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ラファエロの「アテナイの学堂」について
英語で美術史を勉強しています。 「アテナイの学堂」の注釈文に"Papal library with Allegories of philosophy, theology, poetry and law"とあるのですが、Papalということは、ローマカトリック教会ですよね?アテネなのに、ローマカトリックなんですか? ここでいうlibrary とは、絵の中の学堂のことなのでしょうか、それともバチカン宮殿のラファエロの間のことでしょうか? よろしくお願いします。
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おそらく「図書室」の意味ではないでしょうか。 この絵を描かせた教皇ユリウス2世は、前教皇アレキサンドロ6世が使っていた部屋に住もうとせず、二階の4つの部屋を自分の事務室として選んだのですが、そのうちの元教皇ニコロ5世が使っていた、奥行10メートル、幅8メートルの3つの部屋が、いわゆる「ラファエロの間」と現在呼ばれているもので、それぞれ「ボルゴの火事の間」「署名の間」「ヘリオドロスの間」と後に呼ばれるようになります。(ちなみに13世紀よりニコロ3世から使われていた残りの4つ目の奥行10メートル、幅15メートルの部屋は「コンスタンティヌス皇帝の間」と呼ばれています。)そしてこのうちの「署名の間」にラファエロによって描かれた壁画のうちの一つがいわゆる「アテナイの学堂」です。 「署名の間」はもともとは教皇の図書室になる予定であったといわれ、おそらく教皇の指導により、図書室にふさわしいテーマとして「真善美の新プラトン派の偉大な思想の表現」が選ばれたのであろうといわれています。(おそらく教皇庁に勤めていた学者が思いついたのではないかといわれています。)この部屋では工事が完了してのち、最も重要な書類の署名捺印がおこなわれるようになり、それで後に「署名の間」(セニャトゥーラの間)と呼ばれるようになりました。
お礼
なるほど、それなら筋が通りますね。 詳しいご回答、ありがとうございました。