1.非常に難しいご質問といいますか「都市の人口」の定義によって変わってくるのと、一つの都市と近隣都市との関係でも変わってきます。
言い換えますと、「人口」というのをどのような人の数を指すのかという問題です。
一般に都市には。
働いても通学してもいない人
自宅で働いている人
自宅外で働いている人
と大きく分けられますが、自宅外で働いている人も、その都市の内部で働いている人と都市の外部で働いている人に分けられます。
さらに、遊びに来る人もいます。
これ等のパターンが都市によって夜間と昼間とで違っています。
埼玉都民とか千葉都民と呼ばれる人は、寝るためとか休日を過ごすためだけに埼玉県や千葉県に居て、通勤通学は東京という人がいます。
この人達をどちらの都市の人口として数えるのかという問題です。
ご質問でも「大都市の人口が停滞して」とありますように、寝る場所を確保することが東京で難しくなれば、周辺の都市に居場所を求めるようになり、この様な人達の数が増えて行きます。
学園都市と呼ばれるような教育施設や研究施設が集約された都市が出現しますと、周辺の都市から通学する人や教員や研究者が通ってきます。
大規模な工場や事務所が出現しても同様のことが起きます。
国際的にみた場合EUのように人の移動は国境を越えて自由ですが、行政が国家単位である、というような場合には、国境を挟んだ都市間で人口の逆転が起きます。
現在起きている難民問題なども、難民を送りだしている都市と受け入れている都市と、受け入れる都市毎の体制の違いなどが極度に影響してきます。
あるいは、大阪と東京のように大阪が東京を凌駕していた時期があり、逆転現象が起きています。
この現象の原因は上記したのとは又別な原因が影響しています。
参考
流動人口による 調東都市分類
libir.soka.ac.jp/dspace/bitstream/10911/2395/1/KJ00004861150
注)URLのタイトルが間違っています。
本文のタイトルは調東都市分類ではなく関東都市分類です。
2.現在主として東京で起きている都心回帰という現象の最大の理由が高齢者に対する社会保障の充実度の違いです。
次に生活に必要な物資の調達の仕方の難易度の違いです。
具体的に言いますと、大学病院を始めとする総合病院の件数が圧倒的に違います。
高齢者のケアを提供する養護施設などを運営する企業や団体の件数が圧倒的に違います。
生活物資を販売する商店の件数が圧倒的に違います。
高齢者が好む図書館、博物館、美術館などの件数も充実度も圧倒的に違います。
買い物や通院に便利な上にそこへの移動手段(地下鉄、バス、タクシー)が充実しています。
現役時代に購入した郊外の不動産を処分して都心へ回帰する人達が増えています。
背景には一時代前までの後期高齢者層に比較して、不動産への執着心が薄れてきているということもあります
少子化で子供が相続する不動産が子供一人当たり増加してきています。
極端な話、一人っ子同士が結婚すれば両方の両親の不動産を相続することになります。
これを処分すれば通勤通学に利便性の高い都心の高額なマンションなども容易に入手できます。
あるいは両親が都心部に不動産を所有していれば安価に貸し出すことも可能となり、利便性が高く安価な物件を求めて借手が集まります。
借手も郊外から都心へ回帰してきます。
この他に高齢化による住居への要求が変化してきます。
郊外の一戸建て住宅の保守管理よりも鍵一本で済むマンションは高齢者にとっては極めて便利です。
補修工事の手配もマンションの管理会社が行いますので煩わしさはありません。
部屋数も必要としなくなりますから、コンパクトなマンションの部屋で充分です。
お礼
ありがとうございました! 詳しく解説していただき非常にわかりやすかったです!