- ベストアンサー
オスプレイって基本システムそのものに無理がある?
オスプレイ(V-22)って、事故が多いイメージありますが、 航空機として、あの並列のプロペラ2基が90度回転する基本システムそのものに 無理があるんじゃないでしょうか?(もしくはその機能とのバランス) あと、オスプレイはプロペラ(エンジン)かその回転軸が1つか両方故障しても 着陸できるのでしょうか? ※私は素人です。
- みんなの回答 (13)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
オスプレイはその構想そのものは80年代からありまして、ずーっと研究と開発が続いていたのですが、産みの苦しみの象徴のような苦労の物語があったんですよ。82年に開発の承認が出まして、86年に試作機が作られたのですが、初飛行に成功したのが89年。このときに91年に引き渡し(実用化)が予定されていましたが、量産型が引き渡されたのが結局00年でしたから、初飛行から量産化までに10年がかりなわけです。 開発にここまで苦労したのは、「ヘリコプターでもなければ、飛行機でもない」からです。エンジンが故障しても、いきなり止まるというのはあまりありません。徐々に止まるか、あるいは惰性でしばらくは動きます。ヘリコプターの場合はトラブルが起きても(飛行物体としては)そんなに速度が出る乗り物ではないし、大型でもないのでローターの回転数をなんとか合わせながら不時着することができます。飛行機の場合、翼がありますので最悪グライダーのように飛ばすことができます。バードストライクでエンジンが止まり、そのまま滑空して見事にハドソン川に不時着した事故がありましたよね。あのときの機長はグライダーの免許も持っていて、グライダーでの飛ばし方というのを心得ていたのが乗客にとって幸いでした。 オスプレイは、ヘリコプターモード(ローターが上を向いているとき)に片方のエンジンが低下すると構造上バランスをとるのが非常に難しかったのです。なにせローターとエンジンがウィーンと動きますから。ウィーンと動かないヘリコプターなら回転数を同調させるのは技術が確立しているわけです。だから、「右エンジン出力低下」なんてことになると機体がグルグル回り始めて収集がつかなくなっちゃう。 一方、飛行機モード(ローターが前を向いているとき)にエンジンの出力が低下しても、飛行機ほど翼がないから滑空できない。そのまま揚力を失って墜落しちゃうんですね。 もうね、聞いただけで「そりゃ技術的に難しいわなあ」って思わざるを得ないのです。そこを苦労に苦労を重ねて、米軍の長い飛行機とヘリコプターのノウハウだけでなく、あのNASAの技術まで結集してまさにアメリカのプライドをかけて実用化にこぎつけたといっていいものなのです。 オスプレイのメリットは、なんといっても大容量、高速、長距離です。個人的な意見となりますが、もし東日本大震災のときにオスプレイが使われていたら、日本人のオスプレイに対する目は大きく変わっていたと思いますので、残念ですね。 また大容量で一度に多くの人員を運べる分、一回の事故での犠牲者数も多くなるという面はあると思います。これは旅客機なんかもそうで、エアバス社が最大1000名が乗れる総二階建て旅客機(A380)というのを作りましたが、これが1機墜落すると1000名の死者が出ると思うとちょっとゾッとしますでしょ? 話はそれますが、ハリアー戦闘機ですけどね。ハリアーには4つの吹き出し口がついていて、これをクルッと90度回転させて下に出力することで垂直離着陸を可能にしています。イギリス軍のすげえところが、この4か所の吹き出し口の出力を手動でやるってことです。 これ、四駆の自動車で例えると、左右の前輪と左右の後輪のそれぞれにアクセルがついてると思えばいいです。ハンドル操作の他に、4つのアクセルを上手く踏み分けながら走らせるようなものなんですね。無理でしょ、そんなの・笑。アメリカ人は合理主義者だからハリアー2ではそれをコンピュータ制御(つまりオートマですな)にして事故率を減らしたのですが、イギリス人はハリアー2がオートマ化で事故率が下がるのが露骨に明らかになるまで頑なにMTにこだわりました。こういうときのジョンブルって、なぜだか、どういうわけか、古くて面倒くさい方法に固執するんですよね。 ヘリコプターは今や一般的に普及していますが、飛行物体としては事故率が多い、不安定なものなんですね。