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蛍光X線分析について
蛍光X線分析についての質問です。 へんな質問かもしれませんが、X線の照射によってなぜエネルギー的に安定なK殻などの電子がまず弾き飛ばされてしまうのでしょうか。荷電子の方が容易に外れそうに思うのですが。実はそのようなことも起こっているが、エネルギー差が小さく蛍光X線としては検出されにくいということなのでしょうか。 Kβ線の発生率はKα線の十分の一程度という話も聞いたのですが、そのようなこととも関係があるのでしょうか。 理系の学生ではないので、できれば数式などは使わずに、直感的に説明していただければ幸いです。よろしくお願い致します。
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回答No.1
X線の照射により,ほぼ全ての軌道の電子が弾き飛ばされています。 しかし,荷電子帯のような部分の電子が飛んだとしても,蛍光X線は発生しません。 蛍光X線は内殻にできた空孔(電子のない部分)に外殻から電子が遷移する(飛んでくる)際に,その軌道のエネルギー差に対応したエネルギーの光のことを言います。荷電子の場合,その外殻にはほとんど電子が存在しないため,遷移が起こりません。大げさに言ってしまうと,荷電子が飛んだとしても蛍光X線は発生しません。 また,蛍光X線分析の場合には,エネルギーが容易に変動する軌道を利用することはしません。できる限りエネルギーの変動が少なく,元素等が特定しやすいX線を利用します。 X線の発生率等はあまり関係ありません。 全ての軌道の電子が発生していることは,光電子分光(XPS)などの例からわかります。 XPSでは,X線照射によって発生した光電子を観測します。その際,X線のエネルギーにもよりますが,内殻から荷電子帯までの全ての電子が観測されます。 理解しにくい説明で申し訳ありません。
お礼
参考書等を見てもK殻やL殻の話しが殆どで、「それ以外の軌道では何が起こっているの?」という素朴な疑問が発端でした。 大変参考になりました。ありがとう御座いました。