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衝突軌道の範囲を制限して求めることで衝突率を算出する方法
- この文章では、衝突軌道の範囲を制限してb_min < b < b_maxで衝突軌道を見つけることが十分であることが示されています。
- 衝突率 <P(e, i)>は具体的には(P.14)で表され、この式からb_maxおよびe、iの値を用いて算出できます。
- しかし、b_minおよびb_maxは確定的に予測することはできず、b_maxはHillの方程式のJacobi積分Eによって上限が定義されます。また、b_minの下限も推定することができます。
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したがって我々の研究では、bの最小値<b<bの最大値(※1)というbの限定範囲内での衝突軌道をみつけだすことで十分である。これまで衝突速度 <P(e, i)>は事実上、次のように記載されている(方程式10を参照) <P(e, i)>=∫[b_max→b_max](3/2)db(4b/(2π)^2)∫[0→2π]dτ∫[0→π]dωp_col(e, i, b, τ,ω). ・・・・・・(14) 残念ながらbの最小値と最大値を正確に予測することは出来ない。bの最大値について、その上限をヒルの方程式における、ヤコビ積分定数(※2)から知っているだけにすぎない。方程式は下記である(1977年林その他、および第1論文を参照) E=(1/2){e(r)^2+i(r)^2}-(3/8)b(r)^2-(3/r)+(9/2). ・・・・・・(15) Eが0よりも小さな粒子はヒル球に入ることが出来ず、決して原始惑星と衝突はしない。軌道要素が無限 (r→∞)と考えると、Eが0よりも大きいという条件は、bの最大値の上限をもたらすこととなる。 b_max<{(4(e^2+i^2)/3)+12}^(1/2). ・・・・・・(16) 以下の点に留意すれば、bの最小値の下限もまた予測可能である。第一に、プラズマの馬蹄形軌道における折り返し点を見つける(図1を参照)。 二次元においてはヘノンとプティ(1986年)が、eの変化は、遠く離れたbのそれよりもはるかに小さいことを見つけている。これは、第一次近似として、3次元においてもbの変化と比較してe とIの変化を無視できることを示唆している。よって、e とI双方が不変であると仮定して次の方程式となる。(15)。 b(r)^2+(8/r)=b^2, ・・・・・・(17) ここでは、bは無限大での半主軸である。 図1:小さなbをもつ軌道例。破線で描かれた曲線はプラズマの軌跡である。プラズマ y_t の折り返し点とヒル球(x^2+y^2=1)についても示されている。 ※1:b_min→bの最小値 b_max→bの最大値 数学、力学などで使われる表示方法です。 ※2:the Jacobi integral→ヤコビ積分とは円制限3体問題における保存量のことです。たぶんラグランジェポイントなどを学ばれた時に、聞いたことがおありになるのではと思います。
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- SPS700
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したがって、我々の研究では、 b, i.e., b_min<b<b_max の限られた範囲で衝突軌道を見つけ出すのは十分である。このため、 <P(e, i)> の衝突率は実際には、<P(e, i)>=∫[b_max→b_max](3/2)db(4b/(2π)^2)∫[0→2π]dτ∫[0→π]dωp_col(e, i, b, τ,ω). ・・・・・・(14) (Eq. (10)参照)として表す。 不幸なことに、われわれは、b_min および b_max を正確に予期することは出来ない。 b_max に関しては、E=(1/2){e(r)^2+i(r)^2}-(3/8)b(r)^2-(3/r)+(9/2). ・・・・・・(15)(Hayashi et al., 1977 and Paper I 参照)で示された、ヒルの数式の Jacobi integral E からその上限が分かるだけである。 E<0 の粒子は、天空に入れないし、原始惑星と衝突することはない。 E>0 条件は、b_max<{(4(e^2+i^2)/3)+12}^(1/2). ・・・・・・(16) 軌道要素が無限(r→∞)の場合、b_max の上限を得る。 次のような考慮によって b_minの下限も予期できる。第一に、ガイディングセンター(第一図参照)の馬蹄軌道の折れ曲がり点を我々は見つける。二次元の場合、Hénon and Petit (1986)は、e の変種は、遠距離の b より遥かに小さいことを発見した。ということは、第一次的な近似によって(=大雑把に言って) e および l の変異は、三次元の場合でも、b の変異に比べれば無視できることを示唆している。こうして、e も l も変わらないと考えれば、 Eq. (15)から、b の長半径を、無限とした場合 b(r)^2+(8/r)=b^2, ・・・・・・(17) を得る。 第一図 b が小さい時の軌道の例。点線のカーブは、ガイディングセンタ-の軌跡を表す。ヒル天球 (x^2+y^2=1)、およびガイディングセンター y_tの折り返し点も示す。
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どうもありがとうございました。 感謝しております。
お礼
おかげさまで内容をつかむことができました。 いつもありがとうございます。