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なぜ化学は混合物から始まるのか?
高校の化学は、物質を混合物、純物質、化合物、単体に分けることから始まるようです。 しかし、化合物を理解するための基礎知識として必要不可欠な「化学結合」を教えるのは、ずっと後になってからです。 化学結合がわからなければ、あるいは、物質を化学式で表すことができなければ、混合物と化合物を混同してしまうのは自明の理です。 どうしてそのような順序(化合物が先、化学結合が後)で教えるのでしょうか? 教科書の順番、というのであれば、どうして教科書はそのような順番で記載しているのでしょうか? よろしくお願いいたします。
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- apple-man
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>教科書の順番、というのであれば、どうして教科書はそのような順番で記載しているのでしょうか? 質問からもうだいぶ時間がたっているようですが、 ご参考まで。 学校の勉強というのは全て、歴史を追って 教えることを基本としています。ですから、 効率良く並べ替えないばかりか、今となっては 誤った認識や考え方であるような内容も、基礎と して組み込んであります。 今の電子の状態を基礎とした化学結合と いう考え方も万能ではありません。この 考え方が究極の真実で、人間が深く理解 いしているなら、理論的に全ての化合物を 作り出す事ができるはずです。 つまりこうゆう特性の物質が欲しいと 思ったら、コンピュータシミュレーションで 必要な結晶構造を割り出し、それができるための 温度、圧力といった条件が求めれるはず ですが、実際にはそんなことはできず、 必ず試行錯誤しなければなりません。 必要な特性の化合物を作り出すことは、今 でも容易なことではなく、実験で試行錯誤 する必要があります。それは理論が完璧 でないからです。 化学結合から教えたら、それがみな 動かぬ真実、基本原理と信じやすくなり、科学の 発展という事を考えたとき、決して いいことではないんです。
- takkochan
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>いきなり知識を与えられても、関連づけられる既知事項が無ければ、ただの丸暗記 仰ることは良くわかります。 >『化合物』という知識は、『化学結合』という知識を取得してから学んだ方が、無理がないのではないか?という事です。 これまでにも書いてきましたが、化学結合の理論を理解するためには、化合物についていくつか例を知っておく必要があるということです。 算数で足し算を習う前にある程度数字を知っておくことが必要であるのと同じです >金属ナトリウムと塩素ガスが混合されれば塩化ナトリウムが生成されるのでは、と思っていますが違いますか? 失礼かもしれませんが、金属ナトリウムを見られたことがありますか?塩素ガスを扱われたことがありますか? どちらも高校の化学実験で扱うことはまずありません。金属ナトリウムは、たいへん反応性に富みますし、塩素ガスは有毒です。 高校で、塩化ナトリウムを作るとすれば、塩酸と水酸化ナトリウムの混合が普通でしょう。食塩水ができます。 >混合しただけで(化学反応を起こして)変化する物質(の組み合わせ)もあるのに、混合物と化合物を(化学結合抜きで)どうやって説明すれば正しい理解を得られるのか?という事です。 最初にあまり難しい話をするのは良くありません。これまでにも書いてきましたが、混合物と化合物を学ぶ段階では、混じったものと複数の元素の入った純粋なものの区別がつけばよいのです。食塩水は、食塩と水の混合物。食塩と水はそれぞれ純粋な化合物。 これでは暗記になるといわれれば確かにそういう側面はあります。しかし、だからといって、塩化ナトリウムのイオン結合が・・・ということをいきなり言われれば、そもそも塩化ナトリウムとはどんなものなのか知っていることが前提となります。そのことの方がよほど難しいのでは? 先の例でもそうですが、塩化ナトリウムは、小学校でも扱いますが、金属ナトリウムも塩素ガスも、高校ではまず実験においては扱いませんし、大学の化学科でも必要が無ければ扱いません(使うとすれば、卒業研究で必要な場合のみ、下手をすれば、高校の化学の先生でも扱ったことの無い人はいるでしょう。