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お好きな私小説を教えてください。

タイトル通りです。 お好きな私小説を教えてください。 私はベタなものばかりですが 梶井基次郎「檸檬」 中 勘助「銀の匙」 開高 健「夏の闇」等です。 (国内、海外問いません)

みんなの回答

  • hazar
  • ベストアンサー率46% (124/267)
回答No.11

こんばんは alterd1953 様 私小説に なるのか わからないのですが、 大好きな ものから そうかな と 思われる ものを … ヴォルフガング・ボルヒェルト 『戸外の外で』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%92%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%88 若い 頃 よく 涙した ものです … 部下の 殆どを 死なせた 下士官として 焼野原の 故郷の 都市に 帰還した 青年が あまりの 苦しみに エルベ河に 身を 投げる … 河は、 甘ったれるな、 もっと 人生を 経験して 来い、 と 彼を 吐き出す … 死なせても もらえない … と 河岸で 絶望していると 声が 聴こえる …、 両親の 待つ 家に 帰ろう … と … 家に 辿り着くと 隣の 主婦が 両親は 亡くなった と … 「お宅の ご両親は ユダヤ人に ちょっと 手厳し 過ぎた からね、 怖くなったんでしょうよ、 でも あれだけ ガスが あれば ひと月は 煮炊き できた でしょうに、 ガスが もったいないわねぇ …」 恋人の 処へ、 将軍の 処へ 行こう と 声に 励まされ、 身を 曳き摺るように 向かうと、もっと 酷い ことが 待ち受けている … 将軍の 食卓から、 ナイフを 取り落し、 掴んで 持ってきた 「バターも 付いていない、 あんな 食パンを 持って 行って どうするのかしら …」 食パンを、 走っている 裡に また 取り落し … いつしか 河岸に 戻って 来ている … 青年の 声が 響く … 「あの 声は 何処へ 行ったんだ … どんな 時も 俺を 励まして 生きろと 言ってくれた あの声は … もう 居ないのか …」 戸外の、 更に その 外で … W・G・ゼーバルト 『土星の環』 http://ja.wikipedia.org/wiki/W%E3%83%BBG%E3%83%BB%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88 急逝された 時は ショックで … ドイツ人 としての 真面目さ、 誇り、 そして 悲しみを どんな ロマンティシズムも 言い訳も 排し、 自らを 抉る ように 書かれていた かと … ローリー・ムーア 『ここにはああいう人しかいない』 (『アメリカの鳥たち』) 才能 溢れる 若き 作家の 彼女が 結婚し、 出産、 息子が 小児 がんに … もう 何も 書けない … と 言うと、 編集者は、 その ありの ままを 書けば いい … と … そんな ことが どうしたら できる のか … 深い 悲しみの 底で、 自らと 向き合い、 静かに、 血を 吐くように 胸を 抉る ように 書かれた … ベティ・マクドナルド 『卵と私』 とても 懐かしい ベティ さん の 奮闘記、 若い頃は 都会で 働き、 同僚に 結核を 移され、 闘病して 回復、 結婚後は 一転して 農場で … チェーザレ・パヴェーゼ 『月とかがり火』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%AC%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%82%BC この かたも 若い 頃に … 失われてゆく もの … 血の 中に 流れる 情熱と 苦しみ … を 匂い立つ ような 哀惜を 込めて 書かれていた かと … 在原 業平 『伊勢物語』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E5%8E%9F%E6%A5%AD%E5%B9%B3 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E7%89%A9%E8%AA%9E どう なんでしょうか … この かたの、 好きな かたの 家の 庭先に 忍び込んで 様子を 覗う 様は、 非常に 簡潔 かつ 臨場感が あり … 子供の ような 視点でも、 幽体の ような 視点でも あり … … 挙げられて おられる 最初の 二つは 私も 若い 頃 好きで、 もう 一つ 思い当たる ものに、 魯迅 『故郷』 が あり … http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%85%E9%83%B7_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC) 九尾の 狐 だった かと 思いましたが、 チャー でした … 中学の 教科書 … 懐かしい … しかし、 やっと 書けました …

