はじめまして。このような設問に対して解答する方法は、一般的な経営学の知識を知っているかどうかということを試されるのではなく、思考のプロセスを試されるケースがほとんどです。二択、三択などの選択式の設問は回答の手順があり、まずはそれを覚えてください。
1.それぞれのメリットとデメリットを明らかにする
2.一般的な法則を軸にして検討を深める
3.個別の事象に当てはめる
と、こうなるかと思います。やってみましょう。
【私の回答】
まず、「一般的に」組織階層が深くなると管理業務が増え、意思疎通が難しくなる(いわゆるパーキンソンの法則というやつです)といわれています。つまり、階層構造がシンプルになれば管理業務負荷は減り、トップの意思がダイレクトに伝わる組織になります。これが、「縦の階層のメリットとデメリット」になります。
次に、「横の階層のメリットとデメリット」について、申し上げると、他の方も書かれているように、一人がマネジメントする人数が増え(これも一般的に5-6人が限界といわれています)、上位者が末端の営業マンの管理をできなくなる可能性があるということになり、横の階層が増えればその逆になる、となります。
まず、このようにそれぞれのケースのメリットとデメリットを明らかにします。次に、上記を4象限マトリクスにして、それぞれの箱に特徴を埋めてみてください。紙に書くと驚くほど簡単にできますよ。
そうすると、一人の課長が30人の部下を管理するケースでは、メリットとしてさらに上位者(おそらく部長レベル)の管理業務が減り、意思決定のスピードが速くなるというメリットがあるが、現場の営業マンの管理ができなくなる、となり、3人の課長が10人の営業マンを管理するケースでは、その上位者の部長の管理業務が増え、意思決定のスピードが遅くなる可能性があるが、末端の営業マンの管理はしっかりとできるようになる、というのが「導き出される答え」になります。
設問には「縦の階層」に関しては述べられていないのに、なぜいきなり部長がでてくるのかと怒る方もいると思いますが、これはMECEといって、簡単に言えば「横の検討をするならば、縦の検討もしないと不十分でしょ」ということになります。
最後に、どのような条件で決まるか、という設問に対しては上記で検討したケースに当てはまるものを帰納的に導き出してみると、
1人の課長が30人
現場の営業マンのパフォーマンスよりも上位者の意思決定、戦略などが業績に大きく関係するビジネス
3人の課長が10人
上位者の意思決定よりも、現場のパフォーマンスが業績に大きく関係するビジネス
となります。非常に理屈っぽい世界ですが、よくあるケースが、「私の経験から言って、そんなの無理だよ!」という回答です。しかし、こんな観念的な回答は、いくら答えが正しくてもビジネスではアウト(誰にも伝わらない)ですので、このような検討の手順は覚えておくべきでしょう。これは、オプション思考といって、検討のルールです。
お礼
完璧な文章ありがとうございました。実は私は一般的な経営学の知識をはじめたばかり勉強しています。ですからいろいろなことわかりません、お忙しい中説明してくれて、ありがとうございました。 :)