私自身、金属ナトリウムは扱っていますが、塩素ガスのボンベを実際に扱ったことはありません。すでに化学者として20年以上勤務していますが)。 化合物について学ぶ時に化合物の各論を全て学ぶわけではありません。あくまで導入であり、化合物と混合物、その他についてその定義とわずかな例を学ぶだけです。その後、仰るように、様々な理論などを学び、その後、詳しく各論も学ぶことになります。 正直申し上げて、化学結合を学んだ後でも、各論をやっていく段階では、記憶しなければならないことが多くなり、大学受験を目指すうえではある程度の暗記がやむを得なくなる点は事実としてあります。 この点は、日本化学会等でもずっと議論されており、毎年のように、具体例をあげて、この問題は、むやみな記憶力を必要とし、入試問題としてふさわしくないなどの提言がなされます。 私も、andas様と同じように、むやみな暗記は良くないという立場です。しかし、化学結合より先にある程度の化合物に対する知識は必要であるというのは事実です。化学は、実際に物質を扱う学問であり、理論の説明には、具体的な例が必要です。その際、最低限の記憶は必要であると考えます。 なお、このような回答もそれなりに時間を要します。回答、質問共に堂堂巡りの感があり、この質問に答えるのも正直言って疲れてきました。どうしても、納得がいかなければ、高校をお訪ねになり、化学の先生にご相談されたら如何でしょうか?
- takkochan
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No.15のお礼および補足に答えておきます。 >『化学を愛する者として、化学を愛する後輩が続出するようなわかりやすい化学の教え方とはどのようなものかを提案したい』とのことですが、これは、高校の化学を十分理解している方と判断してお答えしてよいということでしょうか? 基本的に、私も無用の知識を丸暗記することは化学を好きになる上で障害にあるという点で一致しています。但し、学ぶ上で最低限のことは覚えないと先に進めないことがあるというのも事実で、どこまでの知識が最低限必要であるかは、日本化学会等でもしばしば問題になり、私の個人的判断でどこまでだとはいえないのは事実です。 >塩化ナトリウムが、塩素とナトリウムの混合物であると『認識してしまった』高校生に対し、どのような説明をすれば化合物と認識しなおしてくれるのでしょうか? これは、結合云々の前に、塩素は、気体である事、ナトリウムは、金属で、これらを混合しても、白い結晶の塩化ナトリウムにはならないことは、一目瞭然です。 逆に、この程度の認識も無い段階で、ナトリウムと塩素の結合を教える方がずっと難しいと思います。ナトリウム原子とイオン、塩素分子、塩素原子、塩化物イオンの認識、イオン結合、金属結合、ここでは関係ありませんが、共有結合などなど、化学を学び始める高校生に化合物、混合物の認識も無い段階で理論を学び続けさせるのは困難です。延々とわけのわからない理論の授業が続くでしょう。 >化学結合の知識がなければ、ナトリウムと塩素が適当量ずつ混ざってできた混合物が塩化ナトリウムであると認識していたとしても不思議はありません。 上記のように、ナトリウムと塩素の混合物が、塩化ナトリウムとは異なることは、結合の認識が無くても十分に理解可能です。 >化学結合の知識無しに化合物を教えるとなると、1物質ずつ説明しなければならないハメに陥るように思われるのです。 確かに、上述の認識できると書いたのは、塩素、ナトリウム、塩化ナトリウムという区別のつきやすいものに限定されるかもしれません。しかし、高校化学の初期段階で、延々と個々の化合物の説明を続けるわけではありません。教科書に載っている程度の量ならそれほど困難とも思えません。 逆に、全く化合物などの知識の無い段階で、結合を教えるには、例を示すこともできないのではないでしょうか。例に示すもの自体を学んでいないのですから。 >お子様は、食塩が純物質であるということを知っていたのでしょうか?それがただの『知識』であれば、汎用性は全く無く、『化学は暗記』と言われても仕方のないモノになってしまいます。 食塩が純物質だということは、単なる知識です。食塩水が混合物であることは、学校で実験をやり感じているようです(食塩水を蒸発させたら、食塩が析出してきたので)。 