alterd1953
質問者

お礼

どうもです(笑) 近代のドイツの作家といえば、ヘッセとベルンハルト・シュリンクぐらいしか 知りませんでしたのでありがたいです。 「瓦礫文学」なんてジャンルがあるんですね。 まぁ、日本の戦後文学なんかもそのたぐいかもしれませんが。 以前「黄昏に燃えて」って映画でジャック・ニコルソンが 貨車の中で、嫁さんがアイリッシュ・ティーを淹れてくれた幻を見て 思わず立ち上がるシーンがありましたが 人間の強い思いは幻聴や幻視となって現れるようですね。 そういえば「長い灰色の線」で老兵士が軍隊を閲兵している時に 遠くに家族の幻を見て思わず歩み出そうとしたら 将軍が肩に手を置き押し留められたシーンもそうでした。 「野いちご」の海辺の家族を回想するシーンもそうですね。 ベティ・マクドナルド の『卵と私』は有名ですので一度読んでみようと思ってましたが 在原 業平 の『伊勢物語』が私小説の趣きがあるとは思いませんでした。 読んでみたいです。 魯迅 はかの有名な『阿Q正伝』を読んで、この人、天才だなと思いました。 確か、天才は時代や国を問わず色んなところに現れるんだなと思ったきっかけだったように思います。 他の作家も頭の隅に入れさせて頂きます。 ご回答ありがとうございました。

alterd1953
質問者

補足

そろそろ締め切らせて頂きます。 お陰様でかなりストックが増えました。 皆様ご回答ありがとうございました。

回答No.10

 今晩は。海外編を、もう強引に。私小説概念は無いので自伝風という事で、。 ✿南回帰線>ヘンリー・ミラー。他人の女性遍歴にあまり興味ありませんが、時折挟まれる理念的考察は素晴らしく(解るのは半分だけど、)、最後は一人の女性讃歌に収斂していきます。 「私は、、すっかり生まれ変わる前に、、人々が休息やひまつぶしにやって来るような公園になるだろう、。緩衝器。毒を排除する通風装置。~の真っ只中にある自然公園になりたい。」新潮文庫P167)ドゥルーズがよく引用する箇所ですが、まさにこのサイト主様に相応しくないですか!? ☆アメリカ=失踪者>カフカ。 自伝的と思ってたら、アメリカに行った事は無いそうですが、私小説かもと言う事で、。カフカでは爽やかですね。元々不条理では無く、変身も仲間内では笑い取ってたそうですから。ストローブ・ユイレの完璧な映画も有りました。 http://www.geocities.jp/repeatmania/m101.html写真のみ ✿八月の光>フォークナー。南部デルタ、黒人が主役。以上はアメリカ理解に役立ちました。アブサロム・アブサロムは50ページで挫折、響きと怒り、も2年で50Pのまま、。という事で、フォークナーに挫折後に、影響受けてる中上健次読むと楽かも知れません(^<^)。  中上の文は文盲の母やオバの語りの影響と古代祝詞・旧約の創世記やセネガルのグリオの語りなど口承文学の系列とジャズのアドリブで私小説を次の次元に高めたと捉えられます。 千年の愉楽>私も最初はサッパリで、肉体労働10年の後<枯木灘>読んで腑に落ちました。これも創世記のように血縁関係複雑で解らず、系図書いて漸くでした、今は本に付いてます。読める時期ってありますよね。  その頃友人や従兄弟の家庭で殺人未遂や自死等の事件があり理解するのに凄く役立ちました。普通身辺にそういう事なく、神話も小説も知らないと当事者を悪者にして終りです、自死者遺族も後ろ指で苦労してますね。 手っ取り早いのは、柳町監督の<さらば愛しき大地、火祭り>先にみるのも一助かと、。根津甚八みたいな人ほんとに居ましたね。強もてだけど鋭くも優しくて。原発労働で俺の先輩2人、早死してます。作家が拘わり続けたのも兄の自死で、残された者は考え続けさせられます。救いは? 中上ははっきり言って被差別部落と天皇家の表裏一体のような構造、歴代天皇の熊野詣での異様さ、そのメッカの新宮が舞台なので特別に日本理解に重要なのでしょう。ノーベル財団も調査してましたね、スラム出身カミングアウトの初作家と言う事で。長文申し訳ないですが、開高健も新宿ゴールデン街等で随分可愛がり、られもしたようで(酒とパンチ)いつかは読まんといけません。私も夏の闇、まだなんです。中上 画像で検索すると綺麗所のオネエチャンが読破したというだけでエバッてますよ、負けられません ✿田中小実昌<十字架>短編集なやまない>より。牧師の父君の信仰理解の為の、。イエスは迫り来る、直接に。飄々としたコミさんのその言葉が衝撃で私、聖書読み始めました。 ✿藤枝静男、私小説として益々評価あがってますね。『田紳有楽』どなたか仰っしゃるよう毛色違うでしょうが、常滑美濃系の骨董好きには堪らないかも。  私ほんとはもうホッとしたいので、楽~な私小説御座いませんか? ☆萩原朔太郎<猫町>~つげ義春<猫町紀行>貧困旅行記>より。こんなんが好みです~。  では、おじゃま致しました。  

