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慣習と法律とどちらが優先?

素人ですが専門家の方のご意見をお伺いいたしたく・・・。 「慣習的に行われていることと,法律とが合致しない場合,どちらが優先されるか?」という質問です。 (こういう場面はしばしばあります) 以前は「当然法律が上だ」と思っていたのですが,最近「それはおかしい,国民の大多数がやっていることなら,それは法律自体がおかしいのだ」と思うようになりました。 本日の新聞に掲載された「強制連行西松訴訟判決」を見て,その意を強くしました。 高裁は「時効は認める(法は成立する)が,損害賠償は必要」と判決しています。 これなど法律(時効)よりも,正義(慣習)が上だ,ということではないでしょうか? この考え方がなければ,とうてい理解できません。 ただし一般的には,慣習を立証することが難しいから法律で決められる(裁かれる)ことが多いのではないでしょうか? 専門家の方のご意見をお伺いします。

質問者が選んだベストアンサー

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  • foetida
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回答No.11

#7です。お礼欄で追加の質問を頂きましたので、回答させていただきます。 援用が必要なのは民法上の時効です。 刑法上の公訴時効とは異なります。 これは時効制度の制度趣旨と深く関連した話になるのですが、まずなぜ時効という制度があるのかというと、「古い話は証拠も残っていないし、わからない」からです。 そのため、民法では昔の話で損害賠償請求訴訟を起こされた場合に、「もうxx年経っているから時効だ」と主張するだけで、その請求をはねつけることができるのです。これが時効の援用です。この場合に、事実関係が明かであるか、あるいは時間の経過の責任が請求を受けた側(今回は国)にあって、時効の援用が権利の濫用にあたる場合は、時効の援用が許されない場合もあるのです。 刑法の場合はどうでしょうか? 刑法では「疑わしきは罰せず」という考えが根本にあります。これは1人の冤罪を免れる為に、100人の犯罪者の野に放つこともいとわないという考え方です。 そのため、一定期間が経過して、有罪あるいは無罪の立証が難しくなると、検察官は容疑者を公訴することができません。昔の話では当事者の記憶もあいまいですし、容疑者が不在証明をすることも難しく、冤罪の可能性が大きくなってしまうからです。 今回の裁判は民法上の不法行為の話ですから、損害賠償を免れるためには援用が必要であるわけです。

tadamaru2004
質問者

お礼

わかりました。 さすが・・・と思います。 有難うございました。 今後ともよろしくお願いいたします。

その他の回答 (10)

  • kanpyou
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回答No.10

>1.例えば,犯罪を犯した人が逃げ回り,時効が成立 した時点で社会復帰しようとしたとき,自分で「時効の援用」を公けにしないと,社会復帰はできない ですか? >2.このときに,「権利の濫用」を適用されて,犯罪者になる可能性はありますか? 1について、「社会復帰」という言葉自体が法律用語でもなく、法的手続きにより直接実現されることではないので、説明できません。 ただ、刑事、民事の訴訟提起期日で失効するだけであり、検察官、弁護士、裁判所事務職員の手間が省けるという程度です。 社会が認めるかどうかの話です。どうですか? 2ですが、刑法は、「罪刑法定主義」をとっているといわれています。根拠は、憲法三十一条[法定手続きの保障]です。これにより、解釈論で、適用範囲を拡大したり、特別論を持ち出し、これを適用するということに対し、否定的です。(不正アクセス防止法などのように、立法を待つ) しかし、過去に、「テロリストの要求に屈し、収監者を放逐する。」ということがありました。『超法規的措置』といわれています。

tadamaru2004
質問者

お礼

有難うございました。 foeittaさんのご説明で納得しました。 それにつけても,今回の判決はど素人には理解に苦しむ判決だったと思っています。 有難うございました。

tadamaru2004
質問者

補足

「社会復帰」という表現が適当でないなら謝ります。 では何と言ったらよいでしょうか・・・。 要は「時効が成立しても,それだけではダメで,本人が,「時効の援用」を主張しなければ「晴れて・・・」とはならないのか?」というお尋ねです。 西松訴訟の判決で,高裁は「時効の成立は認めるが,これを援用(行使?)することは,権利の濫用にあたる」と判決しています。 ここから始まった話です。

