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錯体の磁性。

錯体の磁性の判断の仕方が分かりません。 [Ni(CN)4]2-が反磁性で、[NiCl4]2-が常磁性である理由が分かりません。 高スピン・低スピンとか?スピン量子数とか? 元々、錯体の分野が苦手なので、どう手をつけて良いものか分かりません。

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  • ベストアンサー
  • Julius
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回答No.1

磁性の有無は金属の種類・形式酸化数と配位子の結合様式などに依存します。 ケースバイケースで細かく説明すると大変なのですが、 無機化学や配位化学の上級者向けの教科書を読めば、 大体どのような磁性になるかの予測が書いてあります。 Niは10族元素ですので、よって3d電子の数が8個です。 3d電子軌道5つに電子8つを詰めた場合、 高スピン型 (S = 1; 四面体配位): ↑↓ ↑↓ ↑↓ ↑  ↑ 低スピン型 (S = 0; 平面四配位): ↑↓ ↑↓ ↑↓ ↑↓ 空 となります。各電子がS = 1/2ですので、 それぞれの錯体の総スピン量子数は、1か0です。 S = 0は反磁性体、S = 1は磁性体ということになります。 なお、上のように配位形式が違うもの同士の比較の場合は、 通常は「高スピン型」、「低スピン型」という言葉を用いません。 以下厳密な議論を避けて、混成という古典論だけで説明しますと: 四面体配位の場合、空の4s 4px, 4py, 4pz軌道が混成し、 配位子との間にσ結合が形成されています。 平面四配位の場合、配位子の方向を向いている空の3dx^2-y2, 4px, 4py、 及び4s軌道が混成し、配位子との間にσ結合が形成されています。 この場合4pz軌道は空のままということになります。 それではなぜCl^-とCN^-という二つの配位子の間で配位様式に 違いが出たのでしょうか? Cl^-とCN^-という二つの配位子を比較した場合、 C≡Nには二つの2p軌道由来のπ結合があります。 金属のdxy, dyz, dxz軌道の電子が、配位子の空の反結合性π軌道へ流れる (逆供与)ことで、弱いπ結合が形成されます。 その結果、シアノ錯体では四面体配位が安定化されるのです。

KCkc
質問者

お礼

早々の回答、ありがとうございます。 大変、よく理解できました。 家にある本を、もう一度読み直して見ます。 錯体については、学校であまりやらなかったもので…。

その他の回答 (1)

  • Julius
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回答No.2

昨日の回答の中の結論文の 「シアノ錯体では四面体配位が安定化されるのです。」 は平面四配位の書き間違いです。

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