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コンプレックスとい言葉の使われ方についての疑問
コンプレックスって劣等感を意味する言葉として扱われる事が多いと思うんですが、それは使い方として正しいんでしょうか?。辞書には <━━ a. 複雑な, 理解[説明]しがたい; 複合の; 【文法】複文の. ━━ n. 集合[複合]体; 建築物の集合体[棟], コンプレックス; 【心】複合, コンプレックス; 固定観念; (理由のない)恐怖感; 【化】錯体> との表記がされています。 あと、コンプレックスという言葉はファザコンやロリコンという言葉としても使われていますよね?。この場合のコンプレックスは何を意味しているんでしょうか?。
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>コンプレックスって劣等感を意味する言葉として扱われる事が多いと思うんですが、それは使い方として正しいんでしょうか? 普通の人の「日常会話」のなかで使用される場合は、大体「劣等感」という意味で使われていると考えてよいです。また、使い方は、これで現在の日本語として正しいです。 「普通の人」でない場合というのは、実際に会話で使うかは知りませんが、「ABC(工業)地域での石油プラント・コンプレックス」というような言い方はあります。プラント関係、工業・技術関係、また建築関係だと、「施設・建造物の集合体・複合体」のことを、カタカナで、「コンプレックス」と表現する場合があります。 こういう場合は、「集合体」とか「複合体」という言い方が、一般の人にも理解できるように日本語訳を造っているのだと思えます。 コンプレックスというのは、英語だと complex ですが、これはラテン語からの派生語で、com+plex で、plex は「折れ・絡み」という意味で、com は「共に」という意味で、これらが合わさって、「共に絡み合う」というような意味で、「複数のものが複雑に絡み合っている状態・もの」を指します。従って、「複合」というのが、もっとも素直な訳語です。 日本語の日常会話で使われる「コンプレックス」は、「劣等感」というような意味合いですが、「劣等複合」という風にも表現できます。この場合は、英語の inferiority complex の訳語になっていて、「劣等性をめぐる感情複合」という意味で、ここから「劣等感」というような意味になってきます。 日常会話でもっともよく使う「コンプレックス」は、(臨床)心理学の用語の「コンプレックス」で、この場合は、一般的な訳語としては、「感情複合」という言葉で表現します。 ------------------------------------------ これは元々、スイスの精神医学者・心理学者であったカール・ユングが提唱した概念で、ユングは、「強い感情と複合した或る種の表象・観念の集合体」を、この用語で表現しました。例えば、「蛇」とか「爬虫類」の類は、多くの人にとって、気味悪いとか、怖いという感情を引き起こします。 以前に蛇に噛まれたとか、何か嫌な経験や怖い経験があるなら、合理的に、気味悪いとか嫌だとか、怖いという感情も理解できるのですが、初めて蛇を見る子供でも、「怖い・気味が悪い」という感情を持っていることがよくあるので、ユングは、これは個人の経験に基づく「嫌悪感・恐怖感」の感情ではなく、合理的に説明の付かない「遺伝的な、感情と表象・観念の複合」が、人間の心のなかにあるためだと解釈しました。 上で述べた、「蛇が怖い」という理由として、ユングは、個人の経験ではなく、遺伝的に伝わる、無意識のなかの「Archetyp(アルヒェテュープ,古態型・原型)」というものを考えたのですが、これが、合理的には理解できないが、そういう結合が出来ている「感情と表象・観念の複合体」の基本的な例です。 ユングは、こういう「複合体」を「コンプレックス Komplex」と名付け、それは「感情複合・観念複合」と訳されます。 「固定観念; (理由のない)恐怖感」というのは、上の「蛇・爬虫類」をめぐる「感情複合(恐怖や気味悪さ)」などを考えると、何故、コンプレックスで、こういう意味になるのかが分かるでしょう。 なお、フロイトの創始した「精神分析」にも、この「コンプレックス」という言葉はたくさん出てきて、「エディプス・コンプレックス」(男の子と主に母親のあいだで生じる感情複合)や「エレクトラ・コンプレックス」(女の子と主に父親のあいだで生じる感情複合)などがありますが、本来は、「ユング心理学」の用語・概念で、精神分析の方で、用語を借用したのです。 何故、コンプレックス(感情複合)が、劣等感のような意味になったかと言えば、フロイトから袂を分かったアドラーが立てた「人格心理学」において、「劣等複合」が人間の心理形成においてもっとも重要だとアドラーは主張し、このアドラーの「劣等複合」が、日本人の心理を説明するにおいて、かなりモデルとして分かりやすく、うまく当てはまったためです。 フロイトの精神分析では、人格形成で重要なのは、「エディプス複合」です。しかし、これは、父権制社会であり男性優位社会である西欧文化における、男の子の心理発達や形成の説明としては納得が行く所が多くあるのですが、日本は母権制社会であり、「エディプス複合」は、日本人の心理の説明としては、「?」なところが多々あったのです。しかし、アドラーの「劣等複合」は、日本人の心理の説明として、なるほどと思えるところが多々あったので、「劣等複合」が、コンプレックスの代表ともなったのです。 ------------------------------------------ >あと、コンプレックスという言葉はファザコンやロリコンという言葉としても使われていますよね?。この場合のコンプレックスは何を意味しているんでしょうか? 「ファーザー・コンプレックス」「マザー・コンプレックス」「ロリータ・コンプレックス」などの「コンプレックス」は、劣等感ではなく、「感情複合」という基本意味で理解するのがよいです。 マザコンとかロリコンというのは、別に「母親に劣等感」を抱いているのでもなく、「ロリータに劣等感」を抱いているのでもありません。マザコンの場合は、男性として心理的成熟が未熟で、母親との心理的同一化が顕著で、母親に甘えかけ依存し、「独立した男性としての自覚や心理や行動が未成熟な男性」のことを言います。これは、日本版のエディプス複合とも言えますが、「母親とその息子のあいだの日本的感情複合」の一つのパターンと言えます。 