- 締切済み
『非対称光学迷彩』とはどんな迷彩装置でしょうか?
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150608_1/ このURLによると、理研は外からは見えなくなりますが中からは外を見ることができる”非対称”な光学迷彩の理論を構築したとあります。 一応読んでみたのですが、恥ずかしながら内容が難しくてよくわかりませんでした。 ”光学格子共振器”なるものでこの非対称な状態を作り出すとありますが、そもそもこの装置はどういうもので、どうやって光路を操作しているのでしょうか? URLのサイトの一番下の図にあるように、実際にシールドのようなものを発生させて対象を包んで見えなくさせるのでしょうか? また、この光学格子共振器を作動させるのにはおそらく電力などの動力源が必要だと思うのですが、どれくらいの出力が必要になるのでしょうか? 赤外線と可視光を欺瞞するのでは必要なエネルギーが変わったりするのでしょうか? 何個も質問してすみません。 もしわかる方がいれば、教えていただけると幸いです。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
- CC_T
- ベストアンサー率47% (1038/2202)
関係者ではないから詳細は分かりません。 質問リンク先の記事を読んでの理解に基づくコメントとして見て下さい。 > 光学格子共振器 進む光に対して外力を及ぼす「仮想」装置であり、「もし作れるならばこんなことが出来ますよ」という理論段階であることに注意。「ホワイトホールとブラックホールを使えば瞬間移動や時間移動が出来る」って話と同様、まだ『机上の理論』。 この技術に必要となるであろう「格子」からして今の技術では実用化まで程遠い状況ですし、ましてその格子一つ一つに対して適切な制御を行う云々といった事は「未来技術」です。その「格子」はマイクロメートルオーダーのサイズで、1平方mmあたりに格子が何十兆個も並ぶわけですから、透明「ハンカチ」サイズでも個別制御するのはまず不可能でしょうね。 > どういうもので、どうやって光路を操作しているのでしょうか? 「進行する光に対して仮想的なクーロン力とローレンツ力を作用させる」装置だそうですから、光の進行方向によって光が装置から受ける力の方向が変わるって事がキモですね。空間を曲げるのではなく、外力で光の進行方向を変えるわけです。 こっちから向こうに行く光が上方向にズレて届く様に設定すれば、向こうからこっちに来る光は下方向にズレて届くようになる。つまり「上手く並べて制御すれば、向こうから来る光はこちらで観測しつつ、向こうからこちらを見ても蜃気楼のように別の方向が見えるって状態を作れますよ」って事のようです。ただし「どうやって」の部分はまだ数式上の変数でしかないみたいですね。 > 実際にシールドのようなものを発生させて対象を包んで見えなくさせるのでしょうか? 仮に、この理論に基づいて小さな球状のフィールドを作ったとしましょう。 外からこのフィールドを見ると、基本的には「透明」ではなく、凸面鏡のように周囲の光を反射しているように見えると思われます。 もちろん各格子の設定を与えれば、特定の方向から見た場合のみ、一見そこに何も無いように見せる事が出来ますが、フィールド中央に入ったB点を挟み、A-B-Cと並んだA点とC点から眺めると、A点から見てB点が透明でC点が見える状態の時にはB点からはC点側は見えないことになります。C点からの光が全てA点に届けられるからこそB点が「透明」になるわけですから、C点からの光がB点に届いてしまうとA点からB点を見た時に「光の透過を邪魔する物が有る」ってことになって、つまりそれは「透明」じゃないですから。 またその時C点からはB点が見えているでしょうし、直線A-B-C上にない点はB点から見て本来の位置からズレた方向にあるように見えるはずですね。 フィールドに光が当たれば「影」もできるでしょうが、光がズレて届くために光源から物体の影が見えるって不思議な光景も観測できそうです。 ちなみにもし「外から中への光は通すが、中から外への光は波長を問わず一切通さない」というフィールドが実現されれば、マクスウェルの悪魔の親戚によって内部温度が上昇を続け、ついには融解・爆散することになるでしょう。 > どれくらいの出力が必要になるのでしょうか? 必要エネルギーは装置を作用させる面積に比例し、装置の効率に反比例するもの。技術的には逆に、圧倒的パワーで効率の悪さをカバーするって使い方もアリですし、ちょっと想定できませんね。 ただ、「光」の伝播は振動によるものであって重さをもった物が動くわけでは無いから、ミクロ的な構造から見れば進路を曲げることに必要なエネルギーはそう大きな物にはならないです。鏡やレンズなんか無動力で光の方向を捻じ曲げてますよね。ですから格子の寸法を小さくするなどもし効率を100%に近づけられるなら、バッテリー駆動だってできるかもしれませんね。 > 赤外線と可視光を欺瞞するのでは必要なエネルギーが変わったりするのでしょうか? 波長が異なるので、入射光と通過光の成す角度に差が出るでしょう。同じ問題で、そこそこの大きさで実用化するとしても分光や干渉縞といった事が課題になるでしょうね。 この技術、透明マントとしてよりも「レンズ」としての方が使いでがありそうに思います。 この技術を使えば、現在実現出来ない「原子レベルのサイズのものを『光学的に観測』できる」ようになるはずですし、同視点・同時に異なる波長における観察・記録ができるのではないでしょうか。