alterd1953
質問者

お礼

遅めの登場と思えばまたえらく充実してますね(笑) >✿南回帰線>ヘンリー・ミラー 反体制といえば「四畳半襖の下張」や「愛にコリーダ」みたいに 性愛に行く方向がありますが私もエロ・グロはイマイチなんですが 仰るようにヘンリー・ミラーは 「都会のビルのレンガは愛によってくっつけられてはいない」みたいな 良い箴言がありますね。 >「私は、、すっかり生まれ変わる前に、、人々が休息やひまつぶしにやって来るような公園になるだろう、。緩衝器。毒を排除する通風装置。~の真っ只中にある自然公園になりたい。」 あのドゥルーズがこれを引用してましたか。 ドゥルーズの「哲学について」が図書館にあったので読み始めましたが 「ミル・プラトー」よりかなり読みやすいです。 「哲学者の仕事は新しい概念を生み出すことである」なんて 全くその通りで、プラトンのイデアなんて未だに生き残ってますよね。 しかし、私のことを良く分かって頂けてますね(笑) >☆アメリカ=失踪者>カフカ。 ああ。これは読んでませんが 「変身」はご多分に漏れず衝撃でした。 勿論、ブラック・ジョークとして読めますが切迫した疎外感は否めませんよね。 「城」の絶対に受け付けてくれないオペレーターとか最高でした。 >✿八月の光>フォークナー 有名で綺麗なタイトルですが黒人が主役なんですね。 映画で言えば「カラー・パープル」みたいな感じなんでしょうか。 芸術における「怒り」の表現は(まぁ、「恐怖」なんかもそうですけど) よほどテクニックやアイデアないとしんどいですね。 コルトレーンのフリー・ジャズやピカソの「ゲルニカ」なんかはオッケーなんですが セシル・テイラーや中上健次などはちょっとしんどかったですね。 しかし「肉体労働」10年は尊敬します。 若い頃はこの仕事でも良いかなんて思ったことがありましたが 年取ってから考えれば、とてもとても。 夏のくそ暑い現場に出た時なんて太陽全然動きませんでしたからね(笑) ただ、私も育ったのは、あの尼崎で8人殺したオニババァが居てた近所ですから 殺伐とした空気は良く分かります。 天皇制と被差別部落の比較は炯眼だと思います。 順位を決めた時点で必然的に最下位が生まれますからね。 問題はそれが「フェア」かどうかということですね。 実際、私の親友は朝鮮人ですが、男前で頭も良く優しいやつですが 日本企業への道は最初から断たれていました。 本当の歴史的経緯は知りませんので何とも言えませんが 勿論、柄の悪いやつも多いですし、逆手に取ってずるいことをするやつもいるでしょうから 嫌われるのも仕方無いかなと思いますが 十把一絡げに「朝鮮人殺せ」とか言ってる日本人を見ると悲しいとともに怒りを覚えます。 「夏の闇」はC・W・ニコルも絶賛してましたが 「花終わる闇」が完成してたらノーベル賞も見えていたみたいですので残念でならないです。 勿論「輝ける闇」も傑作ではありますが「夏の闇」の方が完成度は高いように思います。 >✿田中小実昌<十字架> コミさんは、あんな風貌ですが頭は非常に良いみたいですね。 何かの議論の時「論理が濁る」という発言にシビれました(笑) >✿藤枝静男 この人どなたかにも教えて頂きました。 見逃すところでした。 危ない危ない(笑) >私ほんとはもうホッとしたいので、楽~な私小説御座いませんか? 私小説ではないんですが、堀江 敏幸の短編集「雪沼とその周辺」がらく~に読めましたよ。 特に「スタンス・ドット」が傑作です。 >☆萩原朔太郎<猫町>~つげ義春<猫町紀行>貧困旅行記> どちらも好みですが 元漫画家志望としましては、つげ義春は特別な存在です。 「紅い花」なんかも勿論良いんですが ちょっと甘い「海辺の叙景」なんかが大好きです。 特に、私もシュール系のマンガを描いてましたので 「ねじ式」は非常に「やられた感」がありました(笑) ああ。たっぷりお喋り出来て満足感があります(笑) ではまた(笑)

