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お肉で作る醤油はなぜ広まらなかったのか
世の中でお醤油と言えば大豆由来か魚由来の魚醤の二種類ですが、ネットで検索してみたところお肉でも醤油は作れるようで、それを商品化しようとしているメーカーもあるようですが全然広まっているように思えません。 大豆や魚の醤油と違ってお肉から作る醤油はなぜ広まらなかったのでしょうか。 また、もしそれを食べたことがある方がいらっしゃいましたらどんな味がするか教えていただけないでしょうか。 よろしくお願いします。
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へえ、そんなものがあるのかと思って調べてみたら、「ししびしお」というようですね。 http://thankyoublog.info/3503.html もちろん味わったことがないのですが、普及しなかった原因について考えてみました。 おそらく最大の原因は「新鮮な内臓が安定して手に入らなかった」ということだと思います。日本では平安時代くらいから肉食と酪農が衰退していきました。その原因は諸説ありますが、歴史カテの過去回答を要約すると「牛を食用などとして育てるより、田んぼにしたほうが効率がいいから」ということになるようです。要するに酪農が割に合わなかった。じゃあなぜ韓国では焼肉文化が残ったのかというと、どうも朝鮮半島では「美味しいお米」がとれなかったらしいんです。韓国料理はビビンパみたいな混ぜご飯が多いですよね。あれって要するにお米が美味しくないから具材と混ぜないと食べられなかったという事情があったようです。 酪農や肉食のための養鶏が盛んにならなければ、原材料の安定した入手が困難ですから技術も失われてしまうことでしょう。 あと、私はししびしおを味わったことがないのでなんともいえないのですが、なんとなく、結構自己主張する味なのではないかと思いました。何しろ肉の内臓が原料ですからね。肉の臭みというか、そういうのがありますよね。鮒ずしとかああいう「内臓が腐る味」が混ざります。 醤油は今や和食のみならず、フランス料理を始め海外の料理でも取り入れる動きがでています。それは醤油がどの食材ともケンカをしない万能性と柔軟性があるからです。他のダシとの組み合わせは、昆布、鰹節、味噌、煮干しとなります。まあ解説不要ですが、醤油はどれともケンカをしません。しかしなんとなく、ししびしおは鰹節とは相性が悪い気がします。肉の臭みがお互いに出る気がします。また味が強くない昆布は昆布の味が消されそうな気がします。昆布の「うまみ」をこれまた海外で取り入れる動きがあるそうですが、たぶん肉料理には使わないと思います。 元々和食というのは「素材の味を引き出す」のが特徴です。フランス料理や中華料理のように強い味で味付けするのではなく、その食材が持っている味を利用します。それは醤油があったからそういう味になったというより、おそらくは「日本人がそういう味を好んだ」からだと思うのです。どう考えたって日本人が毎日フランス料理は食べられないですよね。天皇家はフランス料理らしいですけど。でも今上天皇も昭和天皇の晩年ももうくどい味付けは体にも悪いので和風の味付けになってるんですって。 たぶん、日本人にとって「肉の味」は非日常に楽しむもので、毎日味わうものではないのだと思います。だってどう考えたって京野菜を使った料理にししびしおが合うとは思えない・笑。
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- kagakusuki
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>世の中でお醤油と言えば大豆由来か魚由来の魚醤の二種類ですが そんな事は御座いません、おそらく既に御存じの事ではないかと思いますが、現代に限らず古代においても肉でも醤油の類が作られていました。 【参考URL】 醤 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%86%A4 キッコーマン > 食を、知る・楽しむ > しょうゆのすべて > しょうゆの歴史を紐解 > 「醤」(ひしお)の時代 http://www.kikkoman.co.jp/soyworld/museum/history/hishio.html 職人醤油 > 醤油の基礎知識 > 醤油の歴史 http://www.s-shoyu.com/know/400.html コトバンク > デジタル大辞泉 > 肉醤/醢とは https://kotobank.jp/word/%E8%82%89%E9%86%A4-519134 >大豆や魚の醤油と違ってお肉から作る醤油はなぜ広まらなかったのでしょうか。 