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法社会学における「日本人の法意識」の重要性

大学で法社会学の授業を取っています。 今、授業で川島先生の「日本人の法意識」について学んでいます。 その内容は理解できたのですが、 それが法社会学という学問において、 【なぜ重要な学説になっているのか】、 【法社会学全体を理解する上でどのような働きをするのか】、 がわからず、もやもやしています。 ヒントだけでも構いませんので、教えていただけませんでしょうか?

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回答No.2

川島先生が亡くなられてから20年以上たつのに「日本人の法意識」は いまだによく読まれていますね。 民法学者としてでなく社会学者の分野でも大きな功績を残した先生の代表作であり、 先生の考え方の応用の結果が最近の日本社会におけるADR制度導入のきっかけとも なっています。 私は法学部卒業ではないので、大学の授業という形式を通しては法社会学という 学問を深くは学んではいませんが、 >なぜ重要な学説になっているのか >法社会学全体を理解する上でどのような働きをするのか という質問者様の「もやもや感」を抱く気持ちはよくわかります。 もしこの疑問の回答をとことん追及していくならば、日本における著名な法律学者である 末広先生や我妻先生、鳩山先生(もちろん川島先生も)などといった錚々たる顔ぶれの 先生方が唱えられた学説までさかのぼって研究していかなければなりません。 いや、日本どころか訪米の法律制度の歴史、英米法や大陸法の研究も必要となって きます。 さらに法律の研究だけでは駄目で経済学や倫理哲学といったところまで 踏み込んで考察することが必要となってきます。 もちろんマックス・ヴェーバー やカールマルクスまで踏み込んでいかねば ならないでしょう。 ヴェーバーの「経済と社会」「宗教と社会」を理解し、マルクスの史的唯物論まで 考察の対象にいれていかねばなりません。 ヴェーバーが出てくるなら、社会の内部秩序を明らかにする必要性を説いて それを法社会学と名づけたオーストリアのエールリヒも当然に考慮すべきです。 たぶん、ここの回答板では到底記述できないほどの分量の書き込みになるでしょから、 そこまで親切に回答される方は少ないのではと思います。 こんな単なるネットの質問板で議論されるほど簡単な内容ではないし、 大学のゼミや授業を使って研究や議論を重ねていってくれ!という他の方々の意見のほうが 圧倒的に多いと思われます。 高名な川島先生ご自身ですら、晩年には川島学説に対する多くの批判を受けたくらいの 学問だし、そもそも「日本人の法意識」自体が、社会の複雑化に伴って 益々言葉では言い表せないほどに混迷しているからです。 いや法学者といわれる方々の大多数でさえ、目覚ましく進歩していく社会のIT化に ついていけないのではないでしょうか。 それほどに現代社会の様々な問題点に対して、法制度が追いついていけない状態に なりつつあります。 書き込みが脱線してしまいましたが、質問内容に対する私なりの考えを 簡潔に書きんでみますが >なぜ重要な学説になっているのか >法社会学全体を理解する上でどのような働きをするのか   学説というよりも立法や法を解釈するにあたって法社会学は貴重な資料となるもの なのです。 日本の法学は、川島先生の先駆者的業績によって、はじめて社会科学としての 方法論的な基礎を与えられたということができます。 「日本人の法意識」には、法律学はいかなる学問であるのか、またいかなる学問であるべきか、 という方法論上の問題を正面から提起しているからです。 例えば民法739条からの条文で、法学としての民法は婚姻が成立するための形式的要件 や実質的要件を定めていますが、法社会学はこの条文による規定が日本社会で どのくらいの程度で守られているのか、 またいまや流行の感すらある届出の無い事実婚が日本社会でどのくらいの数あるのか、 そして事実婚をする理由はなぜなのかといったことを研究していくのが法社会学なのです。 そこが婚姻を成り立たせるために必要な条文は、 婚姻制度を維持するためには何が法律の条文として望ましいか という社会制度の目的を研究する法学と根本的に違うところだと思います。 法律論の主張や法律解釈についてはさまざまな考えがありますので、 私の書き込みにも批判が多いかと思いますが、質問内容について 思うところを書き込んでみました。

回答No.1

その学説を知りませんが、 「日本人の法意識」は大体予想できます。 法律を守ってる人が正しい、普通、と思ってる人が大半で、 その一方で、普通の人が法律を全部守ることが不可能なことをあまり自覚していない。 私は本来法律はなんのためにあるかといったら、迷惑な人、組織を取り締まって、一般の人を守るためだと思います。 そこから考えると 【なぜ重要な学説になっているのか】 法律を行使する時は良心をもって行使しなければいけないと言う事ではないでしょうか。 【法社会学全体を理解する上でどのような働きをするのか】 正直よくわかりませんが・・法律を行使する際、良心をもって行使されてると思えなければ、法社会学全体が意味なくなります、ではないでしょうか。

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