noname#202494
noname#202494
回答No.9

お礼に回答するのは大丈夫でしょうか。 はいはい。釣大全、もっと遠く、もっと広く、オーパ、あたりを片っ端から片付けていたように覚えています。小説は一編も読んでいないので、ご本人に天国でお会いしたら、苦笑なさるでしょう。釣りはご趣味だったんですよね。確か。 私には、活餌ではなく、毛鉤を使うテクニックのところが面白かったように記憶しています。こりゃ、私にはできない、男の世界だわ~、すごいこだわり。でも、われを忘れて没頭して、しばらくして、ホッと息をつく感じが良かったです。 なくなられたとき、”珠玉”(だったかなぁ。。。)を読んで、その男くささに圧倒されたことを覚えています。男性の原点を、女性との交渉に求めて、ぎりぎりのところで昇華させるんでしょうか。 こちらの回答欄を借りて、失礼ですが、鶴亀さん。 ”山椒魚”や”黒い雨”(テーマを一度噛み砕いて、形を変えて作品にしている)を書いた井伏鱒二が、いかに刺激されたとはいえ、”珍品堂”のような私小説風の作品を書いたのは、不思議なことだと思いました。彼の手に負えないけれど、書いて見たい面白い世界だったんでしょう。 青山二郎氏は、宇野千代さんの作品があったように思いますが、文人だったんでしょうか。秦秀雄氏については何の知識もないですが、小説のままの人だとしたら、骨董の世界は怖いです。有名な*ほぼ詐欺師*の札付き骨董屋だったんでしょうか。 白洲正子女史については、文献学者にはかけない”西行”で、思い切った論を展開なさって、私の疑問(なぜ西行が出家したか)を氷解なさった方なので、蘭女のモデルだったらショックなのです。彼女は青山二郎氏のことも書いておられるのですね。機会があったら読んでみたいと思います。 楽しい情報をありがとうございました。 アルタードさん、回答欄をお借りしました。お詫びとお礼を、一緒にお受け取りください。

alterd1953
質問者

お礼

>お礼に回答するのは大丈夫でしょうか。 今のところ脱線しまくっても削除されたことがないので大丈夫でしょう(笑) 開高さんの小説では「夏の闇」と「玉、砕ける」が大傑作ですので もし機会があれば是非どうぞ。 「珠玉」は女性を描くのは相変わらず巧かったですけど 「掌のなかの海」で息子を海で失くした医者の孤独が痛切で好きでした。 >男の世界だわ~、すごいこだわり。 私もフライ・フィッシングに凝ってた頃 フライを巻くところまでやりました。 なんか自分が褒められたみたいで妙に嬉しいです(笑) >アルタードさん、回答欄をお借りしました。お詫びとお礼を、一緒にお受け取りください。 多分、読んで頂けると思いますが、私からもお声掛けしておきます(笑) ではまた(笑)

