから |∫_{Cr}f(ζ)/(ζ-z)}dζ-2πif(z)|>ε>0…(1) となる正数ε>0がある f(λ)は正則で連続だから このε/(2π)>0に対して あるδ>0があって |λ-z|<δとなる任意のλに対して|f(λ)-f(z)|<ε/(2π) となるから λ=z+re^{iθ} |r|<δ とすると |λ-z|=|r|<δ だから |f(λ)-f(z)|<ε/(2π) ↓λ=z+re^{iθ}だから |f(z+re^{iθ})-f(z)|<ε/(2π) だから |∫_{Cr}f(ζ)/(ζ-z)}dζ-2πif(z)| =|∫_{0~2π}[f(z+re^{iθ})/re^{iθ}]ire^{iθ}dθ-2πif(z)| =|i∫_{0~2π}f(z+re^{iθ})dθ-i∫_{0~2π}f(z)dθ| =|i∫_{0~2π}{f(z+re^{iθ})-f(z)}dθ| ≦∫_{0~2π}|f(z+re^{iθ})-f(z)|dθ <∫_{0~2π}{ε/(2π)}dθ =ε となって(1)と矛盾するから ∫_{Cr}f(ζ)/(ζ-z)}dζ=2πif(z)
お礼
イプシロンデルタ論法ですか???
補足
イプシロン・デルタ論法?
- ddtddtddt
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「正則な複素関数の任意の閉曲線上での積分は、0」ってのはご存知ですか?。f(ζ)を正則とすると、f(ζ)/(ζ-z)はζ=z以外では正則です。そうすると積分路を工夫して、ζ=zを迂回するように最初の積分路を分割してやると、ζ=zを囲まない部分の結果は0になるので、ζ=zを囲む任意に小さくできる円上だけで計算すれば良い、という証明ができます。 その証明を見たとき自分は、コーシーはものすごいハイカラさんだと思いました(^^)。
お礼
ありがとうございます!!
補足
「正則な複素関数の任意の閉曲線上での積分は、0」ってのは知ってます。 コーシー・リーマンの関係式およびGreenの定理からの帰結ですよね? 「任意に小さくできる円」は、必ずしも「限りなく小さな円」とは限らず、中途半端な大きさの”時”もあるのではないのかな、というのが私の疑問なんです。
お礼
ラプラス方程式??? 数学の世界って奥が深そうですね! なんだかワクワクしてきました! ありがとうございますe^π^i