このことから、食塩が純物質である(厳密には混合物ですが、かなり高純度ですので純物質と呼んで差し支えないと思います)ことが、単なる知識だからといって汎用性は全く無く、『化学は暗記』と言われても仕方のないモノになってしまいます、というのはいいすぎかと思います。 小学生が、食塩を純物質と知っていても、それがやたらと苦労して覚えたものとは思いません。逆に、ほとんど化合物の知識も無いのに、化学結合についてすらすら説明できたら、それこそ丸暗記だと思います。 最終的には知識と理解のバランスだと思います。 化合物の最低限の認識は化学結合の説明をする上で必要です。 もしなんでしたら、化学結合を教えるシミュレーションを考えて見られたら如何でしょうか。ある物質中の結合を考える場合、基本的に純物質で考えるはずです。いきなり、食塩水中のナトリウムイオンや塩化物イオンの水和の話などしないはずです。塩化ナトリウムという純物質のナトリウムイオンと塩化物イオンの結合を考えるはずです。 この時点で、塩化ナトリウムが純粋な化合物であることは、知っておくべき事実だと思います。ここに他の物質が同時に混合物として存在していたら、その物質との相互作用など、より困難な問題が生じるか旺盛もあります。 まずは、どちらの内容がより単純か考えて見られることだと思います。
- takkochan
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他の補足にも答えておきます。 >塩化ナトリウムを「ナトリウムと塩素の化合物である」と認識するためには、化学結合の知識が必要です。 最初は、「塩化ナトリウムは、ナトリウムと塩素からなる化合物である」という理解でも十分です。 逆に、塩化ナトリウムというものを知らない人にその結合を教えるのは困難です(繰り返しになりますが)。 >人類に化学結合の知識が無ければ、化合物という[概念]は存在しないはずです。 前にも書きましたが、化学結合の知識なしに化合物の漠然とした理解は可能です。 私も日々、天然物質の構造解析などやっておりますが、純粋にした(可能な限り)時点で、化合物としての漠然とした認識を持ちます(漠然とは、純物質だという意味で、構造や結合は判明していない)。 最終的には、構造や結合がわかって、より高い化合物としての理解になるわけで、そのレベルでは化学結合の理解は不可欠ですが、漠然とした化合物の理解は、化学結合の理解よりも先にたちます。物質が純粋か混合物かわからない時点では、化学結合のことなど全く考えません。もし、混合物であった場合、結合を考えても、混合物の混じった情報しか与えませんから解析を複雑にしてしまいます。あくまで、純粋にした上での化学結合なのです。先に化学結合ありきというのは、実は理論だけの机上の空論なのです。
- takkochan
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すいません。しばらく見ておりませんでした。 andasさんが、どのような立場(高校生、親、高校生に化学を教える立場の方、かわかりませんので、効率の良い答ができていないのかもしれませんが・・・ >『高校生に教えるにあたり、わかりやすい教え方の順序とは?』という事で、専門家としてのご意見をお聞かせ下さい。 高校生、特にまだ、化学を習っていない最初の段階の生徒に教えるわけです。混合物、純物質、化合物、単体というのは、ものとして把握可能です。塩化ナトリウムの話をする前に、イオン結合を知らなくても、なめると辛い食塩を純粋にしたやつと理解する程度でも最初は良いわけです。 逆に、混合物、純物質、化合物、単体を全く知らずに、塩化物イオンとナトリウムイオンのイオン結合は・・・と教えた場合どうでしょう。塩化物イオン、ナトリウムイオン、イオン結合、全て知らないのにどうやって説明しますか? 失礼かもしれませんが、DNAを考えてみましょう。もし結合が先で、化合物が後であれば、DNAに含まれる糖、リン酸、核酸塩基、核酸塩基間の水素結合などについて、糖(デオキシリボース)、リン酸のホスフォジエステル結合、核酸塩基(4種類)、水素結合(組み合わせ)をこれらの物質の化合物としての認識なしに結合として理解できなくてはなりません。しかし、結合の詳細はしらなくても、糖とリン酸が鎖をつくって、その枝として核酸塩基が出ている化合物というざっとした認識でも初期段階では良いわけです。 