醤油は元々、食品を保存するために塩漬けにしていたものが自然に発酵した(つまり保存に成功し損ねた)ものが基になって作られる様になったものです。 塩漬けにしても十分に発酵が進むのは長期保存をした場合であり、長期保存が必要になるのは、原料が一度に大量に得られ、尚且つ、大量に得られる時期が限定されているものの場合です。 豆や小麦の様な穀物は乾燥させておくだけで長期保存が出来ますから塩漬けにする必要はあまりありませんが、農作物で収穫時期が決まっている事は穀物と同じであっても保存性が悪い野菜や、群れで回遊する海の魚などは大量に取れる時期が決まっていて、しかも塩漬け等の工夫をしなければ長期保存が出来ません。 そのため、野菜を原料にする草醤や、魚を原料にする魚醤が自然発生的に造られる様になったのではないかと思います。 それに対し、肉の場合は獲れる時期がそれほど限定されている訳でもなければ、一度に大量に得られる訳でもありませんから、醤になるほど長期に亘って保存しなければならない事は稀です。 そのため、肉が醤の原料にとして使われる事は稀だったのではないかと思います。 とは言え、草醤や魚醤という調味料を使う文化が生まれると、別の原料を使って似た様なものが作られるようになるのは自然の流れで、豆や小麦と言った農作物は魚よりも安価で大量に得られるため、そういった穀物を原料にした醤である穀物醤油が作られる様になったようです。
お礼
ありがとうございました。 なるほど、肉の取れる量、時期、保存の必要性、このような要因が考えられるわけですね。 分かり易かったです。
- ユリア(@yuria2014)
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調味料は商品寿命が短いってのも有りますよね。 かつて一世風靡したカルパッチョソースやポンジュレも、最近ではどこのスーパーでも見かけません。 こういう変わった物を研究費使って作っても、新しい物好きの方が買って終わりじゃ無いですかね。精々2年間程度しか売れないと思います。 その点、日本の伝統調味料の醤油は飽きられてはいませんよね。 それともう1点、JAS法だったと思いますが、大豆を使って無いと醤油とは言えません。 肉由来の醤油風調味料になります。どうもインパクトが弱いです。 殆ど知られてませんが愛知県碧南市では大豆を使わず、麦を原料にした醤油風調味料が生産されてます。昔からこの地方には有ったそうですが、重度の大豆アレルギーの方にとってはありがたい商品です。商品名は白たまりです。 大豆アレルギーの場合、醸造途中でアレルギー物質は殆ど無くなるのですが、まれにお醤油もお味噌も駄目な重度の方がいらっしゃいます。 私は飲食関係のお仕事をして12年になりますが、今までご相談をお受けしたのはお一人様だけです。お味噌も宮崎県で大豆不使用の麦味噌風調味料が生産されてます。 麦麹はほんのり甘いのですが、アレルギーの方に知って頂けたら幸いに思います。
お礼
ありがとうございます。 やはり現代でいきなり復活させて広める、というのは難しいのでしょうね。 文化に根付かなかった理由についてはいかがでしょうか?
健康志向で大豆がヘルシー、豆乳は女性にいいみたいなことが言われてるので、 お肉で作る醤油に需要があまり見込まれなかったのでは。
お礼
ありがとうございます。 現代日本で広まらないのはそういう理由もあるかもしれませんね。 ただ、醤油や魚醤は色々な国で昔からの食文化として定着しているのに、お肉由来の醤油は大昔は存在していたにも関わらず現代にまで残る食文化としては定着しなかったことは不思議です。 生産性の問題でしょうか。
- cactus48
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大豆製造より時間も手間もかかります。こうなると低価格では販売は 出来ませんので、そう簡単にはバンバンと売れないと思います。 やはり売れないと商売になりませんから、本格的に製造される事は無 いのではと思います。
お礼
ありがとうございます。 時間がかかるのですね。すると魚醤のように単純に材料を塩漬けにするだけでは作れないということでしょうか。 確かにお肉の塩漬けはビーフジャーキーとかにはなっても液体の調味料になるという話は聞きませんね。 何か特殊な作り方が必要なのですね。
お礼
なるほど、内臓が腐った味、ですね。確かに発酵とは腐敗の一種ならそうなりそうです。食べたことはありませんがエスキモーにはアザラシの内臓を腐らせて食べる物凄く臭い料理があると聞いたことがあります。 醤油も発酵食品ですし、畜肉が元となれば、くさや以上の物凄く癖のある発酵食品になるかもしれませんね。 でもそれはそれでどんな味なのか一度くらいは体験してみたいですね。 一度でもう十分となるかもしれませんけど。 動物の内臓の供給不足、そして大豆の醤油と日本料理の味の相性、どちらも納得のいく内容でした。 ありがとうございます。