noname#180427
noname#180427
回答No.8

こんにちは。 私の質問に回答いただいたようですが、 お礼の前にciaoplpoさんの回等を楽しく拝見しましたので 私も少し・・・。 >洒落の利いた文章がおいしい日本酒のよう・・・ 上手な文章です。 井伏さんに負けておりませんね。 「珍品堂主人」の小林秀雄らしき人・・・小林秀雄でしょうね。 井伏さんんと河上徹太郎の対談にこのような下りがあります。 井伏さんが小林さんに「つば」の自慢をされたと言う話し! 「珍品堂主人」のモデルは秦秀雄さんでしょうね。 小林秀雄、青山二郎とも随分と親交のあった人ですし。 蘭女は、はて?誰でしょう? 白州正子さんでも面白そうですが(笑) ついでにalterdさんへ 白州正子さんの「今なぜ青山二郎なのか?」 骨董趣味を知るには面白い本です。 お薦めしておきます。

alterd1953
質問者

お礼

おお。これはまた含蓄のあるお話ありがとうございます。 Ciaopolpoさんにも是非読んで頂きたいです(笑) ではまた(笑)

noname#202494
noname#202494
回答No.7

開高健さんの釣りの本は、良かったです。通勤のときに読みましたが、厚い本だったので、周りの方ににらまれました。 釣りつながりで、 井伏鱒二の”珍品堂主人”には、どうやら、小林秀雄らしい人がでてきます。蘭女は、北大路魯山人だとか、違うとか。当時の文壇に詳しければ、それは面白いと拝察します。そうでなくても、井伏さんの日本人男性特有の、洒落の利いた文章が、おいしい日本酒のようでした。 ほかにもありそうですが、ちょっと、出てきませんね。齢ですね。

alterd1953
質問者

お礼

こう言っては失礼かもしれませんが 女性にしては男っぽい本を読まれますね(笑) 開高健のぶあつい釣りの本と言えば「もっと遠く!」か「オーパ」でしょうが 目を引いたでしょうね(笑) どちらも物凄く面白かったですね。 文庫で出てますが「フィッシュ・オン」の「アラスカ編」も最高でした。 釣り関連で続ければ、ヘミングウェイの「心がふたつある大きな川」も 無茶苦茶良いです。 ナイーヴな青年期の男の心情とマス釣りを描いて見事です。 ヘミングウェイって男っぽく振舞ってましたが 実は相当にナイーヴな男だったのではないかと思ってます。 (あ。このナイーヴは英語本来の意味ではなく、あくまで日本での意味です。笑) 作家の交友録も面白いですね。 開高さんが初めてアラスカにサケ釣りに行く時に 福田蘭童が懇切丁寧に資料を送ってくれた話はちょっと良かったです(笑) ではまた(笑)

回答No.6

 今晩は、満月なので、。 ☆「Kの昇天」ー梶井基次郎。ドッペルゲンゲルを作家分身とすると、私小説とSFの融合か? でも幻想ではなく、ボードレール以来の阿片知識による本当の意識の姿かも、。  月に昇天ですが、、4次元座標に虚数導入されて、光のヌルラインの距離求める式で、光速に達すると距離はゼロになります(複素空間を通って)。人の意識イマージュには可能かも、月まで距離無しで、。 トンデモですがチベット仏教修行で「あの遠くに見えてるカイラス山の頂きまで一寸行ってこい!」ってのが有ります、意識分身がです。この頃は結構過激で根源的ですね。  ☆森敦「意味の変容」デビュから40年のビッグブランク中に研究した数学と自伝の融合。 トポロジー<近傍>概念駆使して、この世とあの世・生と死・内と外が反転する幽冥界の論理と救いを探る。それが小説に見事に結実したのが、  ☆天沼;月山の後日譚として併載、じさまと雪山の自然描写の土台に厳密な数学論理が隠れてるのは驚き。絶品です。  ★灰色のコカコーラ by 中上健次;60末新宿Jazz喫茶ラリッパ、無名のビートたけしらしき姿も、。 マイルスとコルトレーンの日々の人達には今尚リアルか!? 私は作家が熊野にもどってからが、。 ✿中上健治「化粧」より<修験、欣求>など。熊野特有の伝奇的・霊的世界と路地の強烈な体験の現実世界が交差して織りあげられている。数年後の同様作品集はさらに練られた実験かつ私小説、 ★熊野集」より<桜川、妖霊星、葺き籠り>等。都会に居ると判らないけど私、全国の港湾肉体労働長くて、地方行くと中上の世界は本当の事ですね。家族・性愛・暴力・粋・早死、シャッター通り等の問題と土地の精霊。福島に行っても感じたけど正にアクチュアルですね、世界的にも。  ジャズの文体の事、評論家あまり言わないけど中期からは己に書き直し訂正を禁じて、ほぼJazzアドリブのように一気に綴ったそうです。全集扉裏の生原稿の装丁見ると、古代の祝詞のような文字がぎっしりと、異常です。古事記などの神話・ギリシャ悲劇と現在の労働などの問題に興味が無い人には退屈な小説でしょう。よく言われますのでお薦めはしません。ジャズな主さんは別ですよ(笑)。  あと私小説の大漫画家;つげ義春さんは小川国夫氏の私小説が好きだそうです。  では、ごゆっくり。