まず、創造力を働かせるには、形あるものから入る方がわかりやすいと考えます(食塩の粒は、目に見えても、結合自体は目に見えない)。 先に、DNA物語を例にしたのは、単なる物語の面白さだけではありません。 その物語の中で、科学者たちは、DNAを化合物としては認識しているのだけれども、塩基間の結合についてはわかっていないわけです。それを、解明する過程のドラマが、このドラマの楽しみなのですが、同様に、化学を学んでいく高校生も、わかりやすい目に見えるものから学んでいった方が、私はわかりやすいと思います。 ちなみに、化学結合は、難しいということで、以前に比べて、高校化学からかなり削除されています。これが良いかどうかはまた別の問題ですが、マクロからミクロに話しを進めていくのが理解しやすいと思います。 >『2種以上の元素が化学結合している物を化合物という』 >『2種以上の元素(や純物質や混合物)が物理的に混合している物を混合物という』 はじめは、 『2種以上の元素からなっている純粋な物を化合物という』 『2種以上の純物質が混合している物を混合物という』でも良いのではないでしょうか。 >この2つ(混合物と化合物の定義と違い)を教えるためには、物理的混合と化学結合の2つの知識が必要なはずです。 必ずしも必要ではありません。 塩化ナトリウムと純水(厳密には100%純粋な物質を得ることは、ほとんど不可能ですが、理解する上では、それぞれ純物質と仮定)を用意して、それぞれは純粋な化合物。塩化ナトリウムを水に溶かした溶液は、混合物とい理解には、化学結合の知識は必要ありません。 今、我が家の小学生に確認したところ、化合物という言葉は分からない(知らない)けれども、食塩、水(厳密には混合物であるが、一応純物質とみなす)は純物質、食塩水は混合物ということを知っていました。さらに食塩水から食塩を取り出す方法を聞いたところ、蒸発させればよいと知っていました(小学校で実験済とのこと)。 このように、化学結合という言葉は知らなくても、純物質、混合物はすでに小学生でも理解可能です。化合物、単体という観念はまだありませんが、とりあえず、化学結合を知らなくても、1つの元素から成る純物質が単体、複数の元素からなる純物質が化合物と教えた上で、いくつかの化合物、混合物を判別させたところ、小学6年生でも、全て言い当てました。 逆に、化合物の観念無く結合を理解させるのは無理だと思います。具体例の無いところに、結合の観念を持ち込むのですから。
お礼
じっくり読ませて頂きましたので、お礼が遅くなりました事をお詫びいたします。 数度のご回答、本当にありがとうございます。 私の立場は『化学を愛する者として、化学を愛する後輩が続出するようなわかりやすい化学の教え方とはどのようなものかを提案したい』です。
補足
では、塩化ナトリウムが、塩素とナトリウムの混合物であると『認識してしまった』高校生に対し、どのような説明をすれば化合物と認識しなおしてくれるのでしょうか? 化学結合の知識があれば、ナトリウムと塩素が1対1で結合し化合物となる事が理解できます。 しかし、化学結合の知識がなければ、ナトリウムと塩素が適当量ずつ混ざってできた混合物が塩化ナトリウムであると認識していたとしても不思議はありません。 このように、化学結合の知識無しに化合物を教えるとなると、1物質ずつ説明しなければならないハメに陥るように思われるのです。 さらに、ご家族までご協力頂いてありがとうございます。 ですがなぜお子様は、食塩が純物質であるということを知っていたのでしょうか? 失礼ですが、それがただの『知識』であれば、汎用性は全く無く、『化学は暗記』と言われても仕方のないモノになってしまいます。 せっかくですのでそこまでご調査頂けませんでしょうか? よろしくお願いいたします。
- 38endoh
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ひとつ気になることがあるのですが,高校化学の教科書では,化合物はどのように定義されているのですか? もし, > 『2種以上の元素が化学結合している物を化合物という』 と書かれているのでしたら,当然,化学結合を先に教えなければなりませんね。でないと,生徒はその定義の意味を理解できませんから。こうなると是非を議論するというレベルではなく,明らかな欠陥教科書だと思います。実際はどうなっているのでしょう? > 塩化ナトリウムを「ナトリウムと塩素の化合物である」と認識するためには、化学結合の知識が必要です。 