垂直離着陸ってやっぱり人類にとってはまだハードルが高い技術なのです。まあそもそも航空力学つうのは分かってないことだらけでございまして、トンボが尾翼がないのになぜ飛べるのか物理学的に説明ができないそうです。ついでにいうとトンボは急停止、後退、垂直上昇、垂直下降、急旋回が可能でして、「なぜトンボがそんなに器用に飛べるのか」はまったく分からんそうですよ。世界中の昆虫学者と物理学者が研究しているんですけどね。 んで、確かに質問者さんが指摘するように安定して飛ぶためには今話題のドローンのように4軸にすれば確実です。おそらく安定に関しては飛び抜けて安定するし、市販のドローンでもクルッと回るような芸当ができるので、運動性も大変に向上します。 じゃ、なぜそうしないかって?私はね、偶然訓練のためにヘリコプターが着陸する近くに居合わせたことがありますが、ヘリコプターが巻き起こす風って物凄いです。オスプレイは羽二つだから、もっとすごいと思います。だからこれが4つなんてなったら、離着陸するたびに竜巻がきたように周囲をなぎ倒していくと思います。あのドローンでさえ、カメラが搭載できる大きさのものを部屋で浮かばせたら部屋にある紙という紙が舞い上がるほどの強さですからね。
その他の回答 (12)
- potatorooms
- ベストアンサー率28% (3506/12497)
どうでしょう? スピットファイアって、第二次大戦時にメッサーシュミットを破った機種は、よく着陸時に壊れたみたいですから。民間機と違って、パイロットが操作を間違えないところまで軍用機は面倒はみなくていいんじゃないかな。
補足
操縦が難しいというのは、構造に欠陥(改良の余地)があるとも言えるような気もします。 新型機は何でもそうかもしれませんが。 ありがとうございました。
- catpow
- ベストアンサー率24% (620/2527)
オスプレイの事故は、中国が支援している日本の左翼や平和団体が好きなネタです。 だから、朝日新聞を初めとして大きく報道しますが、軍隊の航空機の事故率からすれば、他の戦闘機やヘリよりも低いそうです。 なお、1つのエンジンが故障しても、無事に着陸できる設計になっているそうです。 一般的には、ヘリってプロペラにオートローテーション機能があると思うので、エンジンがすべてダメになっても、不時着時の衝撃は普通の飛行機より低いと思われます。 それから、確かにオスプレイだけでなく、一般のヘリコプタや垂直離着陸が可能な戦闘機のハリアー等は、操縦が難しいのは確かです。 余談ですが、米海兵隊に、イギリスのハリアーが採用されたとき、最初に「操縦は楽だよ」という噂が流れて、それを信じたために事故が増えたそうです。 実際には、操縦には、ヘリコプターと同様な難しさがあったわけで、それを認識してからは事故が減ったといいます。 私もハリアーの操縦席で操作するシーンをテレビで見たとき、「ヘリと同じく、これは難しい!!」と感じたものです。
補足
ありがとうございました。参考になりました。 ハリアーって一時期より廃れたイメージありますが、 それはまた別の理由なのでしょうか。 オスプレイに慣れてないのもあるかもしれませんが、 改良の余地があるような気がします。 さらに何かを積んで飛ぶんですよね。バランスが難しそうですね。
- 1
- 2
補足
新しい発想とその開発は、一旦承認が出たら、やり続けないとならない。 (いろんなしがらみもあり。) というのは、色んな分野であるでしょうね。 構想当時から月日も流れ、超飛躍する技術、新しく発見された新技術、意外に廃れる技術など出てくるでしょう。 構想当時とは変わっていく。 ん?やっぱこれ違くね?と思っても、付いた予算と威信に縛られなくなってからでないと、 廃案に出来ない。 この並列に2つエンジンの付いた機体が、軍用機で多数を占めて、民間航空機にも採用されていくかは、解らないですね。 でも、私は少数派で終る気がしてなりません。 長い歴史の中で、こういうのもありだよね?という提案で実用化されたという半ページで終る紹介になる気がします。 推進力の配置は、前後の方が秀でているという結論になる気がします。 あなたの回答は、私にとって、良い時悪い時ありますが、(冗談) 今回のご回答は読み物として非常に面白かったです。 (間違ってる部分があるかどうかも私には解りませんが。) ありがとうございました。