Otto Cycleでは断熱圧縮、等積加熱、断熱膨張、等積冷却で回るとし、各状態で(P1, V1, T1), (P2, V2, T2), (P3, V2, T3), (P4, V1, T4)となります。効率はわかっているものとします。比熱比をγとかいて
ηo=1-(V2V1)^(γ-1)...(i)
です。
Diesel Cycleでは断熱圧縮、等圧加熱、断熱膨張、等積冷却で回るとし、各状態で(P1, V1, T1), (P2, V2, T2), (P2, V3, T3), (P4, V1, T4)となります。V3/V2=α(>1)と書いて
ηd=1-(V2/V1)^(γ-1)(α^γ-1)/(γ(α-1))..(ii)
となります。圧縮比は等しいので(ii)のV2/V1は(i)と同じ表記をします。γは同じ気体で共通と考えます。(i)と(ii)の差をとりますが、共通の(V2/V1)^(γ-1)は括り出せて
ηo-ηd=(V2/V1)^(γ-1)((α^γ-1)/(γ(α-1))-1)...(iii)
となります。(iii)より
(α^γ-1)/(γ(α-1))-1)>0...(iv)
が示せればηo-ηd>0が言えたことになります。(iv)からさらに
α^γ-1>γ(α-1)
α^γ>αγ-γ+1...(v)
が示せればよいことになります。ここでγ>1です。
y1=α^γ...(vi)
と
y2=αγ-γ+1...(vii)
についてαを独立変数とするグラフを考えてみてください。(vi)は原点を通り下に凸の指数関数です。(vii)は勾配がγ(>0)、y切片が-γ+1の直線です。一般論では(vi)と(vii)は2点で交わるか、一点で接するか、まったく交わらないかです。さて
dy1/dα=γα^(γ-1)...(viii)
dy2=γ...(ix)
です。これを等値してみます。すると
γ(α^(γ-1)-1)=0...(x)
です。これはα=1のときに成立します。すなわちα=1のところでは(vi), (vii)の勾配は等しいことになります。さてα=1を(vi), (vii)に代入します。すると
y1(α=1)=1...(xi)
y2(α=1)=1...(xii)
となり、値も等しいことがわかります。勾配と値が等しいのでα=1のところでy2がy1で接していることになります。すなわちy2は下に凸のグラフy1にα=1のところで下から接します。そしてα>1なら必ずy1>y2なることがわかります。