回答No.9

「強制連行云々」については存じませんが、ここでは、「慣習と法律」について述べたいと思います。法律には、「任意規定」と「強行規定」とがあり、「強行規定」とはその規定と異なる事を、当事者が決めてもダメで、あくまでその「強行規定」に従わなければなりませんが、「任意規定」と異なることを当事者が決めると、その合意に従う事になります。つまり、「任意規定」とは公序良俗に反しない規定であり、当事者がそれを変えることが出来る規定なわけです。そして、その「任意規定」と異なる「慣習」がある場合、どうなるのか、という事なのですが、まず、「法例2条」に、「公序良俗に反しない慣習は、法令で認めたもの、及び法令に規定の無いものに限り、法律と同一の効力を有する」と定めています。つまり、簡単に言えば、法律と異ならないまたは法律に規定の無い慣習に限って、法律と同等になる、といっています。ところが、民法92条では、「任意規定」と異なる慣習がある場合に、当事者が慣習に従うとする意思があれば、その慣習に従う」と規定されています。つまり、「任意規定」については、法例2条では「任意規定」が優先し、民法92条では「慣習」が優先する、ということを言っていて、互いに逆の事を言ったいるわけです。ですから、これについては、学説が対立しています。では、実際の裁判等ではどうするのかといえば、どちらを採用したほうが「紛争解決になるか」・「被害者救済になるか」・「公平な判断になるか」等、事例により変えていると思われますし、それがまた、法律独特の性格でもあると思われます。ですから重複しますが、「法律が優先」するのか「慣習が優先」するのかは、画一的に判断する事は出来ず、個々の事例によりその判断を変えている、ということになります。

tadamaru2004
質問者

お礼

有難うございました。

  • kanpyou
  • ベストアンサー率25% (662/2590)
回答No.8

#6です。 これまでの判決は、「除斥期間の拡大解釈」を避ける判決のようですね。 これは、今後の同様な、除斥期間の解釈を求める訴訟の基準となりそうですね。 ある意味、提訴期限の厳密、厳守となるのでしょう。

tadamaru2004
質問者

お礼

有難うございました。

  • foetida
  • ベストアンサー率22% (48/217)
回答No.7

時効の成立と時効の援用は区別して考える必要があります。 時効は時間だけ経過すればかってに債務が消滅するという便利な仕組みではありません。 必要な時間が経過しても債務者が「援用」しなければ意味がないわけです。 今回は債務者である国が時効を「援用」することが権利濫用(民法1条3項)にあたるので、認められないという話ですよね。 時効の援用が権利濫用にあたるとして認められないというのは過去の判例にもあります。

tadamaru2004
質問者

補足

裁判に係っている人たちの考え方というのは,一般民間人の考えとは凡そ異なった世界にあり, 到底ジョーシキでは理解出来ないと,つくづく思います。 そろそろ締め切りたいと思っていますが,最後に下記に絞ってお答えいただけませんでしょうか? 1.例えば,犯罪を犯した人が逃げ回り,時効が成立 した時点で社会復帰しようとしたとき,自分で「時効の援用」を公けにしないと,社会復帰はできない ですか? 2.このときに,「権利の濫用」を適用されて,犯罪者になる可能性はありますか? (可能性(ご見解)だけで結構ですが,勿論判例があればそれに越したことはありません)

