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原子物理の困りごと!光の振動数に関する問題に挑戦しましょう!
- この質問は、京都大学の物理学の問題で、原子物理に関するものです。
- 質量がmで振動数がν0の吸収線を持つ原子と、レーザー光の振動数がνであるx軸負の方向に照射されている状況が考えられます。
- 解答では、原子が吸収する光子数、費やされるエネルギー、およびレーザー光の振動数の変化量を求める方法が説明されています。
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高校物理にしては、難しすぎますね。さすが京大! 冗談はさておき、解いてみますが、フォントによっては速度「v」(ブイ)と、振動数「ν」(ニュー)の区別がつかなくなる場合があるので、振動数を「nu」(ニュー)と書きます。 1個の光子のエネルギーは E1 = h * nu (A) 運動量は p1 = h * nu / c (B) と定義されます。(何故こうなるのかは、大学に入って学んでください) 一方、原子の運動エネルギーは(相対論の効果を無視すれば) E2 = (1/2) * m * v^2 (C) 運動量は p2 = m * v (D) です。 「原子は光を吸収するとき x 軸負方向に力積を受け」というのは、原子と光子が衝突するのと同じで、運動量が保存されるということです。(エネルギーは、原子内部の励起エネルギーも含めて保存されるので、原子の運動エネルギーだけでは保存されない) つまり、最終的に原子は停止したので、「(1)原子の吸収した光子数」 n の x 軸負方向の運動量と、当初の原子の x 軸正方向の運動量の和がゼロになるということで、 (-p1) * n + p2 = 0 が成立するということです。 これより、(B)(D)を使って h * nu * n / c = m * v よって、 n = m * v * c / ( h * nu ) (E) 次に、「(2)費やされたエネルギー」は、(E)を(A)にかければよいのです。 つまり、 E1 * n = h * nu * m * v * c / ( h * nu ) = m * v * c 「(3)レーザー光の振動数変化量」は、実は私にも問題の意図するところがよくわかりません。 おそらく、吸収線の振動数に対する「ドップラー効果」のことなのだと思いますが、上の(C)(D)のところで書いたように、「相対論の効果は無視」、つまり光速度 c に対して、原子の速度 v は無視できるほど小さいことを想定しているので、ここで突然「光速度 c と原子の速度 v の相互関係」みたいな話を持ち出すのは、ちょっと理解できません。 ドップラー効果の話だとすると、原子は「振動数 nu0 の吸収線」を持つということは、振動数 nu0 の光を吸収するということですから、原子の速度 v で光源に近づく場合に対しては、吸収されるレーザ光の振動数 nu1 は、 nu1 / (c + v) = nu0 / c となる必要があります。「光速度 c に対して、原子の速度 v は無視できるほど小さい」と仮定すれば、nu1 ≒ nu0 でおしまいです。 原子の速度 v → 0 に従って、レーザ光の振動数が nu1 → nu0 に変化したとすると、その変化量は nu1 - nu0 = nu0 * (c + v)/ c - nu0 = (v/c) * nu0 となります。 一応答えは出ますが、原子の速度に従ってレーザ光源の振動数が変わるという仮定自体が、何か不自然だなあ、と思います。 質問者さんの「解答では nu を最初の値を一定の値として(1)の答えを出しているのですが、nu も v も常に変化すると思うのでよくわかりません」と書かれているのは、極めてまっとうな感覚です。模範解答を無条件にうのみにせずに自分の頭で考えるという、理科系としての基本とセンスができていると思います。 今後も、そういう視点で頑張ってください。
お礼
ありがとうございます! 丁寧に説明してくださり、あやふやだったところ(特にエネルギー保存のところ)もすっきりしました! ドップラー効果については前半で誘導がありました。説明不足で申し訳ありません。 「nuとvは変化するので…わからない」のところは実際に数値を代入すると、(ここも具体的な数値が単位とともに与えられていてました。説明不足ですみません。)最初のnuが10の14乗のところで、(3)の答えnuの変化量は10の8乗のところだったので、「微小変化」なので近似的に考えると最初の値を使ったのも納得できました。 だけど問題にも元々あった解答にも近似等という言葉はなかったので 不自然に思うのもまっとうと言って下さり、自分の感覚にも安心できました。 こんなに早く、詳しい解説をしてくださり、ありがとうございました!!!