「入る」の尊敬語である連語「入らせらる(=入られる/お入りになる)」。
「入ら」(「入(い)る」の未然形)+「せ」(尊敬の助動詞「す」の未然形)+「らる」(尊敬の助動詞「らる」の終止形)
その下二段動詞化「いらせらる(=おいでになる)」の口語形として、四段活用動詞に転訛した「いらっしゃる」。
その連用形はつぎのような形を取るとされています。
1)いらっしゃります<り→い(イ音便)>→いらっしゃいます。
2)いらっしゃって<しゃ→し(直音化)>→いらっしって、いらしって。
3)いらっしゃった<しゃ→し(直音化)>→いらっしった、いらしった。
参考:前田勇編「江戸語の辞典」講談社学術文庫
その後、5段活用動詞になっていく中で、直音化がさらに進んでいった形でしょう。
いらしって→<再直音化>いらして。
いらしった→<再直音化>いらした。
お礼
ご回答ありがとうございます。 音便化ではなく直音化ですか。 直音という言葉は初めて知りました。