  • kanpyou
  • ベストアンサー率25% (662/2590)
回答No.6

パターンとして考えられます。 (1)時効(除斥)を認ない 賠償する   解釈的に妥当(時効の拡大解釈) (2)時効(除斥)を認ない 賠償しない  矛盾? (3)時効(除斥)を認める 賠償する   今回の判決 (4)時効(除斥)を認める 賠償しない  法的に妥当判決(被告勝利) となります。 「特段の事情論」・「特別の事情論」は、裁判管轄でも論じられます。 たとえば、日本人が海外で国外航空会社の航空機事故に遭った場合、日本の裁判所に提起できるか?というようなことです。 基本的には、海外で提起するものです。(証拠、捜査機関ともに海外のものだから。)

回答No.5

こんにちは。 新聞に載っている西松訴訟判決の要旨しかわからないのですが、 判決は、被告(会社側)が時効の権利を主張することが、権利の乱用にあたり、 損害賠償責任を負うと結論づけていますよね。 この判決は、この権利の乱用にあたるかどうかの判断基準を、 「(権利を消滅させることが)著しく正義・公平・条理などに反すると認めるべき特段の事情がある場合」としていますね。 この言い回しから自分がおもうのは、 民法の一般原則である民法1条1項~3項(信義則や権利濫用)です。 これら条項の成り立ちは、社会一般のひとたちが共有意識からして、 事件で争点になった権利の行使するのは行き過ぎている、とてもじゃないが認められない ということを背景にしています。 もし、裁判所がこの条文を使ったとすれば、 時効が成立していて(被告=会社)の債務は消滅する。 けれど、いったんこうして認められたこの「権利」を(原告に)主張することは、 民法がさだめる権利濫用にあたり、 認められないということだとおもいます。 かりに、法的に認められた権利がそもそもない(権利の不存在)としたら、 この民法の一般原則を適用できませんし、 (要旨を読むだけで正確ではないですが)「消滅時効が成立する」ということも理解できませんし。 そうだとすると、法律上存在しない視点から、 判決が結論づけているわけではないとおもいますよ。 民事事件では、白黒はっきり規定されていない、 さきほど書いた民法の基本的な条文を使って、事件の打開を図ることも多いです。 法律は学生時代にかじっただけなので、自信もないのですが、 新聞の要旨だけを読むと、こう思いました。

tadamaru2004
質問者

お礼

有難うございました。

  • kanpyou
  • ベストアンサー率25% (662/2590)
回答No.4

#3です。もう少しだけ。 日本の民事裁判における救済法は、「現物」の移転と、「金銭賠償」です。 また、判決の効力は、宣言された内容のみで、予定賠償(見込み判決)は出来ません。 ですから、過去の公害訴訟などでも、金銭による賠償で、「逸失利益」と記されます。 いわば、無理に判決すれば、今後のインフレ(物価上昇)に対応できないのです。 法は、これを解決するために、「裁判外紛争処理制度」:「ADR」によって答えを導き出そうとしています。 ADRの具体的内容は、(1)和解(2)調停(3)仲裁というものです。 (2)(3)については、自分で調べてください。 過去の訴訟において、裁判から、当事者の譲歩と話し合いによる解決を探るという、民事訴訟法89条「和解の試み」があります。 実際、水俣訴訟の場合、「和解の勧試」がなされ、企業側が「基金」を設立し、そこから費用を支出する、という方式になりました。

tadamaru2004
質問者

補足

有難うございました。 新聞記事によると「判決は時効の成立を認めた」とあります。 (ここが理解に苦しむところです。時効が成立しているのに,ナゼ損害賠償しなければならないか・・・)

