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熱力学、定容サイクルについて。
定容サイクルについての問題がわからないので 教えてください。 定容サイクルで作動し、行程容積600立方センチメートルで 圧縮比13の熱機関がある。 圧縮全圧力750mmHg、温度40度、最高圧力8.5MPaとする。 動作流体は空気である。以下の設問に答えよ。 (必要な物性値は適当な参考書でいいそうです) 1、圧縮後の圧力、温度 2、最高温度 3、膨張後の圧力温度 4、仕事量、熱効率 5、このサイクルを一分間に20回行った時の出力 参考書などで調べましたが、よく理解できず投稿させていただきました。 もしよろしければ回答をお願いいたします。
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- SKJAXN
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問題の文中に「圧縮全圧力」という表現がございますが、これは「圧縮前圧力」と解釈してよろしいでしょうか? 今一度ご確認お願います。今回は、「圧縮前圧力」として回答させていただきます。 また、見辛くて申し訳ありませんがテキスト入力のため、物理量Yの定積分の表記を{x=a→b}∫Y*dxとさせていただきます。 No.1さんが仰るとおり、定容サイクルの代表例が「オットーサイクル」です。No.1さんのご説明の繰り返しとなってしまいますが、定容サイクルは、4つの状態を繰り返します。シリンダ内に動作流体を吸入した状態を、状態1とします。 そして機関の動作が始まり、まずが状態1から2までは、動作流体が断熱圧縮されます。 次に状態2から3までは、点火が起こって動作流体の燃焼が起こります。燃焼により熱量Q1がこの機関に与えられます。この過程は定容変化です。状態3で圧力と温度が最大に達します。 次に状態3から4までは、断熱膨張をして外部へ仕事をします。 最後に状態4から1までは、排気弁から燃焼に使われたガスがシリンダ外へ排出され、1サイクルが終わります。この熱量がQ2です。この過程は定容変化です。 ここで、状態1での容積をV1、状態2での容積をV2とすると行程容積ΔVは V1-V2 であり、ΔV=600[cm^3]=600×10^(-6)[m^3]、また圧縮比εは ε=V1/V2=13 とします。 さらに、圧縮前の圧力 P1=750[mmHg]=10^5[Pa]=0.1[MPa]、温度 T1=40[℃]=313[K]、最高圧力 Pmax=8.5[MPa]とします。 1) 状態1から2までは断熱変化ですので、動作流体の質量m、定容比熱Cv(空気の場合0.717)、温度変化dT、圧力をP、容積変化dVの間には、熱力学の第1法則から、 0=m*Cv*dT+P*dV →{1} また動作流体のガス定数をRとして、状態方程式 P*V=m*R*T の両辺を微分すると、 dP*V+P*dV=m*R*dT →{2} {1}、{2}からm*dTを消去すると、 dP*V+(1+R/Cv)*P*dV=0 →{3} ここで動作流体の定圧比熱をCpとすると、Cp-Cv=R であり、さらに動作流体の比熱比をγ=Cp/Cv(空気の場合1.402)とすると{3}は、 dP*V+γ*P*dV=0 ⇔ dP/P=-γ*dV/V 両辺積分して、 ln{P}=-γ*ln{V}+C(Cは積分定数)⇔ ln{P}+γ*ln{V}=C ⇔ ln{P*V^γ}=C よって、 P*V^γ=一定 →{4} または{4}より、(P*V)*V^(γ-1)=一定 であり、これに P*V=m*R*T を代入すると、 T*V^(γ-1)=一定 →{5} が成立しますので、圧縮後(状態2)の圧力P2は式{4}より、 P1*V1^γ=P2*V2^γ ⇔ P2=P1*(V1/V2)^γ=P1*ε^γ〔数値は、貴殿でご入力して算出願います〕 同じ要領で、圧縮後の温度T2は式{5}より、 T2=T1*ε^(γ-1)〔数値は、貴殿でご入力して算出願います〕 2) 状態2から3までは定容変化ですので、P/T=一定が成立します。また前述のとおり、状態3で圧力と温度が最大に達しますので、状態3の圧力 P3=Pmax です。 以上より最高圧力(状態3の圧力)はP3は、 Pmax/T3=P2/T2 ⇔ T3=T2*Pmax/P2〔数値は、貴殿でご入力して算出願います〕 3) 状態3から4までは断熱変化ですので、1)と同じ要領で、 P4=Pmax*(V2/V1)^γ=Pmax*(1/ε)^γ T4=T3*(1/ε)^(γ-1)〔数値は、貴殿でご入力して算出願います〕 4) 定容変化以外の変化では外部への仕事が発生します(計算の結果、外部から仕事される場合もあります)ので、その総量を計算します。 