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ミューオンの崩壊についての質問!非相対論的な運動量保存問題
- ミューオンの崩壊について、非相対論的な近似を使った運動エネルギーの計算方法についてわかりません。
- 電子の最大運動エネルギーの計算式は E = ((m1 - m2)^2 - (m3 + m4)^2)c^2/2m1ですが、どのように導出するのか教えて欲しいです。
- 電子の飛び出し方向を水平面とし、ミューオンニュートリノと電子ニュートリノの飛び出し角度をθ1とθ2とした場合、運動量保存の式はどのようになるのか、教えてください。
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運動量保存ですが,少し今の状況を考えなければいけません. どういうときに電子が最大の運動エネルギーを持つかというと 「電子の飛び出した方向と逆方向に2つのニュートリノが飛び出す」 といった場合です. つまり,tess さんのおっしゃる θ1,θ2 はπとなります. (電子の飛び出した方向からθ1,θ2をとってるとしました) また,崩壊は μ → ν_μ + W …(1) のようにいったんウィークボソンを出してから W → ν_e + e …(2) と崩壊します. (1)のときの運動量保存を考えると 0 = p3 + p_W となります. 2体崩壊なので p3 と p_W は大きさが同じで逆向きです. 次に(2)の運動量保存がウィークボソンWの静止系でみると (1)と同様 back to back に崩壊します. これらのことから p3 = p4 = p2/2 であることがわかります. 簡単のために自然単位系(c=1)を用いると, エネルギー保存は m1 = √(m2^2 + p2^2) + √(m3^2 + p3^2) + √(m4^2 + p4^2) とかけます. あとは,電子の最大運動エネルギーTが T = √(m2^2 + p2^2 ) - m2 であることを使ってひたすら計算です. 本当は (m2)^2 と書いたほうがよさそうですが 見づらくなったので m2^2 としています. m1 = T + m2 + √(m3^2 + (1/4)p2^2) + √(m4^2 + (1/4)p2^2) ⇔ m1 - m2 - T - √(m3^2 + (1/4)p2^2) = √(m4^2 + (1/4)p2^2) 両辺2乗して (m1 - m2 - T)^2 - 2(m1 - m2 - T)√(m3^2 + (1/4)p2^2) + m3^2 = m4^2 ⇔(m1 - m2 - T)^2 + m3^2 - m4^2 = 2(m1 - m2 - T)√(m3^2 + (1/4)p2^2) m1-m2-T ≠ 0 に注意して ⇔(m1 - m2 - T) + (m3^2 - m4^2)/(m1 - m2 - T) = 2)√(m3^2 + (1/4)p2^2) 再び両辺2乗して (m1 - m2 - T)^2 + {(m3^2 - m4^2)/(m1 - m2 - T)}^2 + 2(m3^2 - m4^2) = 4m3^2 + p2^2 ⇔(m1 - m2 - T)^2 + {(m3^2 - m4^2)/(m1 - m2 - T)}^2 + 2(m3^2 - m4^2) = 4m3^2 + T^2 + 2Tm2 ⇔(m1 - m2)^2 - 2Tm1 + {(m3^2 - m4^2)/(m1 - m2 - T)}^2 - 2(m3^2 + m4^2) = 0 ここで,ニュートリノの質量が小さいことから {(m3^2 - m4^2)/(m1 - m2 - T)}^2 の項を無視すると (m1 - m2)^2 - 2Tm1 - 2(m3^2 + m4^2) = 0 ⇔ T = { (m1 - m2)^2 - 2(m3^2 + m4^2) } / (2m1) となります. m の横には常に c^2 がつくことを考えれば元の単位系にはすぐ戻せます. 近似の順序が少し違ったのか tess さんの示されたものとは異なる結果になっていますが, m1,m2 などから見ると m3,m4 の大きさは同程度なので (m3 + m4)^2 と 2(m3^2 + m4^2) は同程度になります. どの段階で近似したら質問文の結果が出るんでしょう… 確かめてないので上記回答はご参考までに.
お礼
本当にありがとうございました。大変参考になりました。ぜんぜんわかっていないことに気づいたのでしっかり勉強しようと思います。お忙しいところ本当にありがとうございました。