>植民地の住民はどんな生活だったのですか?
どんな生活か、という生活の範囲や対象をどこまでとるのかで議論の内容は大きく変わってきます。
場合によっては住民の範囲でも変わってきます。
何れにしましても支配者と非支配者の関係です。
非支配者にとっては、支配者側の政策の如何に関わらず支配される者としては共通です。
簡単に言えば宗主国側に立って行動した住民は、少なくても宗主国の国民と同等の生活水準を維持することができました。
場合によっては、宗主国の国民の平均的な生活水準を上回る生活を送ることが可能でした。
ここで注意して頂かなくてはならないのは、奴隷制度が健在だった時代と重複していることです。
上記した宗主国側の住民と奴隷とされた住民との格差はそれこそ天と地、雲泥の差がありました。
何れにしましても、宗主国の利益の最大化が目的ですから、非支配国と言いますか地域の住民の生活は二の次の問題でした。
非支配地の住民を優遇することが、宗主国にとって利益をもたらすのであれば、優遇し、冷遇することが利益をもたらすのであれば冷遇しました。
インフラの整備も教育も宗主国にとって利益になれば積極的に投資して整備しました。
この点につきましては、インフラの充実や教育の普及がもたらした恩恵を評価して、植民地支配は正当であったという議論は現在も続いています。
この評価の適否は現在の欧米諸国にとっては、深刻な問題です。
移民政策にも強い影響を及ぼしています
このように、その時々の宗主国側の事情や状況次第ですので、一概にこうだというのは非常に難しくなります。
英仏と敢えて比較するということは、政策の違いを議論することになります。
その違いのどの部分が、被支配者の生活のどの部分に影響をおよぼしたのか、という視点の違いでも議論が分かれます。
非支配地域の社会制度の習熟度合いや制度でも、支配方式は異なっていますので、宗主国側の相違だけでは議論はできなくなります。
例えば、アメリカはかつては英仏両国の植民地でした。
英仏が支配したのは、自国を初めヨーロッパから移住した住民でした。
インドやベトナムは英仏よりも古い歴史をもった地域でした。
支配したのは英仏人よりも古い歴史をもつ現地の住民でした。
このように、アメリカの事例とインドやベトナムの事例を同一に扱うことは無理です。
これを無視して、一括で議論しようとしますと誤解と混乱を招くだけです。
以上のようなことですので、少なくても何時の時代のどの地域と限定して頂いた方がよろしいかと思います。
参考
植民地主義 - 世界史の窓
www.y-history.net/appendix/wh0901-054_0.html
奴隷貿易I~奴隷制度の歴史~ - ベネディクト 地球歴史館
www.benedict.co.jp/Smalltalk/talk-90.htm
〔研究ノート〕 フランスの植民地政策と歴史問題
www.musashino-u.ac.jp/facilities/institute_of_political_econ...
ー930年代フランスの植民地政策に関する一考察
ir.lib.fukushima-u.ac.jp/dspace/bitstream/10270/2319/1/3-103...
イギリス植民地支配とインド
econgeog.misc.hit-u.ac.jp/mizuokazemi/mzlab/yamashita/yamash...
フランス統治の時代:ベトナムの歴史 - nifty
homepage1.nifty.com/Cafe_Saigon/03b6.htm
植民地主義の中の言語政策ーL.ソシュール - 外国語教育論講座
www.flae.h.kyoto-u.ac.jp/~nishiyama/13_Kikuchi_sotsuron.pdf
お礼
細かい解説ありがとうございます。 宗主国によってさまざま異なるのですね リンクも参考になります。 今色々見ていました。 ありがとうございました!