alterd1953
質問者

お礼

>「Kの昇天」 「闇の絵巻」と良い勝負で好きです。 しかし、こっからヌルラインまで行きますか(笑) ローレンツ変換はおろか虚数だって、せいぜい1の3乗根ぐらいしか 馴染みの無い私にはとてもとても(笑) ただ、量子力学なんかが顕著みたいですが東洋思想との接点が出て来るみたいですね。 >森敦 親戚に借りパクされたので私小説かどうか確かめられなかったので 例に挙げませんでしたが、仰る通り「月山」最高でした。 ウィキペディアによると数学者の森毅さんも理系的センスを褒めてたみたいですね。 そういえば「月山」の主人公もダムの技師かなんかでしたね。 >中上健次 この人、何か有名なやつ読みかけたんですがダメでした。 イメージの爆発は結構なんですが何かしっくりこなかったです。 でも、今なら読めるかもしれませんね。 まぁ、ジャズは元々奴隷の音楽ですし 私も紋々入れるのが当たり前と思ってる土方のおっちゃんと働いてたこともありますので 肉体労働の匂いは少しは知ってるつもりですし 下請けの作業員は線量計はずされた上に手当てピンハネされ 東電の偉いさんは高額の退職金貰ってとっとととんずらかましてるのとかには 無茶苦茶腹立ちますが、それって大昔から全然変わってないですよね。 そりゃあ、18才かそこらで、とんでもなく難しい東大の問題を解けるのは 凄いとは思いますが、その後の人生が違い過ぎると思います。 それを許している大衆も奴隷根性じゃないかと思いますけどね。 まぁ、こんなところでグチャグチャ言っても仕方ないですね。 とりあえず、大好きなつげ義春さんのお気に入りの小説を読んでみます(笑) ご回答ありがとうございました。

noname#182738
noname#182738
回答No.5

井上靖の三部作。しろばんば、夏草冬濤、北の海、です。大好きです。 あとは志賀直哉の「城の崎にて」も好きです。 太宰治「富嶽百景」うんうん、わかるわかる!って思います

