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差押え命令の取り下げに関する不可解なやり方について
- 裁判所の差し押え命令が事実関係を確認せずに一方的に出されていることは不当な場合もあるのではないかと疑問に感じます。
- 債権差押命令申立ての取り下げに関して、差押えた金を引き出した後に取下書が出されてもその金は返さなくてよいというやり方は一般人には理解しづらいです。
- 彼が裁判所へ抗告したものの十分な説明はなく、取下書が提出されたことにより抗告は却下されたという判決がありました。しかし、このやり方は一般の人には理解しづらいと感じます。
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まず、差押えが事実関係を確認せずなされたとありますが、それは法律の規定に従ったまでで、当然のことです。民事執行法145条2項は、「差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する。」と規定していて、債権差押命令(銀行預金の差押はこれにあたります。)は、債務者に、まだ払っていませんか、もう払いましたか、などと尋ねることなしに発令しなければならないとされています。 法律にそう書いてある以上、法律に従わなければならない裁判所としては、いかんともし難いところです。それがおかしいとして裁判所に抗議することは、裁判所に違法行為を強制することに他なりません。 では、そもそも事実関係を確認せずに発令せよと法律が定めたこと自体がおかしいかというと、これも、当たり前のことで、債務者に、差押命令の申立がきているので、払ったかどうか確認します、などと質問すれば、払っていない債務者は、さっさと預金を引き下ろして差押を空振りにする行動に出ることは容易に予測できることです。そんな事態が生じれば、債務者からお金の支払を受けることができずに、苦しんでいる債権者にとっては、何のために裁判所があるのか、という事態になります。結局、どちらが国の制度としてより適切か、という選択の問題です。 法律は、ある立場にある者のことだけではなく、別の立場にある者のことも考えて、全体的な不利益が最も少なくなるように工夫して作られています。支払った者の財産を間違って差し押さえるよりは、支払っていない者の財産を確実に差し押さえる方が優先されるというのが、法律の立場です。このように、差押えにあたって、支払ったかどうかを確認せずに差押えをすることは、日本に限ったことではなく、どこの国でも同じだと思います。(確認はしていません。) ですから、差押命令を、あなたのいう事実関係を確認せずに出すことについて、おかしいという専門家は、私の知る限りいません。現在の民事執行法は、そもそも立法に20年以上の月日をかけて立法されたもので、さらに、これが平成になってから大きく改正されていますが、そのときにも、この部分についての改正が必要だという議論が出たことは、私は知りません。 では、不当な差押えを受けた債務者はどうするのか。まず、銀行預金が差し押さえられた場合には、その銀行預金の払戻(取立)ができるようになるまで、1週間の猶予があります。この1週間は、債務者に差押命令が送達された日から起算されます。差押命令が銀行に先に送達され、その後に債務者のところに送達されても、不利益になるようにはなっていません。この1週間の間に、執行抗告なり、執行停止決定をしてもらうなり、いずれにしても、「法的手段」をとらなければなりません。差押命令の申立という法的手段に対しては、法的手段によって対抗しなければ、対抗したことになりません。 また、第三債務者(銀行)に差押命令が先に送達されることについても、差押えを確実にするために当然のことです。法律の趣旨がそうなっていて、それが常識なのですから、仕方がありません。法律は、全体がより上手くいくように立法されているのであって、多くの場合を犠牲にして、例外を優先するようにはなっていません。 しかも、不当な差押えの申立てをしたのは、債権者であって、銀行ではないのに、なぜ銀行にクレームを言いに行ったのですか?。まったく的はずれですね。裁判所からの命令に従った銀行が悪いなどとは誰も思いませんね。なぜ、すぐに債権者に抗議しなかったのですか?。的はずれなことをして、それを裁判所が悪いなどといっても、ほとんど意味がないですね。 この1週間の間に、金を払ったという証拠を裁判所に出せば、執行停止の裁判がなされて、債権者は差し押さえた預金の取り立てができなくなります。それをせずに、債権者が取り立てたことについて、何の関与もしていない裁判所に抗議することも、意味のないことです。 次に、取下によって最初から無効になるかどうかという点ですが、強制執行は、債権者と債務者だけでなく、預金の差押の場合には銀行、給料の差押の場合には雇用主、不動産の差押の場合には不動産の買受人など、多くの利害関係者が登場する手続です。法律は、それらの関係者の利害を調整するように立法されています。特に、銀行や雇用主は、一方的に差押の効力を受ける立場で、それらの人々の立場は、一番護られなければなりません。不動産の買主も同じようなものです。ですから、一度効力が生じた執行行為については、取下げがあっても、その効力は覆らないとされるのが原則です。判決で負けたり、支払督促を受けて、金を払わなければならない立場にある債務者と、裁判所からの命令に一方的に従わなければならない関係者とでは、関係者の立場がより尊重されなければならないのは当然のことです。 