いや,そんなことはないと思いますよ。もし「塩の組成式はNaClだから化合物」と理解させたいのであれば,確かに原子の知識も化学結合の知識も必要でしょう。しかし「塩は金属ナトリウムと塩素ガスから『化ける』から化合物」と教えるのであれば,原子も化学結合も関係ありません。実際,歴史的にはこのような概念から始まっています。 以降,私感を述べさせていただきますが,化学の魅力とは,この「化ける」現象の不思議さだと思います。私自身の体験ですが,小学生のころFFガス暖房の排気を見て,都市ガスを燃やすと水蒸気が発生することを知りました。これは当時の私にとって「火を消す水から水がでる?」と非常に大きな疑問でした。結局この疑問は高校に進学するまで解決しませんでしたが…。直感的理解の容易な物理現象とは異なり,この「直感理解不可能な神秘さ不思議さ」に化学の魅力があるのだと思います。 私自身のこのような経験から,初学者への化学の導入として,この不思議さを前面に押し出すのが良いのではないかと思います。ここで再び,andas さんの最初のご質問内容に戻ってみたいと思います。高校での具体的な化合物の教え方として,以下の二つの方法があると思います。 1.「塩は二つの異質な物から『化ける』ため化合物である」と暗記させる(教科書方式?) 2.「物質は原子からできており,ナトリウムと塩素の原子記号はそれぞれ Na,Cl であり,塩の構造はその両者が結合した NaCl である」と暗記させる(andas さんのご提案方式?) これらのデメリットは双方とても明確であり,まず1の教え方には汎用性がなく,物質ごとに個別に覚えさせる必要があります。一方,2は他にも通用する無駄のない体系だった考え方(=合理的)ですが,その前提に対する説明や証明は高校レベルでは不可能ですし,実際に相当複雑です。この両者を比較すると,私は,初めて化学の道に踏み出す初学者に対しては1のアプローチの方が適当なのではないかと思います。後者の説明では最初に化学結合を教える必要があり,それに付随して原子や電子の存在,分子軌道を作ることによる電子の安定化などを「大前提条件」として単純暗記させる必要が生じます。もっとたちが悪いのは,厳密な議論を避けて現実とはかけ離れたモデル(例えば「炭素原子には手が4本ある」とか)を無理やり丸暗記させることです。このような教え方では,「なぜそんな,目で見てきたようなことを断言できるのか?」という,ごく自然で本質的な質問に答えられません。本来,このような疑問を持つ生徒の方が,大前提条件を無批判で受け入れる生徒より遥かに素質があると思うのですが…。 > 「理解しやすく教える順序」 主題とは少し離れてしまいますが,この「理解しやすく教える順序」などというのは,私はとても「教師主体・生徒受け身」な発想だと思います。言わんとしている事は良くわかりますが,結局,学問は「生徒主体」にならない限り決して身に付かないものであり,理想的な教師の役割とは「生徒主体」に導くこと,すなわち生徒に興味を持たせることではないかと思います。生徒は,興味があれば自然とそれにのめり込んでいくと思います。まぁ,この考えはあくまでも理想論であり,多くの反対意見があることは百も承知ですが…。 > それこそ化学結合の発見→化合物の概念というドラマの方が良いように思えます。 これは反対です。もし生徒に学問の本当の面白さを伝えたい,学問探求の道に進んでもらいたいという気持ちがあるなら,フィクションのドラマは教育的に良くないと思います。フィクションだと知ったとたん,感動も半減してしまいそうです。例えば,もしあの「プロジェクトX」がすべてフィクションだったら…,私はがっかりです。
お礼
私の些細な疑問の主旨をきちんと理解して、さらに2方法の比較までして頂き、とてもありがたく存じます。 ただ、どうしても、「これは化学を知っている人の説明だなぁ」と思うところがあるのです。 (補足に続きます)
補足
教科書は「2種類以上の元素からできている純物質のこと」となっているようです。 また「ある物質が別の物質に変わる変化を化学変化という」となっているようです。 これでは『食塩を純水に溶かしたら電気を通すようになった。別の物質に変わったので化学変化か?』とか『塩は金属ナトリウムと塩素ガスの混合物か?(混ぜただけで化学反応してしまう)』という疑問に答えられません。 なので、頂いた回答はどうしても「化学を知っている人の回答」に思えてしまうのです。 最後の「化学結合の発見→化合物の概念というドラマ」の『ドラマ』とは、「ストーリー(お話の順序)」という程度で受け取って頂ければと思います。