状態1から2における外部への仕事W12は、 W12={V=V1→V2}∫P*dV →{6} であり、状態2へ移行する途中の状態の圧力P、容積Vには、式{4}より P*V^γ=P1*V1^γ の関係がありますので、これを式{6}へ代入すると、 W12={V=V1→V2}∫P1*(V1/V)^γ*dV=P1*V1^γ*{V=V1→V2}∫V^(-γ)*dV =P1*(V1^γ)/(1-γ)*(V2^(1-γ)-V1^(1-γ)) →{7} 式{7}を整理すると、本サイクルでは結果的に W12=-m*Cv*(T2-T1)になります。〔W12<0です〕 ここでmは、P1*V1=m*R*T1 より求まりますが、さらにV1は ΔV=V1-V2、ε=V1/V2 より求まり、V1=ε/(ε-1)*ΔV です。 また状態3から4における外部への仕事W34は、W12と同じ要領で、 W34=Pmax*(V2^γ)/(1-γ)*(V1^(1-γ)-V2^(1-γ)) →{8} 式{8}を整理すると、本サイクルでは結果的に W34=-m*Cv*(T4-T3)になります。〔W34>0です〕 以上より、この1サイクルが行う仕事の総量Wは W12+W34 です。〔数値は、貴殿でご入力して算出願います〕 また熱効率ηの定義は、η=1-Q2/Q1であり、Q1、Q2が発生する行程は定容変化であるため、 Q1=m*Cv*(T3-T2)、Q2=-m*Cv*(T1-T4)〔※ Q2の符号が負であるのは、基本的に熱機関サイクルに流入する方向を正に取りますが、Q2は流出するため〕 整理すると、 η=1-(T4-T1)/(T3-T2)〔数値は、貴殿でご入力して算出願います〕 5) 20*W〔数値は、貴殿でご入力して算出願います〕 ※ 注意する要素は、定容サイクルでは断熱変化の場合での仕事を m*Cv*ΔT の形で簡潔に表現できましたが、その他のサイクルでは必ずしも簡潔にならない点でしょう。
- hanada087
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こんばんは。 これはオットーサイクルの問題と考えていいと思います。 こちら↓の図を借りてお話すると、a,b,c,d各点の温度T・圧力P・容積Vを順に求めていくことになります。 http://homepage3.nifty.com/skomo/f28/hp28_15.htm 1.圧縮後の圧力・温度 a→bまでは断熱圧縮なので、PV^κ=const. により、まずb点の圧力を求め、 次いで PV=RT によりb点の温度を求めます。 κは比熱比で、参照先では1.33です。 2.最高温度 b→cまでは圧縮後の着火爆発による等容変化です。 V=const なので、 P2/T2=P3/T3 です。 P3は与えられた最高圧力8.5MPaで、これによりc点の温度T3を算出します。 3.膨張後の圧力温度 c→dは断熱膨張ですので、PV^κ=const. によりd点の圧力を求め、 PV=RT によりd点の温度を求めます。 4.仕事量・熱効率 仕事量と一言だけ訊かれているのであれば、単純にc→dの断熱膨張の過程で外部にする仕事量だけ算定して答えればいいと思います。 仕事量W=m・Cv・(T3-T4) で算定します。仕事量Wの単位は[J]です。 mは系の気体の重量[kg]、Cvは定容比熱で、717[J/kg・K]くらいでいいと思います。 算定式と次元数を見れば何となくわかると思いますが、断熱変化で系が外部に対して行った仕事は、結局のところ系の温度の変化分と等しいということです。 熱効率ηはオットーサイクルの場合、η=1-(1/ε)^(κ-1) で求められます。 εは圧縮比で、与えられた13をそのまま代入します。 オットーサイクルの理論熱効率は、着火爆発後の温度が低かろうが高かろうが、圧縮比と比熱比だけで決まってしまいます。 (この点は多分参考書に詳しく説明されていると思います) 5.このサイクルを一分間に20回行った時の出力 前項で仕事量はc→dのところだけで良かろうと言いましたが、サイクル全体の出力を問われた場合はさすがに1サイクルで外部に行う仕事量をちゃんと考えないとインチキ臭かろう(笑)と思います。 よって、 ・a→bの断熱圧縮にかかる仕事量 W12=m・Cv・(T1-T2)[J]・・・(1) ・c→dの断熱膨張でなされた仕事量 W34=m・Cv・(T3-T4)[J]・・・(2) ・1サイクルあたりの仕事量 (1)+(2) [J]・・・(3) ・20回行った場合の仕事量 (3)×20[J] というふうに各々計算して算定します。計算すると(1)はマイナスの値、(2)はプラスの値になり、両方足して(3)というのも理解が行くかと思います。 以上、これでちょっとやってみて、分からないところは他の人にも訊いてみて下さい。
お礼
大変返事が遅くなりました。 丁寧な回答ありがとうございます。 おかげで助かりました。
お礼
大変遅くなりました。 回答の方、ありがとうございました。 おかげで助かりました。