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「罪と罰」の酔っ払いの心理

ドストエフスキー「罪と罰」の第一章にマルメラードフという酔っ払いが出てきました。(読んでる途中) この人の心理がわかりにくかったので教えてください。 次のような人物設定です。 ・下級官吏で、妻と妻の連れ子3人(4人?)と生活している。 ・何年も真面目に働いていたが、リストラで失業して以来家に寄り付かなくなり、家財道具を売っては外で飲み続ける。 ・妻は肺病でどん底の生活。十代の娘が売春してやっと生活する。 ・やがて職場復帰を果たす。家族との関係も改善され、最初の給与をきちんと入れる。 ・しかしある日突然、仕事を放棄し、妻のサイフから給与の残りをとって出奔し、すべてを飲んでしまう。 ・五日経って家に帰る。気の強い妻に罵倒され、なぐられながら「これが快感なんだ」と叫ぶ。  心理学でこういう性格のことをなんと呼ぶのでしょうか?  妻に殴られ罵倒されることに慣れて、いつしかそれが快感になってしまったと理解してよいでしょうか?  そんなことってあるんでしょうか?

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  • ベストアンサー
  • machirda
  • ベストアンサー率57% (634/1101)
回答No.2

マルメラードフは人間の最も弱い心の一面が突出した人間の典型だと私は思います。誰でも彼のようになる可能性はあるのではないでしょうか。 悪いことだとは分かっていてもやってしまう。例えば病気になると分かっていてタバコを吸う→禁煙を試みる→誘惑に負けてタバコを吸ってしまう→自己嫌悪→そのうち罪悪感もなくなる→またタバコを吸う(そしてこのサイクルを何度も繰り返す…極端ではありますが、この心理と似ているのではないでしょうか? でもやっぱり妻に苦労させている、娘に売春をさせているということが心の奥底では非常に罪の意識として横たわっているが、そこまでの実感がないので、やはり酒の誘惑に負けてしまう。彼にとっては家族の生存権が自分の稼ぎにかかっているという実感が薄いのです。日本人にとっての遠い国の戦争のように。だから身近な誘惑に負けてしまう。 またそうやって誘惑に負けたことが耐え切れないので、酒場で自分の罪をみんなに言いふらして笑われたり、妻に殴られることで多少なりとも罪の意識からの解放と懺悔をしているのではないでしょうか。 彼が使った「快感」という言葉は肉体的な罰を受けることで、心にある罪の意識から少しばかり解放された状態のことを指していると私は解釈しました。 彼のように自ら破滅に向かうような行為を行う可能性は誰にだってありますし、またそれはなかなか自分では止められないものだと思います。 *********ここから下は少しネタばれあり(嫌だったら読み飛ばしてください)******** 後のシーンでマルメラードフは酔っ払って歩いているときに馬車に轢かれて瀕死の状態になるのです。死に際して彼は売春婦の装いをした娘の姿を初めて目にし、心臓がつぶれてもう動けるはずもないのに起き上がって「赦してくれ」と言うのです。つまり死に際に心から彼女に許しを乞うのです。その際妻が神に対して「なぜ私たちにこんな仕打ちをしたこの人が赦されて、私たちの生活はもっと悪くならなきゃいけないの!?」と叫びます。私はこの部分ですごく考えさせられました。この『罪と罰』という作品の中には、人間の持つさまざまなかたちの「罪」が描かれ、またそれに対してどう接するか…「罰によって罪はあがなえるか」、「罪は赦されることでなくなるのか」など、人間にとってとんでもなく重要な命題が提起されていると私は思いました。 ********************(ネタばれ終了)************* 私は心理学の専門家でも、文学の専門家でもない上、人生経験も少ない子娘なので、上の考えはもしかしたらとんでもなく見当はずれかもしれません。ただこの作品に結構思い入れがあったので回答させていただきました。何か参考になることがあればうれしいです。。。

epkakpe
質問者

お礼

ありがとうございます。 悪いとわかっていてもやってしまう心理は理解できます。 ギャンブルやアルコール中毒がそうですね。 マルメラードフは弱い人間ですが、アルコール中毒ではなさそうです。 「堕落する」ことに快感を感じているのかなと思いましたが、そんな快感があるのかがわからないのでこの質問をしました。 もしかしたら妻から罵倒され、殴られることに快感を得るマゾヒストなのかとも思いました。 しかし文脈からはマゾヒストではなさそうです。 「快感」に関しては、「罰を受けることの快感」よりも、「罪をおかすことの快感」の方が大きいのではと感じています。 仕事も家族も何もかもがうまくいっているときにふと魔がさして、すべてをメチャクチャにしたいという心理はありそうに思えます。 貴重なご意見ありがとうございます。 とても参考になりました。 とくにネタばれの部分は作品の解釈上重要に思われます。

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その他の回答 (1)

  • SoHeart
  • ベストアンサー率50% (13/26)
回答No.1

題名が[罪と罰]だから罪を償えてよかった。ってことじゃないでしょうか?5日も飲み歩いて誰にも怒られなかったら、普通の人はもっと遊ぶけど、この男は自分の悪い行いを十分自覚していたので、奥さんに思いっきり殴られて罪が償えてよかった。と、罪が償えたことが、快感だ、スッキリしたといったんじゃないんでしょうか?

epkakpe
質問者

お礼

ありがとうございます。 罪をあがなえてよかったというのはわかりました。 問題なのは、何故せっかく得た職を放棄してしまったのかという心理です。 自ら奈落の底へ落ちてゆく行為ですね。 自分だけでなく、家族の生存権がかかっているにもかかわらずです。

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