- takkochan
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度々すいません。以前放送されたDNA物語のリンクです。
- takkochan
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No.5,11です。ドラマで思い出しましたが、以前TVでDNA発見のドラマがありました。ある程度年齢のいった博士号を持たない科学者クリックと若き新進気鋭の博士号をもったワトソンが共同でDNAの解析を行っていくドラマです。 その途中で、化学結合論で有名なノーベル賞受賞者ポーリング博士もDNA構造の研究に参入するということになり、あせりながらも、DNAの二重らせん構造を発明していくというドラマです。 後に、ワトソンとクリックは、この発見でノーベル賞をとることになりますが、このドラマでも、単一の化合物であることは、前提条件です。単一の化合物の化学構造 、化学結合の決定が、このドラマの醍醐味で主題であったわけです。確か、DNA物語だったと思いますが、一度見られてみると良いかもしれません。
補足
『2種以上の元素が化学結合している物を化合物という』 『2種以上の元素(や純物質や混合物)が物理的に混合している物を混合物という』 この2つ(混合物と化合物の定義と違い)を教えるためには、物理的混合と化学結合の2つの知識が必要なはずです。 『高校生に教えるにあたり、わかりやすい教え方の順序とは?』という事で、専門家としてのご意見をお聞かせ下さい。 よろしくお願いいたします。
- takkochan
- ベストアンサー率28% (205/732)
再びNo.5です。 >化学結合の発見の前に化合物という[概念]があったのでしょうか? 化学結合、化合物という言葉そのものは別にして、化学結合の概念と化合物の概念は、化合物の概念の方が歴史的に古いです。 考えてみればわかることですが、ここに1つの化合物があるとします、これが1つの物質であるということを決定することと、この中にどのような化学結合があるかということを調べる時、これが1つの物質であるということを決定することの方が容易です。その中にどのような化学結合があるのかを決めるのはかなり困難です。 例えば、ヒトゲノム計画である遺伝子が単一のDNAであるということがわかっても、その構造を確認するためには、相当な努力が払われます。 実験で多くの物質が生成し、その構造を決めるには、基本的に、各物質に分離して、単一にしてから構造(結合を含む)を決めます。 化学結合の確定より先に化合物が純粋であることを確かめる方が一般的です。
補足
再びのご回答ありがとうございます。 確かに、塩化ナトリウムを1つの物質(純物質)と決定するには化学結合は必要ないでしょう。 しかし、塩化ナトリウムを「ナトリウムと塩素の化合物である」と認識するためには、化学結合の知識が必要です。 これが化合物の[概念]です。 人類に化学結合の知識が無ければ、化合物という[概念]は存在しないはずです。 (補足続きます)
- minochan
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高校で化学を教えている経験から思うことを書きます。 原子の構造,化学結合,物質の分類という順序で教えることと,物質の分類,原子の構造,化学結合の順序で教えることがあります。 化学結合を理解するためには,原子の構造を理解する必要がありますから,どちらの場合も,化学結合の前に原子の構造を教えます。ところが,原子というものは「これがそうです」と見せることができず,モデル化したものを用いることしかできません。これをすんなり理解するためには,想像力や抽象的な概念を理解する力を要します。それなりに力があれば,それほど苦労せずに理解できますから,こちらから学んだほうがよいと思います。基本単位を学び,それの組み合わせが次第に複雑になっていくという順序になりますから,体系的に整理するにも良いと思います。 しかし,思考力があまり優れていない子ども,記号で表現されたものに対する抵抗のある子どもにとっては,実感の湧かない原子の構造はとっつきにくく,「よくわからない科目」という第一印象を与えかねません。