ですから、債権差押の命令により取立てされた債権については、取下げがあっても、取立をされたという効力は覆りません。これが覆って、銀行が預金を復活させなければならないとなると、銀行にとっては大変な迷惑になります。他方、債務者は、預金の取立てを受けるまでに法的な対抗手段を講じることができたわけですから、それをせずに、取立てを受けてしまえば、それは、きちんとした手続を踏まなかった債務者がより悪いとしかいいようがありません。 また、債権の取り立て自体は、裁判所が関与せずに、債権者が自分でできることですので、それについて裁判所に抗議をしても、これもまた的はずれで意味のないことです。 裁判所が、銀行が、それぞれ法律に従った行動をすることは当たり前のことです。あなたの立場があるからといって、違法な行動はできません。それを法曹関係者の「保身」と批判することは、法律を守るべき立場にある者が、法律を守らないことが正しい行動だと言うに等しいことです。 債権者の行動、裁判所の行動に対して、あなた達には、対抗すべき法的手段がきちんと用意されていました。それを使わずに、制度がおかしいおかしいと抗議しても、どうにもならないことは目に見えています。相談に行くのも、そのような相談は、弁護士の職務であり、裁判所や銀行が対応することではありません。 適当な例えが思いつきませんが、機械が変調を来したときは、まず手順に従って機械を止め、安全を図ることは当然のことです。それを機械を止めずに、機械メーカーに抗議して、その結果機械が爆発したとしても、機械メーカーは、爆発の責任なんか負えないと言うでしょうね。
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- tk-kubota
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AloneHさんも、AloneHさんの友人も法律を知らなすぎです。 尤も、民事執行法を熟知している弁護士さえも、いないほどですから、無理もありませんが。 みなさんの言うとおりです。(特に#3さんが親切に解説しています。そのとおりです。) 従って、今回は、打つ手がないです。 ただし、AloneHさんの友人が、債権者に全額支払っているにも拘わらず、その債権者が銀行から請求債権を受け取っているならば、それは債権者から戻して貰うことはできます。 要は、抗告理由が具体的にわかりませんし、裁判所や銀行の手続き方法に間違いはなさそうですが、債権者と債務者との間の金銭的に争いがあるなら、解決すべきです。 その点ならば、いくらでも教えます。
お礼
回答有難うございます。私は、相談した件で法律に反しているとは言っていません。 そして法律に従っての処置だったので、打つ手がないのは知っています。 私の質問は差異押えを受けた側から見た場合、また一般人の国語力から文面を理解した場合、オカシクナイですかというのが主な趣旨です。おそらく回答者の大部分は、法令や裁判所のことに関係しているか詳しい方と思いますので、私が質問した側面とは少々違う見方をしていると感じました。
- buttonhole
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>1.差押えが事実関係を確認せずに、(もちろん関連の書面は出すにしても)請求があれば(裁判所から一方的に)命令が出てしまうというやり方は、(現在は)認められているのでしょうが、 友人は民事執行法の知識が欠如しているにも関わらず、弁護士に相談をしなかったがために誤った対応をしています。まず、違法執行と不当執行の区別を理解されていないように思われます。強制執行は、執行力のある債務名義(例えば確定判決)の正本に基づいて行われます。仮に執行力のある債務名義の正本に基づかないで差押命令が発令されたのであれば、民事執行法に定められた手続に違反する違法な命令なので、不服申立としては執行抗告をします。 しかし、実際には支払っているにも関わらず、強制執行をしたというのであれば、それは違法な執行ではなく不当な執行ですから、執行抗告ではなく、請求異議訴訟を提起しなければなりません。 >何と取り下げ書は、すでに金を引き出した後で、その金は戻ってこないとのこと。 強制執行停止の申立をしなかったという致命的なミスをしています。 >その理由は、「相手方が取下書を提出したことにより、事件が終了している。」「よって、抗告による申し立ての利益を欠くことになった」という簡単なもの。 高裁の決定は、法律に照らして問題はありません。あとは、取立をした相手方に対して不当利得返還請求をすることになりますが、そもそも債務名義は何ですか。
お礼
回答有難うございます。法的なご説明は参考になりました。但し、私の求めた面とは少々違うかなという感じでした。法律に詳しい方なので、どうしても一般人の見方で評価するのは難しいのかな? なお、抗告では意味がないというのがどうも分かりません。差押えが不当だから(銀行から勧められて、さらに裁判所でも抗告する理由を説明して)抗告したのですが、一体抗告は何のためなのでしょうか?また、請求異議訴訟や不当利得返還請求が必要ということですが、数百万円以上という場合なら、弁護士に依頼することも当然考えますが、訴訟では弁護士に数十万円プラス成功報酬をとられるのではないかと思うとなかなか頼めませんよね?
