1-1「さばす」(他動詞サ行四段)=醂す
1)醂(さわ)す。
2)錆(さび)つかせる。
3)古さを出す。渋い趣きを表す。
1-2「さわす」(他動詞サ行五段(四段))=醂す
1)黒漆を光沢のでないように薄く塗る。
2)柿の渋を抜く。あわす。
3)水に漬けて晒(さら)す。
2-1「さらす」(他動詞サ行五段(四段))=晒す・曝す
1)日光にあてて湿気を取る。干す。
2)灰汁(あく)で煮た上で水に、または単に水で洗って日光にあてて白くする。
3)以降は略します。
2-2「さぼす」(他動詞サ行四段)=曝す
1)接頭語「さ」+干すの意味で、風にあてて干す。
2)曝し干すの意味で、日にさらし、かぜにあてて干す。
以上は「国語大辞典」(小学館)からの引用です。
地方の「方言」でも、家庭内造語でもなく、御覧の通り、水に漬けてから蔭乾しする「醂(さわ)す」系のルーツに係わる歴史的仮名遣いの言葉のようです。
「曝(さら)す」系は日干しの方で、その点「晒(さら)す」の方は両方の意味が兼ね具わっているようにも見えますが、逆にいえばどちらとも中途半端というか、むしろ積極的に生地の脱色を狙ったトーンがありそうです。
従って「さばす」も充分遣えるわけですが、より広く普及し今日的な「さわす」を遣えば、チャンと五段活用で表現ができることになります。
長年来培われ、先輩諸氏が鍛錬してきたこのような美しい日本語が、TVなどマスプロ・メディアの極めて上滑りにして無慮な攻撃に<曝されている>今日だけに、どうか胸を張って親御さんのお言葉を伝承され、子孫にもお伝え下さいますようにお願い申し上げます。
お礼
辞書で調べてみたところ、まさにそれです! 「さばす」というのは私の聞き間違いでしょうか?こんど親にあったら確認してみます。 ありがとうございます。