  • kanpyou
  • ベストアンサー率25% (662/2590)
回答No.3

>慣習と法律とどちらが優先? 法律を学ぶものであれば、必ずといっていいほど、ぶち当たる問題です。 類題に「J隊、合憲・違憲論」です。 法(裁判所)は、こういった論議を「回避」します。直接真正面から判断しません。 J隊については、国家のあり方「国体論」ともからみ、一片の国家機関で判断できる問題ではないからです。 さて、tadamaru2004さんが気になさっている「強制連行西松訴訟判決」ですが、判決文を読んでいないのでなんともいえないのですが、「時効の停止」:こういった考え方が、答えの一助になるかもしれません。 ある人に、何か請求する権利があるのに、いつまでたっても求めてこない。 「ケーキ買っておいたけど、食べにおいでよ」。。。半年後、突然「ケーキくれ。」 これでは、生活の安定性が損なわれるとして、「消滅時効」:請求できなくなる という考え方を定めています。 これとは逆に、請求出来る期間を長く取る考え方「時効の停止」です。 刑法に、犯人が、国外へ逃げ、日本の警察権がおよびにくい状態のときは、その期間、期間への算入が停止します。

noname#58431
noname#58431
回答No.2

行政書士有資格者で独立開業準備中です。 一般的な「法源論」に基づく定説と呼ばれる解釈では、法令>慣習法>判例法の順です。以下がその論拠概略です。 1イギリス、アメリカ系統の法に代表される英米法諸国では、個々の事件の判例や慣習によって法は発展し、それは法典という形をとらず、また文字に書かれないものであった=不文法   2これに対してドイツ、フランス系統の法に代表される大陸法諸国では、法は文字、支章で表現され、文章の形式をそなえた方法をとってきた=成文法   3その意味では、英米法諸国の法源は、判例法・慣習法(不文法主義)であり、大陸法諸国の法源は、制定法(成文法主義)である。 4ただし、不文法主義の英米法諸国においても、高度な資本主義の発展により、社会構造そのものが複雑になってきている昨今、そこからかもし出される新しい諸問題に対して、過去の慣習や判例ではとうてい規律しえない事態が発生するにつれて、それに対処するために成文法主義の当然の帰結である法典編纂がなされ、特別立法が続々と制定されて、成文法が漸次増加しているのが現状である。 5成文法主義の大陸法諸国においても、成文法だけではすべての社会現象を視律することは不可能で、慣習や判例にたよらざるを得ない事態が存在し、慣習法や判例法も、成文法(法典)を補充する意味で重要な意義を有している。 6したがって英米法諸国においては、不文法である慣習法や判例法が法源の首位におかれ、大陸法諸国では、法典である成文法が法源の首位におかれるという相対的意味において埋解されなければならない。 7それ故に、大陸法系統に属し、今日大多数の国がそうであるように、成文法主義に立脚している日本の法源には、まずその首位に国家が定立した(国会等が制定した)法律(制定法)があり、その次に慣習法、それに判例法が続くことになる。 参考サイト 法律入門 http://www.arsmall.co.jp/law/law/houritsu.htm

参考URL:
http://www.arsmall.co.jp/law/law/houritsu.htm
tadamaru2004
質問者

お礼

有難うございました。

tadamaru2004
質問者

補足

有難うございました。 アメリカ,イギリスでは,慣習が成文法より,上にある(場合もある)と解釈してよろしいですか?

noname#8709
noname#8709
回答No.1

慣習とは、ある社会において、長年にわたって認められてきたならわし・風習です。 上記の例では、慣習を元に法律の適用を修正したものではなく、権利の乱用という法律上の規定をもって法律の適用を修正したものです。 法律は日本全国において適用されますが、慣習は法律の下で、その地域においてのみ通用する規則ともいうべきものです。 ただし、法律上、「別段の規定ある時は慣習に従う」などと慣習を優先させる条文がもうけられているものもあります。

tadamaru2004
質問者

補足

有難うございました。 >慣習を元に法律の適用を修正したものではなく、 >権利の乱用という法律上の規定をもって法律の >適用を修正したものです。 このことは新聞には書いてありませんでした。 しかし,「権利の乱用(の阻止)」というのは,個人又は組織に対して適用されるものであり,「時効の成立」という”法体そのもの”がこの適用を受けるというのはおかしいような気もするのですが・・・素人考えです。

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