こんにちは、三角関数を級数で定義した場合に、通常高校でならう図形的定義(三角比)
がどのように導出されるかという事ですね。その概略を示したいと思います。
まず級数の定義から、
d/dx cosx = -sinx, d/dx sinx = cosx,
cos(0) =1, sin(0) =0はすぐに導出できますね。
cos,sinの上での微分の結果により
d/dx (cos^2x +sin^2x)=0
は容易ですね。これよりcos^2x +sin^2x=定数ですが、上のx=0での値により、この
定数は1になります。
すなわち級数の定義と微積分の計算だけから(図形的考察なしに)
cos^2x +sin^2x=1
が導出されます。
ここで直交座標系(x,y)でx^2+y^2=1は原点が中心の半径1の円を表すことが(三角関数や微積分と無関係に)わかるので、以上より(cosx,sinx)はこの円上の点である事がわかります。
次にこの点(cosx,sinx)が円のどの位置にあるかについて考察します。まず
x=0で(1,0)である事は既に示しました。またxを0から増加させると、x=0での微分係数から
この点は反時計回りに進ことがわかります。
そこでxを0からwまで動かした時の点(cos(x),sin(x))の軌跡の長さを計算しましょう。
xをxからx+dxに微小に動かした時の軌跡の長さdLは
微小直角三角形に対するピタゴラスの定理より
dL^2 ={(d/dx cosx)^2+(d/dx sinx)^2}dx^2
ですが、上式右辺はcos^2x +sin^2x=1よりdx^2となります。
すなわち
dL =dx
よって軌跡の長さはwとなります。
すなわち円弧の長さがwの時、点は(cos(w),sin(w))にいます。
この円弧の長さwは原点からみたこの円弧の角度wです(これが角(平面角=ラジアン)の定義)。
以上より通常の三角比の定義が定理として得られました。
お礼
ありがとうございます! マクローリン展開のほうを見てじっくり考えたいと思います。