- ShowMeHow
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1.裁判所が差し押さえをするのに十分な証拠があったと判断した。 2.差し押さえが行なわれ、金の引き出しが完了した 3.抗告文が提出された 4.取り下げ書が提出された 5.抗告は却下された ということだとすると、裁判所に落ち度があるとすれば最初の判決だけですね。
お礼
回答有難うございます。簡潔な回答ですが、私が求めた面とは少々違うと思います。
お礼
詳しい回答有難うございます。私は、相談した件で法律に反しているとは言っていませんので法的には間違っていないというご説明は不要だったと思います。 あなたが、法律が正当であること事のご説明をした部分は必要なことで、参考になりました。ただ、いくつかコメントしておきます。 ご説明では、差異押えを受けた方の立場を軽視している感じがしました。例えば、 差押命令を、あなたのいう事実関係を確認せずに出すことについてやむを得ないやり方という点は理解しますが、確率は少ないにしても、不当な差押命令であった場合もありうるのですから、その対応策はあるといっても、かなり面倒で費用もかかることなど、実際には対応策はとりにくい場合もあり、やられた側にかなり一方的に不利なやり方と思います。 銀行にクレームを言いに行ったというのは、正しくは自分の預貯金等がどうなっているのか聞きに行ったということです。銀行からの書面には、肝心な説明が抜けていたのでその点ではクレームしたとのこと。 「何故、すぐに債権者に抗議しなかったのですか?」という点では、抗議はしたそうですが、以前から関係が非常に悪く、無視無言の態度を徹底されただけとのこと。 裁判所が悪いとは言っていません。裁判所のやり方が妥当でないのではないにか、(というより理解できないので教えてほしい)と説明を求めました 「対抗すべき法的手段が他にあった」という点については、素人ゆえの知識不足でしょうが、銀行の差押え関係者から(こちらの事情を話したら)、抗告を出せばいいと勧められ、裁判所でも、事情を説明した後で、抗告の書面の書き方、提出仏方法など教えてもらって出したのであって、ちょっとした相談でも高額の費用を請求される弁護士に頼まなかったのが間違いと言われても親切なアドバイスとは思いません。 「取り下げによって抗告が無効になる」という事情のご説明は、そういう見方も出来るという点は分かりますが、やはり妥当と思えませんでした。特に取り下げ書の文面で、「債権差押命令申立ては、これを取り下げます。」となっていますから、普通の人が読んだら、文面通りに申し立てはしないことにしたとなりますよね?法令に詳しい方は、一般人とは違う解釈に染まっているような感じがします。日本語として適正に表現するのなら別の書き方をするべきで、少なくとも補足説明はあるべきです。裁判官や弁護士が知っていれば構わないという感じだと思います。法曹関係者の「保身」という意味は、彼らが築いてきたやり方が変ということですが、このような点などでそう思ってしまうのです。 ついでに、差押え命令が届いてから、確か3.4日後に抗告を出したそうですが、取り下げ書はその後1か月半以上たって出された他、裁判所に抗告の判決は一体どうなっているんですかとクレームしたら、その3日後くらい(当初から2か月もたっていた)に届いたという点は少々変と思いませんか?また、差押えの金が引き出された後で、取り下げ書が出され、抗告は却下というのも素人的には実に変です。 その他にも多少ありますが、私としては、やはり納得しにくいという感じです。まあ、あなたのような専門家と素人との違いでしょうね?詳細の説明をしていただいて申し訳ありません。