alterd1953
質問者

お礼

どれも良さそうですね。 「うんうん、わかるわかる!」ってのは私小説の醍醐味のひとつでしょうね。 じっくり読んでみます。 ご回答ありがとうございました。

noname#227653
noname#227653
回答No.4

なんといっても車谷長吉(くるまたにちょうきつ)でしょう。現在は私小説作家としては廃業していますが、作品はどれも強烈で私は大好きです。

alterd1953
質問者

お礼

やっぱり良いですか。 ずっと気にはなってたんですが。 一度読んでみます。 ご回答ありがとうございました。

  • 31192525
  • ベストアンサー率19% (705/3542)
回答No.3

alterd1953さん、こんにちは。得意分野です(笑)  二十代の頃はもっぱら私小説を読んでました。その割に思い出すのはベタな人たちばかりですけど…。 ●大江健三郎  『新しい人よ目覚めよ』(障害を持って生まれた長男の光さんとの生活を、ウィリアム・ブレイクを読み解きながらつづる。もしかしてこんなのお好きでは?)  他に『同時代ゲーム』『懐かしい人への手紙』『個人的な体験』 短編で『罪の許しの青草』『その山羊を野へ』『父よあなたはどこへ行くのですか』などなど多数。 ●太宰治  『晩年』収録の諸短編 『津軽』『人間失格』『富嶽百景』  白眉は『桜桃』です。これは凄い。 ●堀辰雄  追分(軽井沢)が舞台の諸作 『ふるさとびと』『美しい村』『燃ゆる頬』 そして『風立ちぬ』 ●藤枝静男  『空気頭』『田紳有楽』『欣求浄土』(田紳有楽は私小説じゃないかな?)  ●井上靖  『あすなろ物語』『しろばんば』 ●島尾敏雄  『死の棘』 これもどうやらそうらしいということで、 ●ゲーテ  『若きウェルテルの悩み』 おっと、これもそうだった。 ●村上龍  『限りなく透明に近いブルー』 余計なことですが、谷崎、志賀、藤村は苦手。鴎外、犀星は私にとって印象薄でしたので挙げませんでした(汗)

alterd1953
質問者

お礼

おお。さすがの充実振りですね。 大江健三郎はイマイチ苦手だったんですがブレイクが絡んでるとなると 読みたくなります(笑) 太宰治もイマイチ苦手だったんですが「津軽」は前から気になってましたので これを機会に読んでみたいです。 堀辰雄の『風立ちぬ』のラストの爽快感はちょっと他に思い付きません。 藤枝静男は全く知りませんでした。有難いです。 井上靖の『あすなろ物語』はタイトルから勝手に客観小説かと思ってました。 島尾敏雄の『死の棘』は映画も良かったですので、いずれ読まないといけないと 思ってます。 しかし、あの時代にすでに私小説を書いてたとはさすがゲーテですね。 村上龍の『限りなく透明に近いブルー』は、あれに近い青春でしたので 中身に新鮮味はあまりありませんでしたが文学史上での意味はあったでしょうね。 後、苦手な作家の幅広さが面白いですね。 「小説の神様」もダメですか(笑) かくいう私も何故か、シェイクスピア、漱石は苦手です(笑) たっぷりのご回答ありがとうございまいした。      

回答No.2

   私本論 ~ さらば、紙本論 ~   http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4101109125 ── 松本 清張《半生の記 19700625 新潮文庫》 http://d.hatena.ne.jp/adlib/20020804 清張紙碑   http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/B000JABZ7I ── コールドウェル/田中 融二・訳《作家となる法 19650720 至誠堂新書》 http://d.hatena.ne.jp/adlib/19650720 立読み ~ 買いそびれた本 ~   …… もう数十年前から、新人賞作家の作品を読んでいません。  題名を見ただけで、手に取る気がしません(以下、その代表作)。 http://okwave.jp/qa/q3691099.html (No.4 20080122)   …… 読まない人とは語れない、読んだ人とは争えない。 http://d.hatena.ne.jp/adlib/20110117  ヌルテ・スポット ~ 知らぬ、読まぬ、買わぬ ~  

alterd1953
質問者

お礼

>松本 清張《半生の記 19700625 新潮文庫》 松本 清張さんって苦労人だったみたいですね。 作品の凄みが頷けます。 >コールドウェル/田中 融二・訳《作家となる法 19650720 至誠堂新書》 若い頃、友人が「タバコ・ロード」を読んでたのを思い出しました。 ついぞ、感想を聞くのを忘れましたが(笑) 敬愛する開高健が書評しているのが嬉しいです。 >…… もう数十年前から、新人賞作家の作品を読んでいません。  題名を見ただけで、手に取る気がしません(以下、その代表作)。 リンク先を読ませて頂きましたが、おいそれとコメント出来ないような 深いお話でした。 >ヌルテ・スポット ~ 知らぬ、読まぬ、買わぬ ~ 私も村上春樹は勿論のこと、ほとんどの新人作家の作品はタイトルを見ただけで 読む気になれません。 知り合いの薦めで読んだ堀江敏幸の「雪沼とその周辺」は唯一少しだけ良かったです。 ご回答ありがとうございました。

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