お邪魔します。もう古い記憶ですので、現役の人から怒られるかも知れませんが、原理は、何も変わっていないと思います。
波長分散型
X線を試料に照射した時に発生する蛍光X線をLiFなどの単結晶で分光することで、ブラッグの式から得られる角度から元素分析が可能ですが、試料から検出器までの距離が長いために、空気中での散乱や吸収されるために、減圧した分光器となり、かなり大掛かりとなります。電子線を試料に照射して発生するX線を同様に単結晶で分光する方法もありますが、試料の分析エリアが小さく、蛍光X線分析ではなく、X線マイクロプローブアナライザーと呼ぶと思います。
エネルギー分散型
試料から発生する元素のX線のエネルギーが異なることから、分光器を用いることなく、検出器の出力を波高分析器(パルスハイトアナライザー)でウインドウを設定して、ベースラインを移動することで、種々の元素を同定するものだと思います。しかしながら、元素のエネルギーと波高を結びつける較正はそれなりに大変と思います。
多くの装置では、波長分散型とエネルギー分散型を併用しています。元素の定性分析と、精度は別として、検量線から定量分析も可能です。