その点,ワインと言う混合物からアルコールを分離するというような混合物を分離していく方法では,身の回りにあるもの(ほとんどが混合物)を例に話を進めていくことができます。その上で,化学が,物質を対象とした学問であること,混合物を調べるのは際限がなく,複雑で困難であること,したがって化学の初歩はそれを作っている「もと」を知ることから始まる,というふうに流していく事で,抽象的な事柄に対する抵抗感を小さくすることができます。 ただし,andasさんがおっしゃる通り,物質を知らず,化学式も知らない段階では,何が混合物で何が化合物かを正確に判断できるはずがありません。センター試験などでの出題は,化学を一通り学んだ後に再び始めに戻って考えれば解ける問題ということで不適切だとは思いませんが,化学を学び始めたばかりの生徒にそのような出題をするのは無意味なことだと私も思っています。私の場合は,実際に分離精製の実験で用いたものなどは,その都度混合物か純物質かを理解させる(でないと,実験の意味そのものが理解できない)ので,その物質に限って出題することはありますが,まだ教えていない物質を,名前と分類のみ覚えさせるということは極力避けるようにしています。 尚,蛇足ですが,高校の授業は,教科書を用いて行いますが,教科書の順序で教えなくてはならないというものではありません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 プロの方にご賛同頂けるとは思いませんでした。 また、生徒の質(?)によって教え方を変えたりしますというご配慮もすばらしい努力だと思います。 本当にありがとうございました。
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補足
しばらく時間を頂き、ゆっくりと考えてみました。 しかし、正直に言えば釈然としないものが残っています。 個人的には、勉強とは「知識の上に知識が重なる」もの、と考えています。 今まで知らなかった知識が頭に入る時、すでに知っている知識に重なりながら上積みされていく…こんなイメージです。 そこで重要なのは『取得する知識の 順 序 』だと思うのです。 いきなり知識を与えられても、関連づけられる既知事項が無ければ、ただの丸暗記と言われてしまうのではないでしょうか。 この問題で言えば、『化合物』という知識は、『化学結合』という知識を取得してから学んだ方が、無理がないのではないか?という事です。 もちろん、『化学結合』を学ぶ前に取得すべき知識があるでしょう。 ではいったい化学とは、どのような順序で学んでいけばよいのか?という事です。 極端な話ですが、化学を学ぶ上で最低限の知識は「物質とは何か?」という疑問ただひとつだと思います。 そして物質の説明を始めるにあたり、次に必要な知識は何か?です。 私としては、デモクリトスの原子論などから、人間が物質を小さな粒子の集まりであると考える事が自然な事であるように思えます。 ではどのような小さな粒で構成されているのか?それは原子という…という具合に、疑問と解答を繰り返していき、原子、電子、電子殻、安定、化学結合、単体、化合物…と進んでいくのが良いように思われるのです。 「塩化ナトリウムを混合物であると認識した高校生の話」は例えが悪かったかもしれませんが、「化学結合を知らない人間に化合物とはどのようなものかを説明できるか?」という問題提起です。 個人的には、金属ナトリウムと塩素ガスが混合されれば塩化ナトリウムが生成されるのでは、と思っていますが違いますか? 最低でも、気体の酸素と金属の鉄を混合すると(時間は掛かりますが)赤茶色のさびを生じます。 つまりは、混合しただけで(化学反応を起こして)変化する物質(の組み合わせ)もあるのに、混合物と化合物を(化学結合抜きで)どうやって説明すれば正しい理解を得られるのか?という事です。 私にはできません…。 そこで私としては、化学結合の知識の無い人間に化合物を説明するのは、ただの知識の詰め込みであろうと思われ、この疑問をこのサイトに提示したわけです。 物わかりの悪い質問者で申し訳ございませんが、すでに質問から4週間も経ってしまい、新たなる回答者様が出てくるとは思えないのですが、すでにお答えを頂いたご回答者様より今一度、化学を学ぶのに必要な知識の「取得順序」というものについてご教授頂けたら幸いです。 よろしくお願いいたします。