「ロリコン」は、思春期の少女・若い少女に対する男性の感情複合だというのが、(本来の用法の)一般的な説明になります。英語でも、Lolita complex と云います。何故なら、元々「ロリータ lolita 」というのは、アメリカ文化の概念で、ウラジミール・ナボコフの『ロリータ Lolita 』という小説に出てくる少女の名前から来ており、「未成年の少女であって、意識的か無意識でか、成人男性を性的に誘惑する存在」のことを言います。 pedophilia は、「小児性愛」とも言い、少年・少女に対する性的欲求をめぐる感情複合または心理や行動で、「性的対象異常」に分類されますが、「ロリコン」は少女に対する感情複合で、少年は含みません(無責任で、いい加減なことを言う人が大勢いますが、どうしようもありません)。 「ロリコン」は非常に多様な意味や、ヴァリエーションがあるので、一概に論じることができません。元々の「ロリータ」は、ローティーンの女の子は含まなかったのですが、アメリカでも境界が曖昧になってきて、日本では、もっと曖昧で多様なものになってしまっています。
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英語では 劣等感の意味で complexは あまり使いませんね。 infeority complexという言葉はあるけど、日常的ではありません。そういう言葉 他にもあります。stressとか demagogie,sabotageとか、、、。 これは もともと英語などの専門用語が日本語に借用され 日本で意味が拡大解釈や歪曲されたりして、日常語語化したものです。 ファザコンは マザコンに倣って作られた言葉ですね。 どちらも和製英語ですが。まあ、精神的に錯綜していることから来ているのでしょう。ロリコンもやはり 性欲が錯綜しているんでしょう。これらの言葉の特徴は 単なる心理状態だけでなく、そういう性癖を持った人までも指すことです。ところで、ロリコンは英語でなんと言うのかな?pedophileでいいのかな?
- Diogenesis
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日本語においてコンプレックスが もっぱら劣等感を表わす用語として流通するようになったのは 戦後まもなくアドラーの学説が紹介され 人気を博したことが契機になっていると思われます。 本来,心理学用語としてのコンプレックスに 劣等感という意味あいはありません。 「複合」を意味するこの用語を 心理学に持ち込んだのはユングで, 「感情に色づけられた表象(記憶や想像の内容)の複合」 という意味あいで用いています。 要するにさまざまなコンプレックスがありうるわけで, フロイトがエディプスコンプレックスを最重要視したのに対し, アドラーはインフェリオリティ(劣等)コンプレックスを 自らの理論の中心に据えました。 アドラーはユングとともに 精神分析の黎明期にフロイトを支え その発展に貢献した人ですが, 後にフロイトと袂を分かち 個人心理学という独自の学派を立ち上げます。 器官劣等に由来する劣等コンプレックスが 自我防衛機制の一種である補償のはたらきによって 権力への意志を生み出していく過程を重視して, アドラーは自らの理論と療法を構築したのです。 ユングの考えた本来のコンプレックスについては 河合隼雄による岩波新書「コンプレックス」を参照してください。 なおコンプレックスは 深層心理学系の学派固有の概念であって, 心理学一般に広く通用するものではありません。
- aminouchi
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complexという語は心理学(より詳しく言えば精神分析)の用語として「劣等感」という意味があります。コンプレックスと国語辞典でひけば劣等感という意味がはじめに出ています。また精神分析から出てきた用語ファザコン(ファーザーコンプレックスの略)、マザコン(マザーコンプレックスの略)、ロリコン(ロリータコンプレックスの略)、エディプスコンプレックスなどは単純な劣等感ではなく、「無意識によって抑圧された劣等感」のことですから、使い方が間違っているわけではありません。 日本語と英語の違いというより、言葉はその学問ジャンルや使用場面(コンテキスト)によって同じ言葉が異なる意味を持つことはよくあります。例えば英単語で言えばoperationという語はもともとは「働き」「作用」「運転」「行動」などの意味を持つ言葉ですが、数学分野なら「演算」、病院でなら「手術」、軍隊でなら「作戦」、商業用語としては「(資金の)運用」という用に異なった意味があてられます。 また、同様に日本語でも例をあげれば頭金という言葉は商業的な場面で使えば借金をしたり、ものを買ったりする時に最初に払うまとまったお金という意味になりますが、将棋では王の上に金を打たれて詰むことを意味します(ぱっと良い例を思いつきませんでした)。この時、辞書に後者の意味が出ていないからと言って使い方が間違っているわけではありません。 結論としてコンプレックスという語を「劣等感」という意味で用いても誤りではありませんし、むしろその意味で使う方が普通だと思います。 また、蛇足ですが「複合体」という意味のコンプレックスを使うものとしてシネコン(シネマコンプレックス)という言葉もあります。
- machirda
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手持ちの英和辞典によると、complexという項目の下のほうに、 (1) 心コンプレックス,観念複合 例)an inferiority [a superiority] ~劣等[優越]感. (2) (…に対する)固定[強迫]観念,コンプレックス;理由のない偏見,嫌悪《about...》 例)a guilt ~罪の意識. という説明が出ています。どちらかというと心理学分野の術語として使われるものだと思います。
- TK0318
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英語と日本語で使われ方が違う単語があります。 英語では上記のとおりですが日本語でコンプレックスは劣等感の意味で使われています。 ファザコンなどは精神分析で使われている用語ですね。上で言うと「【心】複合」にあたるかと。